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第3幕ー2

眠いなあ。


「それでは新人隊員の皆さん、御着席をお願い致します。本日の進行を努めさせて頂くギュンマー・ギレイシェンと申します。」


大臣の長い演説が終わると軍隊の総長であるギュンマー・ギレイシェンは、挨拶をした。短い挨拶が終わると総合司令官のベテルギウス・クロウリーが現れた。20センチにもなる無精髭を生やすその姿は威厳に満ち満ちていた。拍手喝采が終了するとベテルギゥスは、口を開いた。


「新人軍人達の諸君。ようこそ我がアレイティ湖底軍へ。そして、晴れ晴れしく、入隊した事を心より祝する。これから諸君には、輝かしい軍隊生活を送って貰う。帝国の未来の為、たった一度しかない人生を捧げてまで、全力で戦って欲しい。良いか諸君、アレイティの未来のために。ハイル・シュラッフェラーー!!!

遡ること4000年前、我々の先祖、レオペエウスの民は、デュセン大陸への降伏させる為に核弾頭を作り出した。そして、核実験を繰り返していた。そして核実験に失敗し、帝国は滅んだ。だが、その中でも生き残った民はいた。その民こそがこのカスピ海に文明社会を開き、我々の国を作ったのだ。その民に対しての敬意を地して、この戦争必ず勝つ事を望む。全力でぶつかれ。最後まで諦めずに戦うのだ。戦争の為に、国の為に命を投げ出す英雄は死してなお語れん。以上だ。」

やがてベテルギゥスの演説が終了するとギュンマー・ギレイシェンは再び口を開いた。


「それでは軍隊総合司令官、ドミニク・アンデルティウス司令官よりお言葉を頂きます!」

ドミニク・アンデルティウスと呼ばれた総合司令官らしき男が立ち上がり演説台に現れた。


「えー、新人軍隊隊員の皆様、ご入隊おめでとうございます。皆様には、えー非常に素晴らしい映えある軍隊生活を送ってもらいたい。常に、この国は、ブルエスター帝国と戦争をし、国民何人もが空襲、爆撃により命を落としているか、わかっているものだろう。ブルエスターと戦って勝つ、これだけを信念に持ち、一回しかない人生の中で、誇りに思えるような軍人になって欲しいのが、我々の本望だ。ここは非常に厳しい場所である。常に上下関係、礼儀、身だしなみを完璧に出来ているのは大前提に時には、命を投げ出さなければならないような時が来るのを常に念頭に置いて欲しい。それについて行けなければ好きに辞めるが良い。ただ仲間を見捨てることだけは、絶対に禁じて許し難い。それだけだ。国のため。世界の為に。ハイルシュラッフェラーー!!!」

一切に拍手喝采が響いた。

ドミニク・アンデルティウスは、先程の冷酷な顔つきとは裏腹に、非常に熱いスピーチを重ねていたのである


「あー何が国だよ、何が軍だよ。そんなことこれっぽちも思ってねえくせによ。」


デビット・ポーターは、ボソッとそのようなことを言い放った。彼は、湖底軍隊をかなり嫌っていたようである。その証拠に、かつて湖底軍隊の特攻隊として志願し、死んでいった兄の姿を見てきていたからである。


「あんたさ口が裂けてもそんなこと言わない方がいいよ。非国民扱いされて懲罰房送りにされるよ。あたしの父親みたいにね。」


デビット・ポーターと近くの席に座っていたドリステン・リーズリは、デビットへ忠告した。


「それでは最高議長にして右大臣、ルナティエ・ポウ・リエンポ大臣より再び激励のお言葉を頂きます。」

ルナティエ・ポウ・リエンポが再び演説台に立ち演説を始めた。


「えー、新人軍隊の諸君。非国民という言葉を知っているか。戦争に反対し、国の為正義のためと抜かしながら、平和を尊重しているような連中の事だ。ハッキリ言う、そいつらはクズだ。世間の為とはいえ、戦争に参加せず、国のために死んでいくような連中には、生きる資格はない。諸君にはそんなクズにはなって欲しくないのだ。遥か古代アトランティスの民が、ムー連邦と激しい争いをして、アトランティスは滅んでしまった。だがそんな中でも国の復興を願い、我が国に文明を築き上げた祖先のためにも、祖国のこのアレイティを尊重し、国の為に戦い抜いて欲しいりそれこそが私の望みだ。」


ルナティエ大臣は、非常に重みのある言葉を残した。しかしそんな意見を聞き、デビットは激しく怒っていた。


「ふざけんなよ、あんなやつ、政府でもなんでもねえよ。」


「デビッド静かに。」

ドリステンは、デビットを宥めた。

ギュンマー・ギレイシェンが、再び演説台に行き、喋り始めた。


「えー大臣、ありがとうございました。それではこれより湖底陸上軍隊指導教官を発表致します。まず湖底陸上軍隊、ヴァルデンス・ユーグベルト中尉。えー、湖底航空軍隊、ユリエン・ローウェン中尉。以上の2名そして、両軍隊総合司令官は、ベテルギウスクロゥリー大尉に任命致します。及び今回から新たに指導教官へと任命なさる。続いてアクアポリス士官学校理事長のミスキーヌ・ロレンツィ理事長です。以上です。それでは一同退場。」

アクアポリス士官学校の理事長であるミスキーヌ・ロレンツィは会釈をした。女性の聖魔術師である彼女は、笑顔の裏に狂気が隠されているのであった。その様子を見たクワイガンはクロスに耳打ちをした。


「おい、あの理事長までいるぞ。やっぱりここは俺達が来ちゃいけない場所だったんじゃねえのか?」


ベテルギウス・クロゥリーは、ふと席の端のほうにいるクワイガンとクロスに視線を向けた。ベテルギゥスが見つめるとクロスとクワイガンは2人でお互いに耳打ちし合っていたのであった。怪しむように2人の様子を睨み付けた。


「あいつらは陸上人か??何故奴らの入隊と入学許可をした?」


ベテルギウスは、横にいる男に問いかけた。男の名はユーティス・ウェルデンバードといった。ユーティスは銃の名手であった。かつて戦争でも活躍した英雄であった。


「さあそれはベレドゥール大尉に聞いてください。僕は知りませんから。」


「ヴァルデンス!話がある。」


ベテルギゥスはヴァルデンスへと耳打ちをした。ヴァルデンス・ユーグベルトは、ベテルギゥスの命令に従い立ち上がった。


「それでは諸君これにて終了する。くれぐれも全体の調和を乱すような行為は謹んで頂きたい。」


(え?終わるの早くね?歓迎する気ゼロやん!!)


クワイガンは入隊式のあまりの早さに心の中で驚愕した。

読んで頂きありがとうございます。

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