幕間
お久しぶりの投稿です。まあお楽しみの上で
「兵隊さん、、、大丈夫?泣いているの???」
少女はクワイガンを心配して声をかけた。
「ごめん、、泣かないって、、決めたのにね。」
そんな筈はないきっと朱理は生きている。朱理だけでない、殺された綾や琹、由佳もきっと今までみたいに笑ってこの世界で待っている。そう思いたかった。だがそうならないであろう、奴ははっきりこの手で朱理を殺したと言った。もしそれが事実だとしたらやっぱり朱理は。
「畜生、、朱理は、、、、もう、、、そんな筈はねえ、、、朱理は、、きっと生きている。俺が、、、俺が殺したんだ。俺のせいで、、朱理は、、、、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
朱理の笑顔が頭を過ぎると涙が溢れて来た。そうだ。5年前、、あの事故で綾や、琹が死んだ事故で唯一生き延びた朱理を守るって誓ったのに。。俺は守れなかった。
「クワイガン、、お前が言っていた大切な人っていうのは陸上人だったんだな、、悪い。俺たちは何も分からずに、、でも今は、、前に進むしか、、」
「お前に何が分かる??朱理はいつも笑顔だった。いつだって俺に笑顔を向けてくれた。いつだって俺を愛してくれて、こんな俺でも世界で一番好きだって言ってくれたんだ。俺は嬉しかった。今まで好きになった女の中でも本当に心の底から好きになれたんだ。人間っていうのは好きな人のためなら自分の命を犠牲にしてまで、守らなきゃならないのに俺は、、、、そんな朱理を俺は助けられなかったんだ。朱理はもう、、、」
そんな悲観するクワイガンに対してドリステンは声をかけたのであった。
「いつまでもしょぼくれてんじゃないわよ!!!でも大切な人を守れなくて辛い気持ちは私も本当によく分かるよ。私だって、、お姉ちゃんとお母さんを戦争で失ったの。ブルエスター帝国との戦争で殺されて、、魚人に食い殺されたの。私は、、親を食い殺した魚人を抹殺するためにアレイティ帝国の軍隊に入った。悲しみを捨てて、、憎しみを押し殺して、、。魚人と闘う度に私の心には嫉みが溜まってゆく。幸せそうな家族を見ると心が苦しくて、、、苦しくて潰れそうになる。あなたと同じ、、家族を守れなかったって踠き苦しんで、、押し潰されそうになるんだよ。でも復讐に囚われたらきっと私も悪魔になっちゃう、、、そんなの辛すぎるよ。だから、、、、だから一緒に闘おう、どんなに辛くても一緒に涙を分かち合おう。あいつらをぶっ殺そう。こんなに辛そうなクワイガンを私は、、、、見てられないよ。」
ドリステンの目からはただひたすら、涙が流れていた。辛い過去、忘れたくても忘れられない過去彼女は強がっているようで全然強くなどなかった。辛い思い、辛い過去を乗り越えたくて必死に生きているのだ。
「ドリステン!!!みんな同じだ。だからもう泣くな。俺たちがいる。俺たちは仲間だろ!!」
デビット・ポーターは、号泣するドリステンの肩を叩いた。
「奴らは残虐非道かつ最低の奴らだ、奴らを殺す為に、俺たちも一軍人として特訓するしかねえだろう。」
訓練生達は、決意を新たにした。その夜、訓練生達はケストをあとにした。あばれまわる魚人の大群によって、ケストのドームは崩壊した。
多くの市民や被爆者達はガルディエ・ロウら3つ頭のサメ魚人によって喰われ、全身をバラバラにされ死に絶えた。
彼らもまた人間を喰わなければ生きられない、食物連鎖の残酷な、運命なのである。
部屋に戻ったアレイスターはベッドへ寝そべった。傷の痛みが増していき、中々、寝付けない中、無理やりでも目を閉じようと必死に頑張る。それでも思い出すたびに蘇る朱理のあの言葉。
「ねえ、私が結婚してくれるって言ったら、どうする?」
船が沈む直前に交した最後の言葉、あの時言っておけば良かった。もう二度と会えなくなるなんてわかってたら言えばよかった。それなのにもう彩とは二度と会えないのが辛い。アレイスターの脳裏に、爆発に巻き込まれ必死に助けを求める綾の顔が浮かぶと、アレイスターは、ただひたすらに泣いていた。それはもう彼女と会えない無力感と悲しみ、ただそれだけだった。
読んで頂きありがとうございます。




