第6幕ー2
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どす黒い閃光はガルディエ・ロウの腕を拭き飛ばした。ガルディエ・ロウは凄まじい咆哮を上げた。ガルディエ・ロウは必死に痛みを堪える。今までダメージを負ってもそんなに痛みを感じる事はなかった。でも海龍の力によってダメージを軽減する能力は完全に消えつつあった。だがガルディエ・ロウは諦めなかった。
(これこそが、、奴の力だ。奴を操り、、この手で、人間を滅ぼす存在として私の手駒としてやる。
こいつからは非常に強い憎しみを感じる。仲間を奪われた苦しみ、、
苦しみ、、妬み、、悲しみ、それこそが人間をここまで強くするのか、、人間如きが!!!
私は人間を憎んで産まれてきた。人間は、、人間は海の生き物を殺す、、私にとって鮫は仲間当然だ。鮫は確かに人間を襲う、、人間に危害を加える。人間は仲間を守る為に多くの鮫を殺した。仲間を殺されれば復讐するのが生き物の運命だ!私が世界をこの手で、、作り替えてやる)
己の死を覚悟した。何の為に産まれたのか。人間を殺す存在として作られた。様々な人間を食い尽くしてここまで成長してきた。なのに、もう負けてしまうのか。やっと見つけた。アロイスザンだけは憎めなかった。彼だけは自分を作り出した存在だから。荒い息を吐く。
「さあ、、人間共を殺し尽くせ!!!
アレイスター!!!!!!」
次の瞬間暴走したドラゴンへと変身したアレイスターはクロスの方へ近づいてゆく。クロスを食い尽くそうと激しく口を開けてクロスを襲撃してゆく。クロスは電撃のバリアでアレイスターの攻撃を防いでゆくがアレイスターは完全にガルディエ・ロウの操り人形と化していた。ドラゴンは鋭い脚をクロスへと振り下ろした。その鋭い脚をクロスはソードで防いでゆく。
「やめろ!!!!目を覚ませ!!!
アレイスター!!!お前は、、こいつに操られているだけだ!!魚人野郎、、お前、、アレイスターに何をしやがった!!俺が倒す!!!」
クロスはドラゴン避け切ると空中に跳躍してゆく。クロスはソードを構える。ソードに高圧電流を蓄えてゆく。思いっきり念じてゆく。電圧は急激に上昇してゆき雷が周囲に発生する。そして雷は集合体として1箇所に集まるとアレイスターに向けて放たれた。アレイスターはどす黒い破壊砲弾を放った。雷と破壊砲弾が激しくぶつかり合う。その勢いで凄まじい竜巻が発生してゆくと周囲の瓦礫を巻き込んでゆく。
ソフィアは願っていた。アレイスターの暴走を必死に止めたかった。だが自分は何もできない。ただ祈る事しかできなかった。
「アレイスター、あなたがこれ以上傷つく所は見たくないよ!!だって、、あなたは王子様なのよ!あなたは何もかも失ったのに、もうあなたが傷つく所は見たくない!ガルディエ・ロウ、アレイスターをこれ以上、苦しめないで」
十字架に捕らえられたソフィアは涙を流しながら祈った。その祈りは人の心を失ったアレイスターの心に届く事を祈って。その言葉を聞いたガルディエ・ロウは怒りを露わにした。ガルディエ・ロウにとって人間の命は軽かった。私は王だ。皇女を殺して人類の国を作ってゆくのだ。その為にはたかが1人の人間の命など容易いものだ。
「ええい、、黙れ!!!!貴様は命だけでも生かしてやってると思え、、こいつが操られている以上貴様を殺してはならないなど愚かな法律が出来たものだな。皇女でありながら、我が城に捉えられた情けなき人間の女よ。この男にもはや人の意思はない。全ては私の操り人形なのだ。私はこいつの力を吸収し更なる高みへと進化する。さあソフィアよ、、愚かな自分の命を惜しむが良い!!最後の声だ!!!!いはははははは!!!!!!!!!!!!!!」
ガルディエ・ロウはソフィアの近くに寄ると、ギルガメッシュアックスをソフィアの首のすぐ近くまで近づけた。刃先は既にすぐ近くにある。もう一歩遅ければ命は奪われてしまう。
そしてガルディエ・ロウがギルガメッシュアックスを振り下ろした。ソフィアは自身の命を失う覚悟で目を瞑った。だが次の瞬間鋭い斬撃がガルディエ・ロウを襲った。ガルディエ・ロウは驚愕した。
「何??????」
凄まじい斬撃はガルディエ・ロウの手からギルガメッシュアックスを引き離してゆく。そしてガルディエ・ロウの腕が切断されてゆく。斬撃を放ったのはアレイスターであった。
「馬鹿な、、そんな筈はない!!!
儂の術式は完璧な筈だ!!!
馬鹿なこいつにまだ意志が残っているのか!!!」
「負けねえ、、てめえなんかに操られてたまっかよ!!俺は、、俺はてめえなんかに負けねえ!!!」
次の瞬間どす黒い閃光が一気に爆発してゆく。海龍の姿をしたアレイスターは人間の姿へと戻ってゆく。ソフィアの声はアレイスターへ届いた。何度も何度も呼びかけていた。ソフィアの祈りはアレイスターへと完全に届いた。朱理、綾、栞、由佳や友達の命を助けられなかった。
だがソフィアだけは絶対に助ける。アレイスターの気持ちは強かった。アレイスターは人間に戻ってゆく。アレイスターはガルディエ・ロウの方へと近づいてゆく。その手には聖剣を手にしてゆく。アレイスターの身体に海龍の鎧が形成されてゆく。その鎧を全身に纏うとアレイスターは走り出した。そして空中を舞うとソードを振り下ろした。
「アレイスター!!!!」
ソフィアが歓喜の声を上げた。そのままアレイスターは走ってゆく。ガルディエ・ロウは激しく咆哮を上げる一つ目の口から牙が鋭く変形し肥大化して飛び出してゆく。その飛び出した牙は更に五つに分裂してゆくと回転しながらアレイスターの方へと向かってゆく。アレイスターはその攻撃を避けながらガルディエ・ロウに向けて聖剣を突き刺した。鋭い聖剣は畳み掛けるように集約してゆくとガルディエ・ロウは激しく咆哮を上げる。そしてガルディエ・ロウの牙をアレイスターが聖剣で吹き飛ばすとそのままガルディエ・ロウに至近距離で近づいてゆく。
「うぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!
スラッシュ・ドラグヴェッサー!!!!!!!!!!!」
必殺技を唱えると龍の形を模した斬撃が一気に集約してゆく。その斬撃は肥大化するとガルディエ・ロウの心臓目掛けて直撃した。ガルディエ・ロウの心臓は真っ二つに切り裂かれた。恐るべき咆哮を上げるとガルディエ・ロウの身体は明るく光出して爆散してゆくのであった。王の哀れなる末路だった。魚人として戦闘兵器のようにただ人間を食べる為だけに産まれてきた。何も買われなかった。王として哀れな最後だった。巨大なガルディエ・ロウの身体が爆散すると身体と臓器が地面に散らばった。アレイスターはソフィアの方へと近寄った。十字架に括り付けられたソフィアの身体を抱え上げるとソフィアへと声をかけた。
「ソフィア様、お怪我はございませんか???」
「無いわ。アレイスター、私は本当に怖かったわ。いつか誰かが助けてくれると信じていた。
あなただったのね。あなたは暖かい心の持ち主なのね。始めて会った時からあなたの事が、好きだと思えたわ。あなたがきっと私を助けてくれる白馬の王子様だと思ったわ。私は本当に辛かった。」
ソフィアはアレイスターの唇にキスをした。ほの暖かい感覚が唇に伝わってゆく。何年ぶりだろうそのキスはとても温かく優しいキスだった。そんな2人のキスに見惚れるクロスは妬けてしまった。
「くそ、、アレイスターの野郎、、、
くそにやけるぞ、、この野郎。」
ソフィアは救出された。王族特務隊によって救出された。ようやく牢屋から解放された。
だがアレイスターの闘いはまだ終わっていなかった。アレイスターの前に立ちはだかる魚人。ロイゼン・エヴェッカだった。こいつを倒せなければ闘いは終わらない。
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