第3幕ー5
その頃城の内部ではロイゼン・エヴェッカが城郭の異変に気がついていた。アレイティ帝国軍が城に向かって本格攻撃を開始したのだ。
「一体何事ですか??」
「女王陛下、、、アレイティ帝国軍が攻撃を開始しました。城に大砲が撃ち込まれて行きます。」
その一方でポールウェン・ジョーカーも異変に気がついた。
「De ninguna manera los seres humanos han comenzado a atacar. Por que es esto entonces. No importa cuán cauteloso sea, me he llevado a esta mujer tan rápido y quién soy. Seres humanos, perdóname ... !
《まさか人間共が攻撃を開始し始めたのだな。何故だ。まさか私がこの女を連れ去ってしまったばかりにこんなに早く、、全くどこまで用心深い奴らなのだ。人間共は、、、許せん、、迎え撃て!!》」
そして戦車、大砲が総動員されアレイティ帝国軍の兵士達が、魚人の城郭へと侵入していく。戦車が大勢で突っ込んで行くと、一気に、城郭は崩壊していく。
アレイスターとクロス、、アルフレッドら親衛隊各隊員達は戦車で一気に城郭内部へと侵入していく。そしてついに、城郭の東に存在する巨大な門を発見した。
「門を、発見した。一気に突破するぞ、、破壊だ。」
そしてアレイスターは戦車の大砲のスイッチを押していくと、大砲から放たれた砲弾は、門を一気に破壊して行く。そして遂に門を突破した。破壊されていく門を通り抜けると辺りは燃え尽きていた。そして、そんな中アレイスターとクロスは、戦車を降りると、城郭の入口を発見した。
「ここだ。ここから中へと入れる。兵士達が敵の攻撃を引き付けている間に、中へと入るぞ。今だ。城が完全に崩れる前に、ドリステンを取り戻す。アミャーダ、、デビット、アルフレッド。お前らは、、反対側の入口から向かうんだ。いいな、、中で合流するぞ。」
そしてクロスとアレイスターは、城郭内部へと入っていく。だが現れるように魚人達の兵士達が現れるとソードを抜き次々と切りつけていく。そして奥へと進むと2人は、地下へと繋がる階段を発見した。まだ火は広がっておらず地下へと階段を降りると、、地下のフロアにたどり着いた。地下広間に続く狭い通路が奥まで伸びている。両端にはいくつも部屋がある。アレイスターとクロスが奥へと走っていくと通りかかった部屋から女性の声が聞こえた。
「おい、、なんか女の人の声がしねえか?」
「クロス、、頼む。破壊してくれ!!」
クロスは、微かに聞こえるその声を聞き取ると部屋の扉を一気に破壊した。するとそこには天井から両手を鎖に繋がれた1人の青髪の女性が横たわっていた。その女性こそアレイティ帝国の皇女ソフィア・アレンツェールであった。
「この人は、、、間違いねえソフィア様だ。」
アレイスターは、剣を抜くと鎖を破壊した。落ちていくソフィアを抱き抱えると、ソフィアに声を掛けた。アレイスターは彼女の容姿に心を奪われそうになった。前から青髪の女性が好みであったが。
「皇女様、、しっかりしてください。」
「あ、、、、あなた達は??」
「目が覚めましたか。我々は、帝国の兵士です。安心してください。あなたの命は私がお守りしますから。魚人なんかに奪いさせはしませんから。」
「あなたはどうやら命の恩人のようですね。私は、、ずっと待っていました。誰かがきっと助けに来てくれるだろうと。私にとってはあなた達だったんですね。」
ソフィアは初めて笑顔を見せた。ソフィアを見たアレイスターはそのあまりの美しさに心を奪われそうになった。
(なんて、綺麗な人なんだ。)
長い間笑っていなかった。ソフィアは、ずっと、この城郭に閉じ込められてから笑顔を見せることができず、笑顔を与えてくれる人をずっとずっと待ち続けていた。かつて自分を助けてくれた勇者アーサーを待ち続けて、父親を殺されてからソフィアは、アーサーだけが頼りだった。そのアーサーにそっくりな人が今目の前にいる。
「良かった。思いっきり笑ってください。」
アレイスターは優しい言葉をかけることしか出来なかった。今目の前で苦しんでいる彼女を助けたい。それだけの思いだった。やがて、クロスは、何かを察したのか、急に目の前を離れたのだった。
「悪いな。アレイスター、俺は先に行くぜ!!!後は任せたぜ!!!」
クロスは、早急にいなくなってしまった。
アレイスターは、立ち去ろうとするクロスに大声で呼び掛けた。
「おい、、ちょっと待て!!!」
アレイスターは、クロスを呼び止めようとした。それは彼女と2人きりになるのが緊張するからであった。アレイスターはそんな中でも緊張を解そうとした。アレイスターは、奥の5つに別れている部屋へ向かった。この部屋の左から3つ目の部屋にまっすぐ行けば、どこかたどり着けると思っていたがほぼ勘であった。
ソフィアは、アレイスターに抱きつきながらこう言った。
「勇者様、、やっぱりあなたはアーサー様なのね。私の命の恩人、あなたの事をずっと待って待ち続けていました。」
ソフィアは、アーサーとアレイスターを誤解しているようであった。思わず、アレイスターは、ソフィアに対して言ってしまった。
「俺はアレイスターです。アーサーという名前ではありません。申し訳ないですが、きっと皇女様の仰っている方と勘違いされているのではないでしょうか??」
「あなたが誰でもいいのです。私はずっと私を助けてくれる人を待っていました。夢を見たのです。私を助けてくれる勇者様が私を助けてくれるって。私の命を守ってくださいますか??感謝はいくらでも致します。」
それに対してアレイスターは、ソフィアの手を強く抱きしめた。彼女の手は冷たかった。ソフィアは久しぶりに人の温もりを感じた。この世界に来てから感じていなかった。アレイスターもソフィアにとってもこの温もりは新鮮な気持ちになる事ができた。
「貴方は帝国の皇女様です。私が、責任を持ってお守り致します。この城から脱出しましょう。あなたの命を必ずお守りする為に、ですから、私は魚人達と戦わなければなりません。もし何か秘密を知っているのであれば教えてくださいませんか??」
アレイスターはソフィアへと質問した。アレイスターが知りたかったのはこのカスピ海に沈んだ沈没船とアンチラス号の行方だ。
「この城郭には、519年前に沈んだ沈没船が眠っています。その名はバイキング号です。このブルエスター帝国に、侵入した際、湖底から放たれた核弾頭によって、沈没したのです。もちろん乗客、乗員全員が死亡しました。でも、この沈没船には、とある財宝が眠っていたのです。その財宝とはアメイディオ・リレイツォが開発したとされる聖剣です。」
ソフィアは、そう言うと、何かを知っているような口ぶりで喋り始めた。彼女は何かを知っている。バイキング号の秘密だけでなくきっと帝国の秘密を。
「バイキング号、聞いた事があります。」
「私がご案内致します。この5つの部屋の1番左側の奥の部屋へ行ったところに中庭があります。そこに残骸が眠っているのです。私がご案内致します。そこにあるはずです。きっと聖剣と財宝が。」
ソフィアとアレイスターは、5つある部屋の2つ目の部屋へと向かった。2つ目の部屋の奥に向かうとその通路は極めて真っ暗であった。だが真っ暗な部屋の奥からふと、光が見えた。その光に向けて2人は走った。
だが猛烈な頭痛がアレイスターを襲った。そして、幻覚が頭を支配すると、、アレイスターの頭を次々と、襲っていく。
(そうやってあんたはまた違う女に手を出すんだ。あたしのこと好きじゃなかったの。結婚してくれるって言ってたのは嘘だったの。私の事を助けてくれなかった。あんたは、、、いつもそうやって、、、だから屑なのよ。あんたは、ゴミ屑!!!!この人殺し!!!)
三田園朱理の幻覚は、アレイスターの頭の中で強くきつい言い方で、言い始める。
(私なんかより帝国が大事なの??あんたは結局そうやってなんでもかんでも逃げるのよ。人の命よりも、、人殺し。私を殺した人殺し。あんたがカスピ海なんか連れてったから、、私は死ぬ羽目になった。あんたが死ねば、、、、、死ねば良かったのに!!!!!!あんたみたいな屑なんか、、、、死んじゃえばいい!!!!!あんたみたいな人間のクズなんか!!!!!!!)
「やめろぉ!!!!!!!!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!やめろ、、、やめろ、、、、、やめろ、、、、、違う俺のせいじゃない。、。俺の、、、、俺の前に、、、現れるな!!!!違う、、、俺のせいじゃない!!!!ああああああああぁぁぁ!!あぁああああああああああああぁぁぁ!!!!!!俺のせいだ。俺のせいだ!!!!俺の!!!!!!!」
(人殺し!!!!!人殺し!!!!!!人殺し!!!!!!!!!あんたなんか死ねば良かったのよ!!!!!!!!公平!!!!!!!!!!!あんたは所詮屑なのよ!!!!!!!!!
)
幻覚は苦しめる。アレイスターの心を苦しめる。現実は、辛かった。あの日彼女を、カスピ海なんかに連れて行ったから、彼女は死ななかった。そして恐ろしい映像が頭を過ぎった。
朱理は、縛り付けられて断頭台に連れていかれる、そして恐ろしい斧を持った恐ろしい姿をした1匹の魚人は、一気に斧を振り下ろしていく。血が飛び散る中、、、幻覚はアレイスターを苦しめていく。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「どうしたんですか??しっかりしてください!!!!!!!」
ソフィアは心配してアレイスターに呼びかけた。その様子からやっと我を取り戻したアレイスターは、ふと現実に戻った。時たま現れる幻覚は、アレイスターの心を苦しめる。そしてアレイスターに対して屑、屑と言い付ける。
「俺は一体何を????やっぱり朱理は、、、、あの日俺が、、旅行なんかに連れていったから、、あ、、、、ああああああああぁぁぁ!!!、!」
思い出そうとする度に、幻覚が頭を襲う。強い、頭痛が、襲う。覚えている。確かにこの世界に何度か足を運んできたその度に、、その度にあの映像が頭を過ぎっていく。
そして2人の別の女性が現れ、アレイスターを苦しめる。。
「お前らは、綾、、、栞、、、、なんでお前らが!!!!やめろ!!!俺を、、俺を苦しめるな!!!!!」
苦しむ、、アレイスターをソフィアは、強く抱き締めた。アレイスターは、表情を崩した。
「苦しかったんですね。でも大丈夫です。私が、、、あなたが私を救ってくれたようにきっと私が、、さあ、、行きますよ。」
2人は立ち上がると、、奥の部屋に向かった。
光が指す方へ出ると、一気に、目が眩しくなっていく。すると中庭のような部屋に魚人の兵士達が武器をもって現れた。その魚人兵士達を殺そうと、アレイスターは、剣を握った。ソード握ると兵士達を次々と切りつけていく。奥を抜けると、光が見えて来た。その光に向かってアレイスターは走って行く。そして走って行くとそこには船の残骸が落ちていた。そして深淵の中に横たわる船を見て、、アレイスターは言葉を失った。そこに横たわる1隻の船。
「あれがバイキング号。ふざけやがって、、、核弾頭なんかのために、、こんな。。」
沈没したバイキング号は、マストが折れ曲がっていた。519年も前に沈没したのは核弾頭が激闘したせいだろうか、あたりも焼け焦げている。そして焼け焦げた甲板から沈没船の中へと侵入していく。バイキング号の、船長室へ向けて入っていくと、そこには死体の山が散乱していた。そして、全ての謎が明かされてるであろう船長室には、1冊の日記が置かれていた。
「これは航海日誌か??」
「はい、ワトゥサ・バイキング!!!
バイキング三兄弟の1人です。。ここに記されています。」
そう言うと、ソフィアは、日誌を読み始めた。




