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第4幕ー5


 ヴァルデンス・ユーグベルト、ベレドゥール・ローデンベルグ、ベテルギゥス・クロウリーの3人はミエスタの街で育った。

最年長のベテルギゥスはアレイティ帝国の名門の魔術師の一家であるクロウリー家の長男として誕生した。


クロウリー一家は、ベテルギウスの父親である、ヒューストン・クロウリーは魔術師であるだけでなく魔導理事会の創立者として名を委ねていた。

偉大なる魔術師であった父親を持つベテルギゥスは、アレイティの名門魔術学校に進学し卒業後は、大学院で博士の課程を取った後に、アレイティの湖底軍隊に入隊した。


その同期にはヴァルデンス・ユーグベルトとベレドゥール・ローデンベルグがいたのだ。

3人はそこで出会い、やがて軍隊の教育の育成に力を注いだ。

そんな最中、アレイティ帝国とブルエスター帝国にて戦争が起こると3人は軍隊の隊士として戦場に繰り出された。


ヴァルデンスは、愛する娘と妻の為に必死に戦った。

戦場でたった1人の娘の写真を手に毎日汗水垂らし必死に魚人と戦っていた。

 ヴァルデンス・ユーグベルトとベレドゥール・ローデンベルグは幼馴染みであった。


ヴァルデンスのユーグベルト一家は、ケストの街で幸せに暮らしていた。

パン屋を営んでいたユーグベルト一家に悲劇が襲ったのは、ヴァルデンスが、10歳の時であった。

ヴァルデンスは、実の父と母を包丁で滅多刺しにして殺害したのだ。


彼は、父親と母親に暴力を振るわれていた。

父親はパン屋を一筋で立ち上げて、母と2人で営んでいたが、経営破綻に陥っていた。

そう、、戦争である。


カスピ海帝国で起きた内戦により食糧危機が発生した。

湖底には特殊なシールドが貼られており、そこで植物性プランクトンを魔術で植物へと変化させる為陸上同様の食糧が確保できるが、戦争により植物性プランクトンが、乱獲されたのが原因であった。

そして、ヴァルデンスは、父親を殺した。


父親は、軍隊の出身であったからか、性格は極めて暴力的であった。

ヴァルデンスは日常的に暴力を振るわれた。

そう虐待されていた。

母親は酒を飲んではタバコを彼に突きつけて虐待の限りを尽くした。最低の親だった。


ヴァルデンスは次第に2人を憎むようになっていった。

そしてあの日も学校から帰ったヴァルデンスを飲んだくれた母親はボコボコに殴りつけた。

ガラスの瓶をヴァルデンスの頭に殴りつけたのだ。


「あんたが、、、、あんたが存在するから私達は、、、、あんたなんか死ねばいいんだよ!!!!!!消えろ!!!!!!消えろ!!!!!!クソガキ!!!!!!!」


「やめろ、、、、、やめてよ!!!!!!やめろよ!!!!!!!!!!!!!!!!」


ヴァルデンスは泣き続けた。

唯一の母親ですら彼の味方はしてくれない、、、母親は酔っ払うと毎日ヴァルデンスを殴りつけた。


「ぎゃあぎゃあ喚くんじゃねえよ!!!!!!!泣いてんじゃねえよ!!!!!!クソガキが!!!!!!!!!!!!!!!!殺してやる!!!!てめえなんか殺してやる!!!!!!!!!!!!!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」


頭が真っ白になっていた。

ヴァルデンスは気がつくと家にあった包丁で母親を滅多刺しにして殺していた。

そしてそれに気がついた父親も滅多刺しにして殺したのだ。


ヴァルデンスは両親を少年時代に殺害した。

彼は孤児院に入れられ、出所後は、軍隊学校に強制入隊させられた。そしてそこで妻と出会った。

彼は親に虐待されていた過去を捨て去りたかった。


だが彼の過去を知るものはヴァルデンスを遠ざけた。

そう犯罪者として彼は孤独であった。

そんなヴァルデンスを救ったのが幼馴染みのベレドゥール・ローデンベルグであった。


 近所に住むローデンベルグ家は優秀な教師の家庭であった。

ベレドゥールは長男として、優秀な家庭で生まれ育ったが、彼もまた親に虐待されていたのだ。

やがて、ベレドゥールの父親は病気で死に、母親も病気で死亡した。


2人は孤児となり、孤児院に預けられるはずであった。

しかしヴァルデンスは少年院に入れられた。

ベレドゥールは孤児院、全く別の人生を送る2人が再開したのは、軍隊学校であった。


「ヴァルデンス、、、もう過去を忘れろ!!お前は悪くない。お前の両親はお前を虐待して、、人間の屑のように扱ってたんだぞ!!!

お前は親を殺した事に変わりはねえけどな、、、、

お前は、やり直せる。周りがお前を犯罪者呼ばわりしようと俺はお前の味方だ。それが幼馴染みとしての俺の最大限の責任だ。」


「そんな事は全うしなくていい、、、俺は幸せな生活なんか望めねえ、、俺は人殺しなんだぞ、、もう怖いんだ。昔みたいに家族を、、、、」


あの日も学校に通いながら孤児院でヴァルデンスは言っていた。

 そんな孤児院でヴァルデンスは恋人と出会った。

彼女の名はティアナ、後の彼の妻である。


ティアナは、ヴァルデンスをずっと好きであった。

ティアナは幼馴染みであるヴァルデンスとティアナが付き合いそして結婚、その時ヴァルデンスは、軍人として中尉に就任したばかりの時であった。

彼は戦場に行き兵士として闘う毎日であった。


 魚人である。

内戦によりカスピ海帝国が2つに分裂すると北側に居住する魚人達は北の国の人間を食い尽くした。

そして南のアレイティ帝国に魚人が襲うようになると、魚人達に対抗する為に、巨大なバリアを張った。


そのバリアこそがかつてアトランティスの核実験の失敗による爆発で放射能が国中に広がった時に、外の世界を守ったバリアである。

 アレイティ帝国の軍事兵達は魚人と闘う毎日であった。

そしてティアナは出兵中に娘と共に魚人に食い殺された。


決して閉ざされるはずのないバリアが魚人によって突破され、魚人は街に攻めこんだ。ティアナと娘を殺害した魚人こそが4つ頭の鮫魚人、ルンファン・トゥエクスであった。


「思い出していたのか」


ディエクシ城の城郭でルンファン・トゥエクスとの戦闘を前にベレドゥールは、ヴァルデンスが過去の思い出に浸っていた事に気がついた。


「ちくしょう、、、嫌な思い出を、、、、

なあ、、、ベレドゥール、あの魚人は俺が倒す!!!

お前はアレイスターの所に向かってくれ!!!

今奴の元には、、鮫魚人の王、、ガルディエ・ロウが現れたんだ。頼む!!!

アレイスターは陸上で大切な人を失ってんのもお前も知っているだろ!!

ガルディエ・ロウは奴が手に負える魚人じゃねえ!!!

俺は、これ以上、、アレイスターが苦しむのを見たくねえ!!!!行け!!!!」


ヴァルデンスは叫び尽くし、立ち上がった。

ヴァルデンスの手には、アビリティソードを握っていた。

ソードから、紫の閃光が立ち込めるとその目はルンファン・トゥエクスを追っていた。


ベレドゥールは言う通りにすると瞬間移動をし、その場から姿を消した。

ユーティスとヴァルデンスの2人の前に立ち塞がったルンファン・トゥエクスは四つの頭を大きく開けると口から破壊砲を放った。

まるで破壊光線の如く放たれた破壊砲は、ヴァルデンスのアビリティソードを直撃したのであった。

ヴァルデンスはなんとか持ち堪えると一気に走り出した。


「עס איז אַ גרויס האַנדלען צו האַלטן מיין באַפאַלן ביז איצט. אָבער טאָן ניט פאַרגעסן, נאָך אַלע, איר זענט מענטשלעך. קיין ענין ווי מיר טאָן דאָס, מיר זענען קיין גלייַכן פֿאַר פיש מענטשן. איך זוך צו טייטן אַלץ מיט נעקאָמע. יאָ. אפֿשר ווייַל פון כּעס ... אָדער ווייַל פון כּעס וועגן די מאָרד פון זיין משפּחה, דעם מאַמזער! !! !! !! !! צי ניט לאַכן! !! !! !! מענטשן! !! !! !! !! איך האָבן ימאָושאַנז! !! !! קאָואַגזיסט מיט יעדער אנדערע, און געבן דיין לעבן פֿאַר יעדער אנדערע ס ראַסע ... דו זאלסט נישט זיין נאַריש! !! !! !! !! !! !!


《俺の攻撃をここまで押さえつけるとは大したものだ。

だが忘れるなよ、所詮てめえは人間だ。

どうやったって俺達魚人には敵わねえ。

復讐で全てを殺してやるって目をしてるぜ。

てめえ。怒りの為か、、、家族を殺された事に対する怒りか、この野郎!!!!!

笑わせんじゃねえぞ!!!!

人間が!!!!!

てめえら感情持ってやがる!!!

互いに共存して、、互いの種族の為なら命投げ出すくらい、、、馬鹿にすんじゃねえぞ!!!!!!!》」


「Sembra essere sfuggito ai peggiori risultati. Non so nemmeno se fosse buono! !! Ma noi pescatori neghiamo tutto! !! !! Non hai bisogno di famiglia o amici! !! !! È la distruzione che distrugge tutto! !! !! La mia anima! !! !! Brucialo con le mie multi-abilità! !! !! !! !! Fai tutto con questa mano! !! !! !! !!


《最悪の結果を免れたようだ。

果たしてそれが良かったのかは、、私にも理解できない!!

だが、、我々魚人は、、全てを否定する!!!

家族とか、、仲間とかそんな物は要らぬ!!!

全てを滅ぼすのは破壊だ!!!

己の魂!!!

私のマルチスキルと共に、、、焼き尽くせ!!!!!

全てをこの手で!!!!!》」


巨大な頭から4つの破壊砲が次々と放たれてゆき周囲を焼き尽くしてゆく。

周囲を焼き尽くしてゆく中、ルンファン・トゥエクスはマルチスキルとして雷を発動させた。

雷の能力により、ルンファン・トゥエクスの口から雷砲が発射されると、部屋の周辺は一気に爆発してゆく。


雷砲をユーティスは避け切ったが、瞬間移動したルンファンはユーティスを押さえ付けた。

巨大な口を開くとルンファン・トゥエクスは巨大な咆哮を上げた。

そして恐るべき勢いで水流を放射したのだ。

凄まじい勢いで発射された水流は、ユーティスを壁に押さえ付けた。


「これはマルチスキルの能力!!!水の力か!!!!しまった!!!やられる!!!!


次の瞬間巨大な水流を発動させたルンファン・トゥエクスは、巨大な機関銃を構えていた。

それにより巨大な渦と化した水の塊から雨のように機関銃の弾丸が次々と発射されるとユーティスの身体に弾丸が直撃したのであった。

まるで雨のように弾丸はユーティスの身体を貪り散らしてゆく。ユーティスは防御魔術を使い、弾丸を次次と避けてゆくが遂には巨大な波の塊と化した水流の渦がユーティスを押さえつけた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ジェット水流のように放射された水の渦であったが、瞬間移動をしたヴァルデンスはその背後に回り込むと、一気にアビリティソードから、紫色の閃光に伴う斬撃を放った。

ヴァルデンスの能力は闇属性である。

闇属性の能力により、マルチスキルの能力を無効化できるという能力を所持していた。


一気に能力を解放すると巨大な水流に突入した。

その勢いに圧倒されたルンファン・トゥエクスは他の頭から、炎の渦と、雷の能力、そして凄まじい竜巻を放ったのであった。

ルンファン・トゥエクスの所持する機関銃から発射された弾丸は炎の渦により燃え上がった。


弾丸をアビリティソードを使い、避け切った。

そして1000万vの電流が、ヴァルデンスを直撃すると、アビリティソードに高圧電気が一気に流れ込んだ。


「電圧ならば、、、無効化できる、、、、俺の能力ならばこいつも!!!!」


「Rwy'n berffaith. Mae'n bodoli yng ngwlad Duw sy'n anelu at uchelfannau pellach. Dyma'r tro cyntaf i mi gyrraedd fy uchder hyd yn hyn. A barnu eich galluoedd a'ch galluoedd cyfredol yn gynhwysfawr, byddaf yn cymryd eich galluoedd ac yn dod yn rhan o fy ngalluoedd. Dyma fy hud. Gallaf dynnu eich galluoedd i ffwrdd. Dyma fy hud, y blwch anghymwys (Disoperetukires)! !! !! !! !! !! !! "


《僕は完璧だ。更なる高みを目指して神の領域に存在する。これほどまでに己の高みに到達したのは初めてだ。

今の君の能力、アビリティを総合的に判断して僕は君のアビリティを奪い取り、僕の能力の一部となる。

これが僕の魔術だ。

僕は、、君の能力を奪い取る事が出来る。これが僕の魔術、無能の(ディスオペレトゥキレス)!!!!!!!」》」


突如白い箱のような物体が出現するとルンファン・トゥエクスの巨大な口から、現れた光の箱は、ヴァルデンスの身体を包み込んだのであった。

ヴァルデンスのアビリティは全身から吸い取られてゆくのであった。

ヴァルデンスは必死にアビリティソードを構えようとしたが、閃光は、全く発光しなかったのだ。



「היי! !! !! !! !! קליין פיש זענען נישט אויף די טשאַרט! !! !! !! דעם ממזר! !! !! !! איך טאָן ניט טראַכטן עס איז מעגלעך צו מקיים מיין מאַגיש, איך טאָן ניט טראַכטן עס איז אַ פייַנט! !! !! !! איר קען נישט קאָנקורירן מיט אַזאַ שטויב-ווי אַבילאַטיז. מייַן קאַליע קעסטל (דיסאָפּערעטוקירעס) איז אַ פּאַנדאָראַ קעסטל וואָס נאַלאַפייז אַלץ. איך בין נישט אַ פייַנט! !! !! !! !! פֿאַר קאַליע אָפּפאַל! !! !! !! !! !!


《おいおい!!!!!

雑魚が図に乗ってんじゃねえぞ!!!!

この野郎!!!!

俺の魔術に叶うわけがねえじゃねえか、、どうやっても、敵わねえじゃねえか!!!!そんな塵みたいな能力では敵わねえんだよ。俺の無能の(ディスオペレトゥキレス)は、全てを無にするパンドラの筐だ。敵わねえんだよ!!!!!無能なゴミにはよ!!!!!!》」



「なんだ、、、、なんだ!!!!!!この力は、、、畜生!!!!!くそったれ!!!!!!俺のアビリティが吸い取られるだと、、、」

ヴァルデンスと同時にユーティスも能力を吸い取られてしまったのであった。

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