幕間
わずか2週間しか無い夏休みももうすぐ終わりです。
朝5時になり警報が鳴った。これからアクアポリス士官学校に向かうのだが、デルヴィスは記憶を失っていた。昨日の事も思い出せない。
昨日一体何があったのか。そして自分が誰なのかすら。俺は誰だ。悪夢のような夢を見ている中、あの凄まじい爆発で自分何を失ったのか。
デルヴィスは立ち上がると、歯磨きをする為に、洗面台へ向かった。水が出てその水を口に入れると、味が海水ではなく真水である事に驚愕した。
「ここは、、本当に、、海底の中なのか??」
疑問が出る中、ふと起きてきたジェレミアに気が付き、デルヴィスは口を開いた。どうやら海水は真水に加工されているのか。不思議な空間に今自分はいる。
「おはよう、、ジェレミア、、よく眠れたか??」
「いや、、全然、、なあ、、本当にあいつのとこ行くのか??あの昨日怒鳴り散らしていたあいつの所に??俺は絶対行かねえぞ。何がなんでもな。あんなのパワハラだ。俺たちのいた陸上世界でもあそこまで酷いのはいなかったからな。」
「俺は、行くよ。朱里を取り返すためなら、どんなパワハラでも耐え抜いてやる。大丈夫さ、核爆発から生き延びた俺達だ。あんな奴らに負けるほど弱くないさ。」
デルヴィスは、笑いながら言った。昔から根性だけはあった。どんなに辛いことにも耐えてきたのだ。だからか、ポジティブとか言われる事も多かったのだ。
朝が早いので朝食は無しだ。すぐに軍服に着替え、アクアポリス士官学校に向かう。筆記用具に懐中電灯。そして警笛。軍隊に必要な物は全て身に付ける。
寮を出ると巨大なビルが建ち並ぶ通りを抜けてアクアポリス街道を歩いていく。この街道はアクアポリスそしてアビスの街にも通じる大街道だ。
「ドリステンだっけ??昨日教室いた女の子。あいつもいるしきっと大丈夫だ。いざとなったら辞めりゃいいだけの話だからな。」
2人は、念を押しながら、歩いた。15分ほど歩くと、門が見えてきた。アクアポリス士官学校の校門を前にすると脚がくすみ緊張する。
こんな状況下で入りづらい。2人は、昇降口へ向かうとそのまま教室へ向かった。
201の教室が今回通う教室だ。入ると、軍服を着た生徒達が20人ほどいる。中には女性もいる。そんな中、1人の女性が話しかけてきた。
眼鏡をかけている10代後半くらいの女の子だろうか。
「もしかして新入生の方達ですか??今日から入るっていう。うわあ年齢もバラバラなんですね。私、アミャーダ・ローヴェント言います。分からないことあったらなんでも聞いてくださいね。もう少ししたら、長官が来ます。朝の朝礼が始まりますから。」
アミャーダと名乗る女性は、かなり、元気良さそうに話しかけて来た。デルヴィスは、その勢いに圧倒されな、少し引き気味に言った。
「おう、、宜しく。」
するというもう1人黒髪の短髪の男がやってきた。男は、体育会系の風貌で見るからに軍隊員に相応しい格好をしている。
「お前らか、士官学校の新入生達って、なんだよ。男いて良かったわ。女だけだったらどうしよかなぁって思っててよ。ところで、名前なんて言うの??」
「俺はデルヴィス!こいつはジェレミアだ。」
デルヴィスは、男にジェレミアを紹介した。ジェレミアは、笑いながら、喋った。どうやら思ったよりも仲間内は問題が無さそうな雰囲気だ。やがて、朝の時報が鳴った。その時報を聞くと、一斉に周りがざわつき始めた。どうやら周りの様子が可笑しい。時間は朝の8時だ。
そして一斉に静かになり始めた。そしてその5分後。1人の男が入ってきた。それと同時に遅れたドリステン・リーズリが教室へ入ってくる。
次の瞬間、男は、ものすごい剣幕で怒鳴り散らすのだった。
「おい!!!!!!!てめえらよぉ!!!!!!!!!!!挨拶もしねえのかよ!!!!!!この野郎!!!!!ぶっ殺すぞ!!!!!この野郎!!!!!!」
男は、怒鳴り散らすと黒板にあるチョークを粉々にするのであった。粉砕されたチョークは形を失い、粉へと変わった。
「おはようございます!!ヴァルデンス・ユーグベルト教官!!!!!」
全員が大声で挨拶をした。だが次の瞬間、ヴァルデンスは教壇を蹴り飛ばしていた。そして1番前にいる軍服を着た生徒の頭を掴むと、蹴り飛ばしていたのだ。男は壁にぶつかり痣を作った。そして竹刀を出すと、生徒を殴りつけた。
「おい!!!俺が来る前に遅刻してきたやついるだろう!!!そいつが遅刻してきた上に、、俺が入ったと同時に挨拶もしねえとは、、、どういう神経してんのか聞いてんだよ!!!!!この野郎!!!!!!!おい、、てめえら!!!!!!甘ったれてんじゃねえぞ!!!!新学期そうそうよ!!!!!軍人になりてえとかな、、甘ったれた世界じゃねえことくらいは知っているだろうがよ!!!おい連帯責任だ!!!ここへ並べ!!!
並べっつってんだろうが、、この野郎!!!!!!ぶっ殺すぞ!!!!この野郎!!!!!おい、、遅刻してきた女!!!!てめえが先頭だ!!!!早くしろ!!!!!グズグズしてんじゃねえぞ!!!!この野郎!!!!」
ヴァルデンス・ユーグベルトの怒号に圧倒されたのか、ドリステンは脅えながらも前へ出た。
昨日、べレドゥール・ローデンベルクに殴られた傷がまだ治っていなかったのか。怖さに圧倒されながらも前へ出ていく。そして次の瞬間、ヴァルデンスは、ドリステンの髪を掴むと壁へ殴りつけた。彼女を蹴り飛ばしてボコボコにした。その瞬間を目にしたデルヴィスは、流石に止めに言った。
「やめてください!!!殴らなら俺にしてください!!!女を殴るなんて、、あんたらどういう神経してんですか!!!いくら連帯責任とはいえ、、、ぐわぁぁぁぁあ、!!!!!」
デルヴィスをヴェルデンスは殴り付けていた。
そして竹刀を持つと1人1人生徒に対して殴り付けていく。その後は、1人1人の生徒の顔面を次から次へと殴りつけていく。血だらけになったドリステンは、目の前で起こっている出来事が理解出来なかった。今目の前で自分の遅刻が原因で全員が殴られている。全員を殴り付けると、ヴァルデンスは、大声で怒鳴り散らした。
「おい!!!!!!!!!!!!てめえらよぉ!!!!!!!!!!!1人の遅刻がな、、戦争に置いては命取りになるんだよ!!!良いか、、戦争っていうのは怪我、暴行、、死ぬのが当たり前の世界だ。だからなこの学校では、連帯責任として体罰を加えることでそういう環境に慣れされるように訓練する!!良いか!!!最近のてめえらはたるんでやがんだよ!!!!!一人前の軍人として成長する為にはよぉ!!!!!!!痛みに耐える!!!!これからだぁぁぁぁ!!!!!!わかったな。それから今日から3人が新入生として入る!!!皆、仲良くしてやってくれ!!!!!それから、、この後10時から式典が行われる!!!全員参加だ。もし、、参加しない物がいたら、、お前ら全員、、ぶっ殺すぞ!!!!!この野郎!!!!!!」
ヴァルデンスは怒鳴り散らした。
読んで頂きありがとうございます。




