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幕間

花火見たい。でもねえ、、、緊急事態宣言出てるし見れないの悲しい。


「どうしたんですか??先輩。暗い顔しちゃって!!」


「いやあ。なんか開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまう気がするんだ。綾も、、、、琹も、、由佳も、、、それに朱理だって、、、、皆、、死んでしまったんだ。時々思い出すんだよ。皆が笑っていた昔を、、、、朱理だって笑っていた。」


あの日の事を思い出すと今でも胸が締め付けられそうになる。あの日も最後まで笑顔だった朱理。


「でも結局ミサイルが飛んで、全てが水の泡だ。そう、結局、俺は最後まであいつを守ってやれなかった。」


「先輩!!またそういう暗い顔してますよ。

いつにも増して落ち込んでますね。

ダメですよ。そうやって自分を責めちゃ。

責めて責めて、そうやって自分のせいだなんて言っている先輩なんか私好きじゃありません。

先輩はもっと明るくて元気で、こうやって優しくしてくれるじゃありませんか??

私達は仲間じゃないですか??仲間っていうのは、辛いことや、嫌なことを分かち合う為にあるんですよ。私が全部受け止めますから。だから元気出してください!!!ほら、お店見えてきましたよ

もう、しゃきっとしてくださいよ。男でしょ!!!!ほら!!!!」


アミャーダはクワイガンの背中を押した。


「でもクロス先輩は遅いですね。寝坊したんですかね。」

やがて無理矢理非番の日に連れて来られたクロスが遅れてやってきたのであった。完全にオフの格好であり頭には寝癖が立っていた。


「ったくなんで俺まで呼び出すんだよ。俺は朝までゲームしようと思ってたのに、、、、、ムッキー!!!!」

クロスは、少し怒りながら、欠伸をした。


「悪かったな。俺、アミャーダと2人だと心細いんだよ。お前と3人の方が落ち着くんだよな。」


「あっひどいですよ。クワイガン先輩。。私よりクロス先輩の方がいいんですか。昨日、お買い物に付き合ってあげたのに。」


「えっっっ、、、お前らそんな仲なのか、、、、」


「違うわ。それより早くこの新約聖書を読もうぜ。」


そう言うと3人は、1000ページ以上ある新約聖書を開いた。魔導書だけではなく立ち並ぶ書物の数々は、まるで、巨大な書庫である。アミャーダは巨大で分厚い魔導書を1冊持ってきた。1000ページ以上あるその魔導書は閉架であった為か、出すのに時間が掛かった。20分くらい待ったらしい。


「んで、、、その意味不明な、魔導書を書いたのがアメディオ・リレイツォなんだろ??

どういう事が書いてあんだ?一体」


「デール文字で書かれているのは、カルデアの魔導術ですね。これは、いわゆる魚人の事と、この世界の秘密についてです!!」


「カルデアの魔導術??一体それはなんなんだ??」


「カルデアは遺伝子培養術の権威と言われている魔導術師です。このアレイティ帝国に実在したと言われていたアメディオ・リレイツォと共によく知られています。7000年前、当時アトランティスには非魔族と魔族が共存していました。魔族は魔術を使い科学を擁護する非魔族と争いを始めました。そしてその戦争は海底大陸を巻き込む大戦争へと発展していったのです。カルデアは遺伝子培養術を使い、魚と人間の力を合わせ持つ高度な知的生命体を生み出す事に成功しました。その生命体をクローンの如く大量に量産しました。その生命体こそ魚人なのです。」

アミャーダは魔導書を読み、答えた。それこそが魚人に隠された恐ろしい真実であった。


「おい、まさか魚人を作ったのは人間って事かよ。」

クワイガンは驚愕した。それが真実ならば、この世界は、完全に、人類が自ら生み出した事態という事になる。


「はい、そして魚人達は人間を襲い始めました。彼らは高度な知能を兼ね備えているあまり、知能が発達を続ける事で、より高度な世界へと順応を重ねていったのです。そして自らのコロニーを作り、人間を食しなければ生きて行けなくなっていったのです。いわゆる食人族ですよ。それだけじゃありません。

ここには帝国の真実も書かれています。

私達の祖先のアトランティスの民はムー連邦と仲が悪く戦争を重ねていました。ムー連邦最大の魔道士であるクロアチェディ・ピエトロと、アトランティスの魔導師の意見は完全に食い違い、国家を揺るがす戦争へと繋がっていったのです。だから、鬼核団と呼ばれる恐ろしい兵器は、国を滅ぼす脅威の兵器として人々から恐れられていました。そしてそれをムー連邦へ放とうと考えたのでしょう。それが仇となり、アトランティスの国家は滅亡しました。

コンピューターが暴走して、核兵器がアトランティス国内で爆発し、広がった放射能は、国中を覆い尽くしました。」


「ちょっと待てよ。じゃあ魚人はどうなったんだよ。」


「こう記されています。魚人は既にアトランティスの国外でコロニーを作り爆発的に増殖しました。そしてコンピューターは暴走したあとも、魚人を大量に生産し続けたと記されています。そして放射能を逃れたアトランティスの民は、国外へ逃亡しムー連邦への報復のチャンスを伺いました。全ては世界を征服する為に。。

今も核実験を繰り返して、ミサイルを放ち続けているのです。ミエスタに落とされたのもその鬼核団の一部でしょう。」


「そんな、、、、、じゃあ、、朱理も、、、綾も、、琹も、由佳も、、梨沙ちゃんも、、殺された。奴らの核実験の為に放ったミサイルが船に激突して船は爆発した。

ふざけんなよ、、、、祖先のやつらがやり残したことなんかの為に、、、無関係の人が沢山死んで、、、、、そんな理由の為に、、、、俺は巻き込まれて、、、、朱理は、、、、、殺されたのか、、、、。

ふざけんなよ!!!!そんな理由なんか腐ってやがるよ。ふざけんな!!!!

俺の友達も、、、恋人も、、、あいつらに殺されたっていうのかよ。うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


クワイガンは嗚咽した。ただひたすら泣き続けた。あの笑顔がもう二度と見られない。もう二度と会えないかもしれない。その様子を見たクロスは口を開いた。



「クワイガン、、、俺も気持ちは一緒だ。そんな真実を聞かされて納得する訳にはいかねえ!!!!俺だって、、、失ってんだ。お前と同じように、、だからあいつらを絶対ぶっ殺そう!!!な!!!!」


「クワイガン先輩、、、、、、クロス先輩、、」


「アトランティスの奴らは本当に海水のように心が冷たいんだな。俺が奴を殺す。アロイスザンは俺が殺してやる!!!」


クワイガンは強く決意した。

読んで頂きありがとうございます。

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