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たぬき

作者: 最愛の人
掲載日:2022/02/10

大恋愛の後には、遅かれ早かれ必ずお別れというものがきます。それが若いうちなのか年を取ってからなのか、それともどちらかの命が尽きてしまう時なのか。別れをテーマにして書きました。

二人の生きている別れなのならまだ良いと思えるかもしれません。

 じゃーっと風呂から水が溢れ出る音が、響く。

「あぁ、温かい」

 僕は、八日前に最愛の人を亡くしてしまった。


 雨の降る、暖かい冬の日に、前振りもなく訪れた。その日も今まで通りのデートの予定だった。僕と彼女は、片道2時間ほどの遠距離恋愛をしていた。

 彼女とは、大学のサークルで出会った。初めは、お互い気にも留めなかったが徐々にラインや電話をするようになった。そして、彼女のアプローチに応じて、付き合うことになったのだ。正直こんなに長続きするとは思っても見なかった。いつ終わるかとかも考えなかったが、すぐ終わってしまうだろうなと思っていたのだが、僕が思っていた以上に惚れてしまったのだ。

 結局最後まで大きな喧嘩は一切なかった。けれど、何度か我慢していたことをポロッと言ってしまうことがあった。

「将来、君と結婚したい。」

 そう言うと、彼女は嬉しそうに

「ありがとう。私も同じこと考えてた。」と言った。

 その瞬間、彼女が僕の一部になったように感じた。将来のことを考える時、「一緒に」を中心軸に、何事も計画を立てるようになった。

 人生で初めて、彼女と二人きりでの旅行に行った。一緒に映画を見て号泣した。一緒にご飯も食べた。ドライブにも出かけた。僕は、遠距離だったが彼女が常にいるような錯覚に陥った。何をしている時も、ふと彼女を思い出す。僕は、特に彼女の笑顔に惹かれた。彼女の笑顔は、どんなに疲れていても、悩んでいても全てを忘れさせてくれるものだった。

 僕は、インターンをすることになり、二ヶ月ほど彼女に会えない日々が続いた。初めは、業務内容も忙しかったわけでもなく、余裕を持って生活を送れていたが、ある日を境に仕事の量も増えていき、彼女を雑に扱ってしまった。あろうことか、僕は、彼女の誕生日を忘れてしまった。言い訳はしない。仕事のせいにはしたくないが、彼女以外に頼る人がいなかった。

 僕は、自分が思っていた以上に非力で不器用だった。

 徐々に、彼女の態度が変わっていくのに、気がついていた。でも、どこか「大丈夫」と信じていた。僕は、驕りすぎていたし、あまりにも無知だったのだ。


 インターンも終わり、久しぶりに彼女に会うことになった。彼女は、僕の知っている彼女ではなかった。デートが楽しくないと思ったのは、これが初めてだった、でも僕は、彼女はまだ僕の一部だと信じていた。けれども、彼女の中では、僕はもう友達以下だったようだ。

最後まで僕は、自分勝手だったが、彼女は頑固だった。

そして、最後に笑った顔で手を振り合った。僕は、うまく笑えていなかっただろうが、彼女の笑顔は、最後まで可愛かった。


彼女を失った僕は、本当に僕であり続けていいのだろうか。これまでの三年間はなんだったのかと、疑問が頭をよぎる。今もまだ僕は、君を愛している。中身は自分で処理をしようと考えた。外身は、どうにでもなってよかった。他の人に迷惑をかけるのは、気が引けたが。

 君からもらった華は、まだ捨てられずにいるよ。気づかなかったけれども、この華は、枯れてからトゲが生えるのだね。君の笑顔からいっぱいの哀を受け取ったよ。

ありがとう


「あぁ、あたたかい」



実は、私が最近失恋をしたのでこれを書きました。周りに支えてくれる人がいなければ、私もこの主人公のようになっていたかもしれません。デートの風景や若いからこそ結婚を甘くみて、すぐに結婚しようと言ってしまうところも私の大恋愛を元に書きました。彼女は、これを読むことは、一生ないとは思いますが、書かずにはいられませんでした。届く必要はないと思いますが、届いたら届いたで面白い反応がみれるかもしれません。彼女には、縁があれば私が幸せにしてあげたいです。縁がなくても、彼女には幸せになってほしいなと願っています。ありがとうございました。最愛だった人へ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 僕が評価するのはおこがましいです。 [一言] 届くといいですね。
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