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第1幕ー1

 時は経ち、西暦2030年、10月某日、海上自衛隊の室田公平は自衛隊隊員の婚約者の三田園朱理と共にカスピ海に新婚旅行に訪れていた。

そんな中、ツアーで連合艦隊ミズーリに、乗船するきっかけとして選ばれた2人は、ミズーリに乗ったのであった。

大学卒業後、共に海上自衛隊に入隊した2人は、恋に落ち、そして結婚した。快晴の天気が広がる中、ミズーリは出港した。


「はあ!!!やっと乗れたわね。連合艦隊ミズーリ!!!これからツアーが始まるのね。このありのままの感じ、もう広い海だよねー。

これが世界最大の湖なのねー。ねえ、どうよ公平??」


朱里は、身長175センチの痩せ型の美少年、公平へ質問した。公平は朱里の顔を見つめると、口を開いた。


「いやあ、やっと夢が叶ったよ。俺は、もう、順風満帆な生活送れているよ。っていうかやっぱり、風が本当に気持ちいいなあ!!!素敵だし!!!なあそれより知っているか、カスピ海で活躍した伝説の艦隊、ノイズンナヴェールのこと!!」


「でたー、公平のうんちくタイム!!!そうやってすぐ話したがるんだからあ!!!

もちろん知ってるわよ。伝説の艦隊だわよね。でもなんかね、もう沈んじゃったんだもんね。辛いよね。悲しいよね、私は悲しいよ。」


朱里は、ノイズンナヴェールが相当好きだった、朱里からすればショックだったに違いない。

三反園朱里は生粋の艦隊マニアであった。

その知識量は公平に匹敵する所があり、かつての公平のように、海洋マニアであった。


「公平さあ、私の方が今知識上だもーん!!!

私の方が、優ってるもん!!

ねえ公平、浮気とかしてないよね。」


「してないもん。俺が好きなのはお前だけだぜ。朱理。」


公平は上機嫌に言った。

そうこの2人、何をするにも一緒の仲良しカップルだった。そして、この夏、2人は結婚する。職場結婚という華やかな場で、公平は、家庭円満の絶頂にいた。

既に2人は同棲を始めている。結婚と同じに朱里は休職する。2人はお互いに愛し合っていた。


「しかし、抽選で合同演習に選ばれてその上にカスピ海での新婚旅行にまで申し込んでくれるなんて嬉しいわ。あなたは運がいいのね。」


「センスは別に良くないけどさ、って言うかさこの合同演習が、本当の目的ではないしさ。この旅行で結婚を祝おうと言うのが、俺の本当の目的だけどな。」


このミズーリで行われた合同軍事演習は、自衛隊のメインイベントである。

そしてこの演習で結婚するカップルは、訪れる確率が高い。そしてその軍事演習が終わったあとは、船に乗ってトルコのアゼルバイジャンに旅行に向かう筈だった。


「見晴らしのいい景色ねー!風が気持ちいい!」


朱里は気持ちの良い海風に辺りながら遠くを見渡した。


「しかし本当に綺麗だわ。本当の海みたい。湖とは思えないわね。いつか彼氏と一緒に来たいって、夢を見たような。」


すると朱里の視界が急にぼやけて見えなくなった。何か2つの手のような物が、朱里の眼球を塞いでいるような雰囲気がしたのだった。


「何すんのよ!公平!」


朱里は、笑いながら公平の手を掴んだ。


「誰が、朱里の目を隠しているでしょーうか?」


すると朱里は呆れながら言った。


「全く子供なんだからー!!」


すると公平はそのまま手元をお腹に当てながら、不意に後ろから朱里に抱きつくのだった。

その光景はイチャイチャしているような最高のムードを出していた。

朱里は公平の手を恋人繋ぎで繋ぐと、公平の頬っぺにキスをするのだった。


「ねえ、覚えてる。私と初めて出会った日のこと。

大学時代、私の事ずっと好きでいてくれて、それであなたの方から告白してくれた。本当に嬉しかった。

だから、今も、あなたが好き。ねえ、だからずっと私のこと好きでいてね。」


「俺もだ。愛してるよ!!!」


2人はキスを交わした。そんな中、船の汽笛が鳴り、同僚の男達が2人を冷やかしにやってきた。


「おう、公平!!!朱理!!ずいぶんと幸せそうだな。」


「フゥフゥフゥーーー!!!!」


偶然にも新婚旅行と同時期にエドワードと旅行に来ていた職場の同僚である、如月良一。そしてその友人の日系ブラジル人のエドワードだ。

2人は、同期で朱理や公平とは同じ訓練所出身のだった。

この頃からの2人を知っていた良一とエドワードも1ヶ月後の結婚式に呼ばれている。


「良一!!当たり前だろ!!俺は今、幸せの絶頂にいるんだから!!

最高だよ!!」


「良一くん!!ありがとね。結婚式来てくれて!!」


「もちろん、行くに決まってるじゃないか。場所はもちろん東急ホテルだよな。

最高のところだよな。」


良一は聞き返す。すると公平は、それに答える。


「そうそう。チケットは、後で送っておくから。是非来てな!!それにホテルの場所はLINEしておくからさ。」


 公平は、高級ホテルでの結婚式を上げる為に、必死に貯金を貯めていた。

もちろん必死に稼いだお金は、これからの生活資金として貯めておかなければらならない。

朱理と生活する為にも、そんな先を見越しての、生活の中で、2人は愛を誓い合って生きていく。


「ねえ、始まったよ!!!」


汽笛がなる中、ロシア、そして、アメリカ、イタリアの艦隊が姿現した。

その大きさは、今までの自分達が搭乗していたミズーリの3倍近い大きさを誇る。

世界の海軍の規模の大きさには脱帽するばかりだ。

そう全てはこの日の為に、一斉に各国の連合艦隊が集められたのだ。

ナガタ・ジュンイチ1等海尉がスピーチを送る中、一斉に航空母艦から、戦闘機が飛び立ち。空に軌道を描いていく。

そして、ステルス戦闘機が舞う中、空を見つめていた、公平は、スピーチを聴きながら、タバコに火を付けた。



「なあ、それより、朱里!!!昼飯にしないか??」


「そうね。良一君もどう??」


こうして3人は、艦内にある食堂へ向かった。

そこにはラーメンやカレーなどが多く並んでいる。

午前11時50分に、公平と朱里と良一の3人は注文したご飯を食べた。公平はまさかの豚骨ラーメンである。


「頂きます!」


「しかし、公平??なんでラーメン??」


朱里は公平に質問した。


「まあこっち来てから全然食ってなかったし。

それにトルコのラーメンもどうかのかなぁって思ったからさ。

それに朱里が美味しそうに食べるのを見るのが俺は好きだからさぁ。」


「ねえー!そういうの良いから。早く食べないと麺が伸びちゃうよ!!」


朱里はにこにこしながら、公平の話を受け流した。


「なあ、それより、バイキング号の沈没の話聞いたことあるか?。」


公平は朱里と良一に海賊船の話をし始めた。


「知らない。何それ海賊船?」


「このカスピ海に沈んだとされる宝を詰んだ海賊船の事だよ。噂によると爆発したんだってよ。」


「えー!!怖いね。え??爆発ってまさか??」


午前11時59分30秒。湖面が赤く光り始めた。

周りで船員が騒いでいる。


「なあ、甲板が騒がしくねえか?」


「見てきなよ。」


朱理が言うので、公平は席を立った。

すると公平の視界にいきなり物凄く眩しい閃光が一斉に辺りを包んだ。その目を覆いたくなるくらい、視界を遮る、凄まじい閃光が10秒程続いたその時!!!!


ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォxォォォォォォォォォォォォォォーン!!!!!!!!


突然猛烈な爆風と1000℃近くにもなる熱線が物凄い早さで辺りを包み込んだ。

そして凄まじい爆風は艦隊を木っ端微塵に焼き尽くしていくと凄まじい閃光と熱は辺り一帯を燃え尽くした。


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」



「公平!!!!!!」


「良一君!!!!!!!!!!」


朱里は、公平の名前を叫び続けた。そして熱線が包まれる中、身体は爆風で吹き飛ばされた。

公平も周りの、自衛隊も猛烈な熱戦を浴びて、身体が焼き付くされていく。キノコ雲が一斉に上空まで舞い上がると、ミズーリは、カスピ海に沈没した。公平は意識を失い、海面に落ちていった。そして意識は消えていった。


(俺は、死んだのか、、、、)


そして、視界は真っ暗になった。


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