最高で最悪なかんちがい(1話 3)
一週間更新はまだまだ続きます。
僕はまぶしい光から避けるために近くの席に座り込んだ。
電車は休日の昼間ということもあり、少し混んでいたが席には座れた。
……もしかして……僕が勝手に2人きりだとかんちがいしていたのか? そうであってほしくない。もしそうだったらもう冴木さんに顔向けできない。
あれこれ考えてもしょうがない。
はぁ….ラノベでも買いに行くか。
そう思った僕は最寄りの駅で降りて、駅前の本屋まで行くことにした。
またかよ....
この前見たギャルたちを発見した。ただ今僕はギャルたちから少し離れた位置に隠れている。周りの人に変な目で見られるので出来る限り堂々としようとしているが、やはり見られてしまう。
少し近づいたのかギャルたちの声が聞こえてきた。
「まじであいつありえなくね〜」
「まだ言ってんの〜」
怖っわ。早く離れよ。
「あれ? あいつじゃね? えーと......」
ヤッバ。返って目立ってしまったようだ。
ギャルの1人が言った言葉を聞いて足早に去った。
もう外出ないようにしようかな。そんなことを考えながら歩いていると、休日なので子供連れがちょくちょく見える。知り合いがいませんようにと、祈りながら僕はラノベのコーナーまで来た。すると興味があったラノベの新巻があることに気づいた。
おっ、ラッキー。
と思った僕はそのまま誰の手とも触れ合うこともせず、新巻を手に取った。中学生のときに誰かと手が触れ合うことに期待して待っていたことがあるが結局誰とも触れ合うことはなかった。おっさんに手が触れそうになったのは忘れたい……。
......ちょっとだけ読んで買おっかな。
そう思った僕は口絵を見始めた。
おっ!やっぱこの絵描いてる人天才だよな〜
めっちゃかわえ〜
この人のTwitterに最新の絵があるのか、後で確認するかな。
そのとき、可愛らしい声が聞こえてきた。
「あっ、凱くんこんな所で会うなんて偶然だねー。何読んで......」
どこからか現れた冴木さんは、目の前にいるラノベを読みながら、気持ち悪い笑みを浮かべているクラスメイトを見て顔をひきつらせた。
「あっ、あはっ、邪魔しちゃったね。また会おうね。バイバーイ」
そのままどこかに行こうとする冴木さんを止められず、僕はその場にただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
やっちまった
僕はこれまでのやらかしをようやく理解した。
短い?気のせいですよ!!