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吾輩の辞書に不可能の文字はない。

間章が２話続きますが両方とも短めです。

ヨシヒロ以外の偉人、その名は！？

デレオン半島の南部でヨシヒロ達が戦っている頃、デレオン半島の北部のある平原では大規模な戦が発生していた。

劣勢の軍団の先頭をかける青年は叫ぶ。

『堕(・)天(・)』

彼の詠唱と同時に自身の体が燃え上がる。

「え、敵がいきなり燃えたぞ。死んだのか？」

敵兵の困惑した声とは裏腹に燃え盛る炎から青年が飛び出る。

そのまま一番近くの兵士に掌で触れると、兵士は燃え上がり一瞬で焼死体と化す。

「ははっ、こりゃすげぇ。天(・)使(・)ア(・)ザ(・)ゼ(・)ル(・)・・・やるやん。他にはどんなことができるかな。」

兵士たちは目の前の異次元の力を持つ右目が赫(・)く(・)光る青年に恐れおののく。

青年は次々に人を燃やしていくと、急に立ち止まり手を合わせる。

両手を合わせた状態から手を肩幅ほどに開く・・・・そこには円形の炎が渦巻いている。

渦巻いている炎を正面の敵へと押し出す。炎は閃光とともに爆発し数百人の敵を吹き飛ばす。

爆心地には炎しか残らなかった。

なんとか生き残った敵兵は声を震わせながら心の底から出た本音を吐き出す。

「こんな事、なぜ・・・可(・)能(・)なんだ・・・・？」

その言葉を聞き青年はニヤリと口元が緩む。

「吾(・)輩(・)の(・)辞(・)書(・)に(・)不(・)可(・)能(・)の(・)文(・)字(・)は(・)な(・)い(・)。(・)」

ナポレオン・ボナパルト。

フランス革命後の混乱を収束させ、戦争によってヨーロッパの大半を支配下に置いた誰もが知る英雄は天使アザゼルの導きでこの世界に降り立った。

この世界(アララト)ではボナパルトとだけ名乗る英雄は戦場を炎と共に駆けていく。

劣勢だった軍勢は油を足した炎の様に息を吹き返し、戦争に勝利した。

異世界でも英雄は英雄になった。

この世界に連れてこられた偉人はナポレオン！

他の偉人も全員外国人です。

日本代表島津義弘！