最高で最悪なかんちがい(2話 3)
短いです
そして迎えた土曜日
僕は....余裕の表情で電車に乗っていた。
ふっふっふっ、前回と同じようにはいかないぜ。なぜなら今回は
『ふたりきり』
なのだから。
そう、僕一ノ瀬凱は冴木さんに『ふたりきり』で出かけようと言われたのだ。
この前の月曜日にて
「あ、次の土曜日は『ふたりきり』で出かけようね!」
僕ははっきりと『ふたりきり』と聞いた。
冴木さんが僕に、他の人も来るということを言ってなかったことからの謝罪も込めたことなのだろう。
だれにも邪魔されないのだ。女子テニス部部長や野球部マネージャー(男)がいることなく冴木さんといっしょにお出かけできるのだ。
「ふんふんふ〜ん」
鼻歌を弾ませながら集合場所へと向かっていった。
やっと僕もラノベみたいな充実した生活を送ることができるんだ。
中学校の頃、ヤンキー的な存在のやつが、他校の可愛い生徒と歩いているのを見てしまい、それをクラスのみんなに広めたら、次の日に僕はそいつに危うく意識が飛びそうになるぐらいの跳び膝蹴りをくらったな〜。
それがきっかけでヤンキーのいる高校に行きたくないと思うようになり、必死に勉強したはずなのに平均的な高校になってしまったな〜。
何で何だろ〜......。
そっか勉強してたと思い込んでたのか。そっかそっかそれならしょうがないな〜。
いつもならこういうときに気づいたことにむしゃくしゃするのかもしれないけど、今は不思議と心が弾む。
そう、リア充ライフがいま、始まるからだ!!
前とは違い、先に僕が冴木さんを見つけ、声をかけようとした瞬間......!
僕はまたも逆方向に向けて走り出した。
僕は脳内で即座にGoogle検索をした。
『ふたりきりとは?』
凱、お前......