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20話/人形解放師

ハントとローラは、二人に応急処置を施していた。

ハルトは助け出す方法を模索している。


「クソッ…あの野郎も追わなきゃならねぇし…」

「だけど、この人らを助けるなら私たちは暫く離れられないわ。」

「てかお前、いいのかよ…こいつらさっきお前のこと…」

「いいんだっての。もう関係ないから。」

「…」

それ以上、何も言わなかった。


「お困りですか?」

男の声が聞こえた。


「あぁ、悪いがこいつらに応急処置をやって、病院に…」


「かわいそうに…神経から解放された直後に他者を拘束して生きるとは。」


男は鋏を持っていた。


「あなた達も解放しなければ!さぁこちらへ並んでください!」

「なッ…!」

「安心してください。痛みはありません。もう感じれなくなるでしょうから!」

「私はパペットリリーサー。哀れな人形を糸から解放する者!です!」


パペットリリーサーと名乗った男は、ゆっくりと近づいて来る。


「クソッ…こいつらが…!」

ハントはやむなく戦闘態勢を取る。

「仕方ねェ。最短でやってやる!」


「あらあら、反抗するとは!ハ!ハハ!無駄ですのに!」

「この"断神鋏"に斬れぬ物は!無いと言うのに!」


男が鋏を構える。その瞬間。


「遅くなったのである!」


サンゲンが背後から薙刀で切り裂く。

男は鋏を使ってそれを防いだ。


「私が止めている内に、その者らを広場へ!広場の人たちに事情は話しておいたのである!」

「お前…」

「いいから!早くするのである!」


「ぐっ…馬鹿力ですねぇ…!」

「馬鹿ではない!馬人族である!」

男は薙刀を弾く。


「くっ!」

「さて…!あなたから解放を始めましょうか!」

男は不気味に揺らめき、鋏を構え直す。

そして切り裂こうとするが。


「サンゲンさん!手伝います!」

ハルトがその鋏を弾いた。

「ハルト君!」

「あぁ!もう!何故拒否!するのですか!」

「友達が傷つけられるのは嫌に決まっているでしょう!」

「傷つける…?」


男は、今までとは比にならない大声で笑った。


「ハ!!ハハ!!私が"傷つけている"!?御冗談を!!私は救っているだけです!」

「人を操る悪しき脳!その者が垂らす糸を切っているだけではありませんか!」

「人は人形のようにあるべきではないのです!!!」


「さぁ!!!解放の時間です!!!」




広場に他のパーティ4人を運んで行ったハントとローラ。

「おい!お前ら!こいつらの面倒を見てやってくれ!」

「この人たち…はぁ…死にそうで…」


「おいおい、あんたまで死にそうな声出してるじゃないか…少し休憩しないか?」

「いえ…大丈夫です…」


「にしてもこいつは酷いな?」

「おい!こいつら呼吸止まってる!助けてやれ!」

「心臓も止まってます!」

「おいおい、ここまでとは…」


パーティに参加していた人々が、口々に言う。


「俺もやるべきことがあるんでな。どうだ、助けられそうか?」

「もちろんさ。」

「目の前で人が死ぬなんて嫌だからな!」

「…あぁ、とにかく任せたぞ!」


そう言い残して二人は、パペットリリーサーの元へと向かう。




「さぁ!末端から!解放していきましょう!」

鋏はサンゲンの脚を狙う。

「ぐっ…しつこいのである!」

薙刀で男を切り裂く。

しかし男は意にも介さず、サンゲンの脚を狙う。

「この者…どうなっているのであるか?」

「まるで、闘争本能を剝き出しにした獣みたいです…!」


「逃がしません!」

鋏がサンゲンの右脚をついに捉えた。


「きましたっ!"神断"っ!」

「なっ!?」

しかし、鋏は肉体に止められる。

「ふっ、そんなナマクラで切れるとでも…」

「!?」

急激にサンゲンの右脚から力が抜ける。


サンゲンは体勢を大きく崩す。


「このままいってしまいましょう!次は左脚!"神断"っ!」

「そうはさせません!」

ハルトが横から一太刀を浴びせる。しかし男は止まらなかった。


「くぅ…!」

同じく左脚も、肉体では止めたものの、脱力してしまう。


「くそっ…動け…動くのである…!」

「さて、一人はもう動けませんね…ならば次はあなたです!」

男はハルトに飛び掛かり、斬りかかる。

「ぐっ…こんな乱雑な…動きに圧倒されるとは…」

「さぁ!さぁ!解放です!」


パペットリリーサーが距離を詰める。

狙いは右腕。迫る。


「さぁ!断たれなさい!"神断"!」

咄嗟にハルトは手を引くが、手首を切られてしまう。

「があっ!」

手から即座に力が抜ける。


「さて!武装解除!完了です!それでは脚を断たせていただきます!」

「くっ…」

ハルトは走ってその場から離脱しようとする。


「あれ?逃げるのですか?仕方ない、まずこの者を!完全な自由へ!」

「あっ…!」

男はサンゲンの首元に鋏を向ける。

「待って…」

「ぐぅ…」

這って逃げようと試みる。

「救いましょう!」


鈍い金属音が響く。

「させるかァ!」

ハントが飛び掛かり、大剣で鋏を弾き飛ばした。


「なんと!私の鋏が!」

鋏を取りに行く間に。

「一旦安全な場所に…」

「ありがとう、ハント君!しかし、なぜそのような体勢で…」

「飛んでってくれ!」

「いるのであああぁぁぁ…」


サンゲンは広場の方へと投げ飛ばされていった。

「ちょっと、ハント!?」

「仕方ねぇだろ、あいつはもう動けないんだ。許せ、サンゲン…」

「あんたねぇ…」


「だけど、もう容赦はしないよ。緑脈"不朽萌芽(イモータルグロウ)!"」

大木が男を固定する。

「ぐっ!しかし!切ってしまえばいいのです!」

男が鋏を使って大木を切ろうとする。しかし。

「なっ…」

大木は切れない。

「バカね。自然の力をなめないで。神経など無かろうと、存在し続けるのよ。」

「クソッ!クソッ!何なんですか!」

「じゃあ、終わりだ。」


「乱気脈、"壊奔剣"!」

剣が、パペットリリーサーの首元に向かってうねる。

「…!」


そうして、男の首を吹き飛ばした。

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