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Attack the gate

村に到着!!

「ようこそいらっしゃいました。」


人攫いの被害が最も大きい村に3人はやって来た。まずは、村長への挨拶をし歓迎を受ける。村長に対し人攫いについての情報提供を求めた。彼曰く人攫いが発生するのは3日に1度のペースで深夜に女と子どもをターゲットに行われているという。


「この村は大きい村である故、全ての家に警備をつけることは不可能です。門に警備をつけていますが、一度も捕捉できたことはありませぬ・・・おそらく門以外からの侵入だと考えられます。皆さまには空き家を提供しますので拠点としてお使い下さい。」


「私達の為に至り尽せりの対応ありがとうございます。隠密に調査を行いたいので、私達が公都から来たことは内密に・・・新しき移住者という形でお願いします。」


村長は重ね重ね感謝を述べる。俺たち3人は与えられた家へ案内された。早速作戦会議といこう。


「人攫いは深夜・・・、俺たちが見回りするなら夜か?」


「夜は必須で行う必要があるけど、太陽が上がっている内に調べたいこともある。侵入経路の考察とかね。」


「それってあたし達いつ休憩するのよ。」


「交代で寝ていこうか。夜はカレンで確定として、今からは私達のどっちかが休もうか。」


「なんであたしは確定なのよ。」


「犯人が狙うのは女子供だからだよ。」


「ん?どうゆう事。」


「はっ、兄としてそれでいいのかよ。」


男2人は笑う。カレンを囮の為に家に置くという真意に気づいたからだ。


「大丈夫でしょ。カレンなら捕まっても、その先で暴れて敵が壊滅しそうだし。」


「あ!やっと分かった。あたしの事を囮にしてるでしょ。」


とりあえずの方針は決まった。まずは俺が休憩することになり、ルキウスとカレンは調査に家に出た。これから毎日夜は寝れないだろう。ちゃんと寝ておくか。



◇ ◇ ◇ ◇



「おはよう、ヨシヒロ。交代よ。」


「あ・・・、うん。」


「気持ちよさそうな顔で寝てたわね。羨ましいわ。」


「兄さんが今から休むから早く準備してね。外で待ってる。」


「了解ーー」


外着に着替え外に出ると夕方になっていた。ルキウスは既に就寝の準備をしている。これからはカレンと見回りだ。


「侵入経路の目星はついた?」


「うーん。微妙かな。東西南北に門があって他は壁で円周を囲っているから、短略的に考えると壁をよじ登っているという結論になるのよね。」


「行きはまだしも、帰りは攫った人を担いでの逃走は難しくないか?」


「そうなのよね。どこかに抜け道があるんじゃないかっていうのが兄さんの仮説。それを探しましょう。」


2人は壁沿いを歩いて調査を行った。しかし、それらしき場所は見当たらなかった。捜索を打ち切り拠点としている空き家に戻る。すっかり夜は更けている。辺りは暗く見渡しも悪い。


ドンっ!ヨシヒロの左足に何かがぶつかる。そこには小さな男の子が尻餅をついていた。


「あ、すいません。大丈夫ですか?」


「いや、こちらの方がすまない。」


カレンはしゃがんで男の子と目線を合わせる。


「こんな遅くに一人で出歩いていて大丈夫なの?お父さんとお母さんはどこにいるの?」


「お父さんは遠くでお仕事中なの・・・。お母さんとお姉ちゃんは一週間前に攫われちゃったんだ。」


つらい過去を思い出し悲しい顔をしている。カレンとヨシヒロは顔を見合わせる。


「他の人には内緒にして欲しいんだけど・・・お姉ちゃん達は領主のレオンハルト様に依頼されて調査をしに来たの。良かったら詳しく話を聞かせてもらえないかな?」


「僕の名前はゴン。レオンハルト様の依頼なら喜んでお手伝いします。」


ゴンの話を聞くべく提供された空き家へ帰宅する。元々交代時間だったのでルキウスは起床し準備が済んでいた。予定外の来客のゴンに驚いていたが、理由を伝えるとゴンを客人として迎えた。


本来は今から外で見回りをルキウスとヨシヒロの2人でする予定だったが、ルキウスはゴンの話を聞く為に家に残ったのでヨシヒロが1人で見回りをすることになった。ルキウスは人柄もいいし人当りもよい、王族ゆえの品位も持ち合わせている。人から話を聞きだすなら彼がベストだ。



◇ ◇ ◇ ◇



カレンは休憩の時間だったが、ゴンを心配してルキウスの隣に座っている。


「それで、君のお母さんとお姉さんが攫われたのは1週間前なのかい?」


「うん、正確には6日前。僕はたまたま友達の家にお泊まりに行ってたんだ。それで・・・家に帰ってきたら、」


「もういなかった訳ね。せめてお父さんがいれば抵抗できたかもしれないのにね。タイミングが悪いわね。」


「お父さんはいつからお仕事で遠くに行ったんだい?」


「お父さんはレオンハルト様の兵士で、7日前までは長期休暇で1ヶ月家にいたんだ。今は任務に戻ったみたい。」


「7日前にお父さんが家を出て、6日前にお母さんとお姉さんが攫われたってことかい?」


「そう。」


あまりにもタイミングが良すぎる。何者かが犯人達に情報を流しているのではないかという仮説が立てられる。内部に協力者がいれば侵入方法も多彩になる。


「運が悪かった・・・で済ませていいのかしら。」


「内部に犯人の協力者がいるのかもな。しかも、ゴンの家族の事情にひじょ・・・・・、」


カーン!カーン!カーン!


ルキウスの言葉を遮るように真夜中の村に鐘の音が響く。


「ゴン、この鐘はなんだ?」


「これは、敵襲の鐘。何者かがこの村に攻めてきている!」


!?



◇ ◇ ◇ ◇



見回り中のヨシヒロも鐘の音を耳にしていた。慌てる村人の声から敵襲を知らせるものだと理解する。高台に登り周りを見渡すと北門の近くが明るい、火が燃えているのだろう。北()()()()()()()()()


ヨシヒロは高台から飛び降り北門へと駆ける。



3分後、深夜1時38分ヨシヒロ北門に現着。


20人規模の山賊と思わしき格好の男達が北門を通過し辺りの家に火を放ち、女子供を攫っている。


ヨシヒロは剣を抜き、敵へ刃を向ける・・・・。










深夜1時40分 山賊19名死亡、1名を捕縛。


ヨシヒロは北門を制圧。攫われた女子供は全員無事だった。


焼き払われた北門を守るべくヨシヒロは北門跡地に腰を下ろす。

この男が道を阻めば誰も通ることはできない。



夜が明けるまで30人ほどの山賊が北門を通過しようとしたが全員が亡き者になった。


2万の敵を南の砦で防いだヨシヒロが、山賊50人に苦戦するわけなかった・・・・

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