最高で最悪なかんちがい(1話 2)
また遅れましたね。はっはっはー
すみません
え? なになに? どうゆう状態? 意味わかんないんですけど? わけわかんないんですけど?
僕の頭の中は、パニックだった。
え? なんで冴木さんとマネージャーと女子テニス部部長がいっしょにいて、僕を待ってるわけ? 2人だけじゃないの? え? え? これって僕絶対邪魔じゃない?この輪の中に僕入っちゃだめじゃない? ていうかテニス部の部長すげぇかわいいな。
みると冴木さんは可愛らしい服装なのに対し、テニス部部長は少し大人っぽい服装だった。
今度から練習中にチラチラみることにしよう....。
そしてとりあえずこの場から急いで離れよう!
そう勝手に考えた僕は逆方向へ、自分が聞いてなかっただけなのに内心騙されたと思って走り去っていったのだ。
「やっちまったー」
僕は駅のホームで呟いた。
なぜ走り去ってしまったのかその理由がわからない。別に「あれー2人だけかと思ってたわー」とか言って少し揺さぶってみたり、特に何もせず「ごめんー待たせちゃったー?」とか言えばなんとかなるはずだったのに。逃げ出すなんて隠キャこじらせすぎだろ……。
別に野球部のマネージャーとは友達だし、そこから冴木さんと、女子テニス部部長の2人と仲良くなれたかもしれないのに......
ほんとに僕はアホだ。
これからどうすれば......
「おーい、おーい、凱くーん」
ん? なんか声が聞こえてきたような? 多分気のせいだな。
「ねぇーねぇー凱くーん」
電車が来たようだ。僕は電車に乗り込んだ。可愛らしい声が聞こえてきた気がした。何だったのだろうか。
....考えてもしょうがないよな。切り替えよう!!
大事なチャンスを潰した気がするけど気のせいだな!!
全て気のせいにした僕に向けて、電車の窓から批判するかのような昼間の眩しい光が、僕を照らした。僕はその光から目をそらした。
そして駅のホームには可愛らしい女の子が立ち尽くしていた。
3月になれば...3月になれば....