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第1幕ー2


公平は驚愕した。

先程まで消えていた意識が薄らと戻ったと思ったが、その場所が、明らかにミズーリではないことに戸惑いを隠せなかった。

そして自分の身体に包帯が巻かれているという事実と、外から聞こえる凄まじい轟音を聞くと巨大な艦隊の中にいるということだけは予想が着いた。

しかし片足には感覚が無いという非常事態だけは察した。


(どういうことだ。俺は一体、、片足の感覚がないだと。まさか。

ここは、、、水中か。まさか湖底に沈んだのか。俺は。)


公平は辺りを見渡した。

しかし首の感覚も無く、恐ろしい程に火傷の激痛が公平の身体を襲う。

このままでは死ぬのではないかと公平の気持ちは絶望的になった。

その時物音がした。3人の男と女であった。

男は軍服を着ている。恐らく、海軍の者だろうか。


「患者の容態はどうだ?」


「全身に火傷を負っている模様です。それから酷く放射能の影響を受けているので間違いないでしょう。」


「ヴェダート艦長、、恐らく、ミサイルの攻撃を直で喰らってしまったようです。

しかも巨大空母がカスピ海に丸々沈んだのですから、既に300名近くの陸上人の治療を行っていますが、誰1人として助かった者はおりません。」


(空母、、、沈んだ。。。まさか、、、、俺はあの爆発で、、、、朱里は、、、、、良一は、、、、皆は無事なのか????)


「だがたった1人、、息をしている陸上人がいる模様です。現在延命治療中です。しかし、、火傷の損傷が酷く、右腕及び、右足は義足で治療しています。」


男は公平の方へやってきた。

全身は包帯に巻かれている為に視界ははっきりしない。薄くぼんやりとした、微かな記憶の中、口を開こうとしたが、、、公平は口が開かなかった。


「か、、、、か、、、、あ、、、、、あ、、、、、、」


「ヴェスター先生、、陸上人ですが口を開いて何かを話そうとしているのが聞こえますか??」


ヴェスターと呼ばれた女性医師は公平の方を見つめた。そして、、こう言い放った。冷たい言い方だった。


「損傷が酷い。これは延命治療しても、助かるのか、、、、私は最善を尽くしてやりたい気持ちはあるが特別治療室へ隔離する。他の患者の命を最優先にするからな。」


(特別治療室だと。俺はどうなるんだ。まさか助からなかったらどうすれば良いんだ。)


こうして公平は、特別治療室へ隔離された。

特別治療室には公平含めて、3人程の、重症患者が、連れていかれた。


「ヴェスター先生、、、助かる見込みはないのですよ。

他の3名に至っては特に。」


ヴェスターの補助医師らしき男性医師はヴェスターに言った。だが、その意見に対して、ヴェスターは口を挟んだ。


「特別な力を感じるんだ。

特にこの3人は。

脳波を先程調べた結果、凄まじい力を感じた。

陸上人にしては、とても強いな。

彼らの命は、私が保証する。高いアビリティだ。私が助けると決めたのだ。」


こうして、ヴェスターは、公平を特別治療室へ連れて行くと、オペを始めた。

オペの内容は義手と義足の装着だ。

そして、全身の皮膚移植という前代未聞の治療だ。

恐らくブラックジャックを助けた本間丈太郎くらい凄い技術を持った医者なのだろうか。

そしてこの手術の成功こそ室田公平にとっての転機といえるのである。

これから先の想像も付かないような事に巻き込まれていくのである。

艦隊は、カスピ海の湖底へと到着した。

そして手術を終えた、公平と2人の陸上人は、カスピ海の底にある巨大病院へと運び込まれた。

だが、薄れていく意識の中で、公平はおかしなことに気づいた。

それは水中の中なのに息ができるという事である。

つまりここは、湖底。

すなわち、カスピ海の底。


病室へ運び込まれた公平の元に1人の男が入ってきた。その男は、医療用白衣を着ていた。先程艦隊に乗っていた。


「ヴェスター先生、患者の様態はどうだ??」


「血圧とバイタルは安定しています。

ただ右腕と右脚には切断されている傾向にあります。

我が病院で研究し尽くした義手と義足を装着して、何とか、凌いでいますがね。」


医師のヴェディビエールは、怒涛をあげた。


「馬鹿野郎!!!何故義足をつけた!!!

火傷した箇所が多いんだぞ。接合は不可能だ。

なぜ、、勝手な真似をした??

命令違反だぞ!!!アビリティを持っている人間は、、、アビリティ所有者用の義足は当病院には無いと前教えたではないか!!!」


どうやら公平に装着する義足は間違っていたようだ。それだけではない義手の事も、不安が頭を過ぎった。


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