第1幕ー1
新章突入します。
結城貞治は、カスピ海の悪夢と呼ばれている数多くの沈没船の沈没の謎を図書館で調べていた。カスピ海のある特定のエリアを通る、船が沈没しているのだ。船だけではない、飛行機も謎の沈没を遂げているとある。
「これは、、魔の三角海域、バミューダトライアングルと一緒だ。あそこを通る船は殆どが沈没している。そして、、あそこでもカスピ海同様、、核兵器の爆発が頻繁に起きている。やはりカスピ海の悪夢は、バミューダトライアングルは何か関係があるのか、、まさか、、遥か昔、、海底に沈んだ国、、アトランティスが関係しているんじゃ、、、」
アトランティスは10000年前に大西洋に沈んだ。火山が噴火して、大西洋に沈んだとされる幻の巨大大陸である。結城は、かつてバミューダに沈んだ沈没船が突如として引き上げられ、そしてその日に海底に姿を消した真実をニュースで見ていた。
「あの沈没の真相には何か、秘密が、、大西洋で一体何が起きているというんだ。」
図書館を出た、結城は、警察署に向かいカスピ海の悪夢と記された文献を上司の警察官に見せた。上司の名前は、後藤潤一郎。刑事歴40年以上のベテランだ。
「警部、、例のカスピ海の件について新たな事実が分かったんです。沈没船は皆同じ地域で沈没している。北側なんです。カスピ海の北即ち、カザフスタンに面した所で毎回沈没している。まるで可笑しいと考えられませんか、、
その結果、、ある一つの真実にたどり着いたんです。これは大西洋の魔の三角海域、、バミューダトライアングルにそっくりなんです。」
「証拠はあるのか??バミューダトライアングルは昔から船、、飛行機の墓場として有名だ。だが、、何の証拠もないんだぞ。それにあそこは危険だ。アトランティスには、、魔神の国があるという都市伝説もあるんだぞ、、」
「魔神の国、、、、?」
「都市伝説ではアトランティスには3つの種族が住むとされている。海底人、、魔族、、そして海龍だ。」
海龍、、結城はその真実を思い出した。アトランティスには海底人が住むと言われている。かつてアトラン皇帝、デュニシュニオス・プランドによって帝国が築かれていた。大西洋に沈む以前は巨大な島とされており、その島には魔族、そして龍が住み着いていた。大西洋に沈んでからも彼らの末裔が生きているならば、カスピ海に住む彼らとの共通点が見つかるかもしれないのだ。
「思い出した、、、海龍、、海に棲む生きる龍。俺は見たんだ。妻と結婚して俺はアメリカに旅行に訪れた。その時海から現れた1匹の龍は、、妻を攫った。琹と綾がまだ、2歳の時だ。あの龍は女に化けた、、、だけどあの後、、女の顔が思い出せなかった。」
「亡くなった娘さん達は、、貰い子だったんだろう、、」
「そうです、妻は、、病気で子供が産めない身体だった。そんなの俺達は、親がいない施設にいる双子の赤ん坊の里親になった。その子達を本当の娘のように可愛いがったんです。俺は、名前を付けてあげたんですよ。綾っていうのは、俺がつけたんです。綾っていう漢字には、糸と糸が絡み合うように、暖くて深みのある子に育って欲しかった。琹は妻がつけたんですよ。琹は木の枝に例えて、世の中の人の道標になるようにって妻が考えてね。そんな妻に対して言ったんです。あの海龍は、、、返せってね。」
「返せ???本当にそう言ったのか???
まさか、、、、おい結城、、、まさか君の娘達は、、、、、」
後藤の表情が変わった。もしかして、、俺は、開けてはならないパンドラの筐を開けてしまったのかもしれない。もしそうなら、あの事故の被害者全員に共通する。
「結城、、今から話す。この情報は俺が海上保安庁特別支部から聞いた情報だ。。国家機密だ。もし公になったら、、とんでもない事になる。いいか、よく聞けよ、、カスピ海で沈没した船は殆どがミサイルで沈没したわけじゃないんだ。殆どがバミューダトライアングルと同様、突然、、湖底に消えたんだ。だがな、、その内の、4回は、キノコ雲と黒い雨が目撃されていた。500年前のバイキング号、200年前の戦艦ゲルシェンキ、チャレンジャー号、、今回のミズーリ、、、キノコ雲が発生したのは、全部で4回しか確認されていない。500年前、バイキングの沈没船が沈没する以前にカスピ海にキノコ雲が上がるなんて事はなかった。教科書に載っていただろう。そして更に恐ろしい事が書かれていたんだ。その4件の爆発の犠牲者の中には、、俺達と全く異なる遺伝子を持つ人間の遺体が発見されていた。そのDNAは陸上人とは異なる。」
「え???綾と琹が、、殺されたって事ですか???じゃあまさか、一体誰が、、何のために、、、」
結城は余計頭がこんがらがってしまった。まさか綾と琹の親はあの女なのだろうか。そんなはずは無い、きっと何かの間違いだ。
「いいか、、お前に任務を与える。大西洋、、バミューダに向かうんだ。バミューダトライアングル、、、大西洋の底に何か、、真実がある筈だ。俺とお前で大西洋に潜るんだ。良いな。一週間後、、成田空港に向かうんだ。向かう先は、カリフォルニア、、そしてバミューダ三角海域だ。」
後藤は、既に公安警察から、大西洋に向かうように調査が出ていた。大西洋のバミューダ沖に何かがある。もしかしたら調査に出た潜水艦も沈没するかもしれないのだ。仮にそうなった場合、死を覚悟しなければならないのだ。もう少しで娘の死の真相に辿り着くかもしれないのだ。勤務後に、結城は、部下の北原と2人で、人形町の立ち飲み居酒屋に入った。
「結城さん、、例の公安からの調査、、本当に行くんすね。」
「ああ、、俺は行くぜ。何がなんでも、、、もし綾と琹が、、海底人によって殺されたのだとしたら、、俺は、、海底人を殺す!!!!必ず、、、、アトランティスだがなんだか知らねえが、、、、、、公平君がもし生きていたならな」
結城は熱く叫ぶのであった。
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