最高で最悪なかんちがい(2話 4)
どうもーセアロクでーす。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
またも僕は発狂しながら走っていた。
ヤバイ! なんで逃げちゃうんだろ?
ていうか、ひどいよ!!
なんで、なんで。
野球部のマネージャー(男)といっしょにいるんだよ!!!!
『ふたりきり』
て言ってたじゃないか。
そうか! 冴木さんと野球部のマネージャー(男)で『ふたりきり』なのか。私は野球部のマネージャー君とデートするからてめぇは黙ってオイオイ泣きながら見てろやってことか!
なんだよ! なんだよ! 見た感じめっちゃ楽しそうに話しやがって!
「くそっ、くそっ、これだからび●ちは!!!」
思わず声に出したところで、僕は気づいた。
ここでまた逃げちゃだめだろ。冴木さんに聞きに行こう。少し遅れたぐらいなら怒られることはないだろう。ここでまた逃げたらもう二度と関わることがなくなってしまうかもしれない。
「そんなのは嫌だ!」
僕は思わず叫んでいた。
気づくと周りの人はクスクスと笑っていた中、側にいた小学生のガキがゲラゲラ笑い出して言ってきた。
「兄ちゃんいい歳してアンパンマン見てんのか? 俺の妹といっしょに見させてやろうか? アハハハハハ!」
このクソガキが!!!
とっちめてやろうと思ったが周りに人もいるしそんなことやってる場合じゃないと思い無視することにした。
ア●パ●マ●の歌詞みたいなことを叫んだ自分が恥ずかしい。
「顔真っ赤になってるぜ、おもしれー」
「うるせー! どっかいけ!」
大人として無視は良くないと思った。
ガキを追い払った僕は冴木さんのいた方へ歩いていった。
すぐに戻れば許してくれるだろう....うん、そうだろう。
逃げなかった僕を誰か褒めてくれてもいいんですよ?あ、褒めるわけねぇだろって? ですよねすみません。
ノロノロと僕は冴木さんのいたところまでやってきて、全身の力が抜けたかのようにその場に崩れ落ちた。
冴木さんがいなかったのだ。
野球部のマネージャー(男)もいなくなってた。
僕に愛想を尽かして何処かに行ってしまったのだろうか? 何故愛想を尽かされたんだ? 僕は少し考えた。
蘇る記憶
『くそっ、くそっ、これだからび●ちは!!!』
あっ、これじゃん。
特にないです