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サンソンくん  river 編  作者: ハクノチチ
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プラネッツ

 ープラネッツー


 ……えっ、地獄? あぁ、あるぞ。「彼岸」に渡っても「記憶」にならなかった奴らは、もっと先にある「ヨドミ」っていうかなりやばい池まで「ぐんば」っていう優秀なデカい馬が引く重い重い馬車で運ばれるんだ。そこでようやく下界の者たちの「記憶」になるわけだが、許されることのない「記憶」になった奴らは「霞」になるまでだいぶやられちまうのさ。

「えんま」っていうボスがいてな、ボスは人が死んでからも、生きているときのツケを払わせるんだ。大した高利貸しなのさ。

 お前も「ヨドミ」にいってみぇか? ハハハ!!


 「なぁ、それにしても、ぼうずはプラネッツなんだろ?」船頭は川の流れの裏拍子をとるリズムカルな櫓を漕ぎ聞きました。

 「ぼくは太陽の妖精サンソンだよ。プラネッツっていう名前じゃないよ」

 「……そうか、サンソンっていうのか。でもきっとお前はプラネッツって呼ばれる連中なんだと思うぜ。下界でお前らを見ると幸運が訪れるって人間どもは噂するのさ」

 「ぼくはクモくんに意地悪をしちゃったんだ。だからこんな所に来ちゃったんだと思う」

 「どこで意地悪しちまったんだ、ぼうず?」

 「西に向かう空でだよ」

 「そうか、誰かがお前を見たことで幸運を手に入れられていたらいいのにな」

 船頭は自然な気持ちでそう思えました。遥か昔まだ「あの世」にいる時には考えられない気持ちでした。「ヨドミ」を経験したからだろうか?と船頭は独り言ちました・・・

 「……なぁ、ぼうず、俺はなあともう少しで、えらく永いこといた「この世」からおさらばできるんだ。もう少しだけ真面目に働けば、俺はまた「あの世」からやり直せるんだ。生まれ変われるんだ。俺の為にこの「霞」のどこかで石ころが出来て落っこちるのさ。ぼうずを拾ったのは全く幸運の印だ……」今度こそは道を外さぬよう生きなければ、と船頭は櫓を漕ぐ白い手に力を込めました。



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