盗聴器を仕掛ける工場長の話
父の知り合いで、毒婆の本音が聞きたいからって盗聴器を仕掛けた工場長の話でもしようかね。
毒婆はコネが嫌いなのだけど、どうしても父親が介入したがる関係で、その勤めるところも
工場長が色々言われていたようなのさ。
まったくい、困った父親を持つと人生が一気にハードモードになってしまうのはいただけないねぇ。
まぁ、毒婆もあまり話をするのが得意じゃなかったことや、一人で黙々と仕事をする場所で作業していたから
一人きりだと本音が聞けると思ったのか、工場長が急に盗聴器をしかけ始めたのさ。
そうやって、毒婆に対する他の人たちのさまざまな溜飲を下げていたのかもしれないけどねぇ。
何か言いたいこと、指摘したいことがあれば普通に面と向かって注意してくれればいいのだけど、そういうことをされないから毒婆はいつも困っているのさ。
前話をした、部長のようなやり方はコリゴリだけども、恐らく、父親の耳に話が入るのを怖がったんだろうさね。
しかしまあ、盗聴器を仕掛けるというのはなんとも変な発想なことだと思うのだけど
世の中の、コネを使って入社した(と勝手に思われているだけだけども)人間というのは
そういうことをしょっちゅうされるものなのかね?
毒婆も流石に、盗聴器を仕掛けられて、他の人と一緒に聞いていたのは驚いたし
仕事したらいいのに、と正直思ったところだよ。
盗聴器を仕掛けたことがあるひとは、される身にとってはとても気持ち悪いものだから
できたら今すぐ辞めてほしいところだよ。