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第3幕ー3

ジャンボモナカが食べたい。


 ドリステンは涙を流していた。それは彼女の心を否定するようなクワイガンの鋭い一言に対する怒りであった。ドリステンは、、苦しかった。彼女は、皆が笑えるようなそんな世界を作りたかった。それでも、、この世界はどこで間違ってしまったのか。そんな風に嘆く彼女の様子を偶然起きてきたコニーは目撃した。

コニーは、見ていられなかった。心配そうにドリステンのそばへ寄った。


「お姉ちゃん、、、泣いているの??

もしかして、、、怖い夢でも見たの。」


「ううん、、、なんでもないよ、ただ昔の事を思い出してただけだよ。」


ドリステンは、必死にコニーにその真実を隠そうとした。彼女にはこの真実を内緒にしておきたかったのだ。


「お姉ちゃん、お願い、、子守唄を歌って、、

私、、怖いよ。お母さんがよく歌ってくれたんだ。」


「分かった。私が歌ってあげる。この子守唄は私の母もよく歌ってくれたんだ。これでコニーちゃんが怖いことも絶対忘れられるからね。」


そう言うとドリステンは、布団に向かい、コニーが気持ちよく寝られるように、布団に手を置くと母がよく歌ってくれたあの子守唄を歌い始めた。ドリステンが8歳の時に死亡してしまった母であったが、死ぬ直前にも歌っていたのを思い出した。


「これだ。お姉ちゃん、、お母さんが歌ってくれた子守唄だよ。うわ、お母さんが歌ってくれたやつだ。」


コニーは、笑顔で眠った。とても心地よい気分であった。そして歌う、ドリステンも子供心に戻っていた。


「コニーちゃん、、、私のお母さんが言っていたんだよ、音楽は魔法なんだって。

どんなに辛いことも、悲しいことも、、全部忘れさせてくれて癒してくれるの。そんな中でも歌は、特別。子守唄を聴いて寝たら絶対に怖いことなんか忘れさせてくれるおまじない、歌や音楽で世界中の人々が笑顔になる、私はそんな世界を作りたいな。」


ドリステンは、そう言い放った。気持ちよく眠るコニーは、すでに幸せそうな表情をして眠りについている。それを見るとドリステンも笑顔を見せた。

そしてドリステンも眠りに着いた。

布団をかけながらドリステンは目を閉じた。

その様子を外から見ていたクワイガンは、ふと、口にした。


「すまんな、、ドリステン、、、」


クワイガンは寝室へ行くと布団を引いた。そして目を閉じた。ふと頭の中に朱理の事を思い浮かべた。だが何故か思い浮かばなかった。


(朱理、、、朱理じゃない。あの夢の中で俺の名は、、なんだっけ。)


突然猛烈な頭痛がクワイガンを襲った。その痛みはクワイガンの頭を抑えつけた。曖昧な記憶の中で自分の記憶が思い出せない。俺の本当の名は。


(クワイガン、、、じゃない、、俺の本当の名は、、、ブレイス、、、いや、、違う。。思い出した。俺の名は、、アレイスターだ。)


思い出そうとすると、思い出したくない思い出が蘇ってくる。そしてこの場所も何故か覚えている。そうこの場所も空間も。1度来た事があるような。


「そうだ。俺は俺は覚えている。この光景も、

信じられなかった。自分の本当の名前を思い出す時、、猛烈な頭痛に襲われた。


「まさか、、そんなはずは、」


クワイガンは、覚悟を決めた。もう自分に嘘はつかない。これからはアレイスターと名乗る。そんな事も知らずに、ドリステンはすやすやと眠りにつく。夢の中に生前の父や母、姉が登場していた。


 ブルエスター帝国の地下奥深くの部屋にて5つ頭のサメ魚人の女王ロイゼン・エヴェッカと4つ頭のサメ魚人のルンファン・トゥエクスは、

城内の奥深くから司令を出す巨大コンピューターと謁見していた。そしてルンファン・トゥエクスによって食い殺されたはずであったが選別により殺された筈のゲルディ・ジャックは復活したのだ。


「アロイスザン様、、、いやプロメア様、、何故ゲルディ・ジャックを復活させたのですか。明らかに、オドヴァールカ・ジェドや、それ以外の魚人の方が選別にふさわしいのでは無いのでしょうか。」


ロイゼン・エヴェッカは、アロイスザンの意識が入っているコンピューターと会話していた。


「いいや、奴はスピードと攻撃性に優れ、そして荒々しい闘争本能に満ち満ちている。それ程の戦闘能力があるならば、選別には十分相応しいはずだ。」


コンピューターは厳かに訴えた。そしてアロイスザンと名乗るそのコンピューターこそ、プロメア、、そう人口コンピューターにしてアトランティスの最後の遺産。恐るべき核兵器を管理する最強の頭脳、プロメアはロイゼン・エヴェッカや、ルンファン・トゥエクスらに指令を送っていた。そしてプロメアの命令により、ゲルディ・ジャックと、レディ・ローズは姿を現した。


「お呼びですかい、、アロイスザン様。女王陛下。」


しかしアロイスザンに対して失礼な言い方をするゲルディに対してロイゼン・エヴェッカは、激昂した。


「貴様、、言葉を慎め!!」


ロイゼン・エヴェッカは、4つ目の頭から一気に電撃を放つと、ゲルディ・ジャックを倒れ伏させた。勢いあまりゲルディ・ジャックは、床に倒れ伏した。ロイゼン・エヴェッカは恐ろしい形相で、ゲルディを睨みつけるその様子を見たレディ・ローズは、慌てて頭を下げた。


「申し訳ございません。女王陛下、お許しください。」


「さあいよいよ出兵の時だ。さあアレイティ帝国軍が我が城に向けて出兵している。このままでは、この城は崩壊するだろう。そこで先代王にも、出兵をお願いした。ポールウェン・ジョーカー、それにペルヘノン・ジャックにもだ。」


すると、ルンファン・トゥエクスやガルディエ・ロウに匹敵するマルチスキラーの能力者でもある老鮫魚人のポールウェン・ジョーカーが暗闇から姿を現した。


「Alois Zhang, estoy listo. Finalmente, esta noche, un ejército de pescadores de tiburones invadirá nuestro castillo. Los asesinos serían humanos estúpidos que viven en el imperio Bruester. Sería aún mejor si hubiera órdenes de Gardier Law y Runfan Toex. Seré responsable de reemplazar a Gerdy Jack.


《アロイスザン様、、準備は整いました。いよいよ今夜、我が城から鮫の魚人の軍団が侵攻致します。殺すは、ブルエスター帝国に住う、馬鹿な人間どもでしょうな。ガルディエ・ロウ様や、ルンファン・トゥエクス様の命令とあれば尚更です。ゲルディ・ジャックに代わり私が責任を持ちますので。》」


スペイン語を華麗に話す単頭系の老鮫魚人のポールウェン・ジョーカーはホオジロザメの魚人でゲルディ・ジャックの父親の老鮫魚人である。ポールウェン・ジョーカーは、ガルディエ・ロウに王座を譲ると、政権から退いたが、ガンランスを武器とするその姿では現在も強力な力を持つ魚人でありその身長は3メートルを超えている。


「親父、、頼む。俺を処刑するのだけはやめてくれ。まだ、、やりてえこともたくさんあるんだからな。俺は力が欲しい。人間共を完全に喰い殺すほどの強力な力が。」


「Gerdy Jack, usa tu poder. Geldi Hay muchas presas. Y hay muchas cosas que matar. La mujer humana que no he podido matar está saliendo del Imperio Altei. Un miembro de ese terrateniente, Kwaigan Alaharto. El nombre es Doristen Leesli.


《ゲルディ・ジャック、力を使うのだ。ゲルディ。獲物は沢山いる。そして殺すべき対象も沢山な。私が殺し損ねた女の人間がアレイティ帝国から向かっている。あの陸上人、、クワイガン・アラハルトの仲間だ。その名はドリステン・リーズリだ。》」


そう言うとポールウェン・ジョーカーは、透明な水晶を出した。すると水晶にドリステンが移し出された。ドリステンを殺すという事が今回の任務でもあった。そして物音が近づくと、3つ頭の鮫魚人のオドヴァールカ・ジェドが現れると、ドリステンを見て、舌を這いずり回した。オドヴァールカ・ジェド、ヨハネス・リーら3つ頭の鮫魚人と4つ頭の鮫魚人のルンファン・トゥエクスらが集結した。全員はそれぞれの武器を持ち、咆哮をあげると鮫の城から一斉に消え失せた。

そして悪夢の時はやってくる。

読んで頂きありがとうございます。

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