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欠けた器とヤジロベエ

作者: 音澤 煙管

埃被ったヤジロベエ…






良くも悪くも

人として

生まれてきた。


経験も偏見も

今はこの自分しか

存在しない。


後悔しても謝っても

時が経つと

思いは薄れて流れ去る。


傷が付いた傷付けたと

争いの繰り返し

醜い二足歩行の廃棄物。


綺麗な衣を身に纏い

四本脚を喰い漁り

同じ命と気が付かない。


弱い神経を葬って

強者一番の振りをして

平気な仮面で過ごしてる。


いつも揺れてるヤジロベエ

何度も仮面を塗り替えられて

笑いを忘れて我慢する。


ヤジロベエは傾いて

善人だけが静かに動き

悪人に向かって祈りだす。


欠けた器のぼくたちは

傷を直してホッとする

何時もそれだけの繰り返し。


ヤジロベエはぼくに言う

大きくなったな…でもな?

見かけだけでは意味はない…と。


何でおいらが揺れて居るか

その意味がお前にわかるかな?

ヤジロベエが言ってくる。


揺れてるバランスに

気が付かない

二足歩行の動物たち。


何のために二足歩行か?

何のために腕がある?

ヤジロベエが問いてくる。


お前たちの強弱は

逆さまの意味で進んで居る

それが答えと言っている。


台所の片隅に

数十年隠れてた

欠けた器の上にヤジロベエ。


ヤジロベエは

揺れずに今にも堕ちそうで

今のぼくと同じだな。


そのヤジロベエは沢山の

塵と埃を被って居るけど

顔がまぁるく笑顔だった… 。






堕ちずに揺られて笑ってた。

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