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11話/堕落した業

「いやぁ、来なかったらどうしようかと思ってたところだよ。」

「…。」

「あの者が業星…。」

「相変わらず、嫌な感じね…。」


「本当にありがとうねぇ。お友達も連れて来てくれてさ。」

「じゃ、ハルト君に伝えよう。今から私たちは殺し合いを行う。いいね?」

「…望むところである。貴様が元凶であるなら…!」

「ちょ、ちょっと待って、殺し合いって…。」

「…やるしかないなら。」


「良いね!いい返事だ。それじゃあ、始めよう。業に満ちた世界を。」




「星域よ、広まれ。全てを満たせ。」


業星がそう言うと、周囲の空間が湾曲して変化していく。

それはまるで…

「なんだ、これは…。」

「戦場、でしょうか…?」


数多の死体、満たす硝煙の臭い。


「うぅ…これは…。」

「かなり不快ね…。」


業星が銃を構える。いつの間にか服装も軍服のようなものに変化していた。

「業よ、その重さを以て、全てを貫け。」


業星が放った弾丸は、ハントに向かう。

「クソッ!」

ハントは大剣で弾丸を弾こうとする。しかし、弾丸は大剣を弾き、

ハントの肩を掠める。


「ハント君!」

サンゲンが薙刀を持って業星へと走る。しかし。


「…!?」


サンゲンの動きが止まる。


「何よこれ…!」


杖を構えていたローラの体も静止している。


「サンゲンさん、ローラさん!?」

「何なのだ、これは…。体が、動かぬ…!」

「あれーハルト君。獣を気遣ってる暇はあるの?」

「業弾。」


ハルトに向かって飛んだ弾丸は、ハントによって寸前の所で弾かれた。

「おっと、学習されてたか。」

「当たり前だ。断ち切る意思がお前の力には有効だってなァ!」

ハントは大剣を振るう。しかしその剣には、黒い"何か"が纏わりついている。


「"業壁"。」

完全に黒い障壁によって防がれる。


「くッ…!」

「今度はこっちからさ。"環業"。」

業星が弾丸を放つと、ハントを避け、大きく回転した軌道を取る。

「これは…?」

「ハントさん、避けてください!何かがおかしいです!」


「業は巡る。その間の何もかもを潰してでもね。」

円を描いた弾丸の軌道はだんだんと小さくなっていき、やがて空間を押し潰す。

ハントはその軌道からなんとか抜け出し、再び突撃した。


「オラァ!」

「無駄だっての。"業壁"。」


再び。完全に防がれる。


「クソッ…。何だってんだ。」

「悪いけど、グレイス君のそれと同じと思わない方がいい。」

「それに…。"気づいてる"よ。」


「クッ…。清水脈"絶痕"!」

息を潜めていたハルトが突撃する。しかし。


「輪業。」


業星は足元に二発。弾丸を撃ちこむ。

すると弾丸は影に沈み、再び実体を持って背後から襲い来る。

「がぁっ…!」

「業は巡る。避けられたと思わない方が良いよ?」


「ハルト!」

ハルトは背中から血を流す。

「大丈夫ですって、これしきの傷…!」


ハントは業星を睨む。

「てめェ…!」

「はは、怖い怖い。」


ハントとハルトは機会をうかがい、慎重に行動する。

「あれ?もっと来てよ、積極的にさぁ。」

「じゃなきゃ…。」


業星は隠れていたローラとサンゲンの方に銃口を向ける。

「この獣共を、殺しちゃうかもね?」

「…!」


「業を持たぬ獣共は、業に満ちたこの空間じゃ息さえ苦しいのさ。一体どうして抗えよう?」

「もちろん、獣共を見捨てるなら…」


ハントは業星の言葉を待たず突撃する。

「おっ、いいね!盛り上がって来た!」

業壁で防ぎながら、業星は言う。


「ま、喰らってやるつもりは毛頭ないけどね?」

「まだ!こっちです!」

側面からハルトが斬りかかる。しかし。


「"廻業"。」

ハントの正面から、黒い何かで構成された大剣が振り下ろされる。

また、ハルトの側面からもそれと同じ太刀が飛んで来る。

「うぉッ…!?」

「これは…ッ!」


「これは君たちが為した業だ。業は巡る。君がしてきたことも同様にね。」

「クソッ!」

「これらは君らと同じ"重さ"を持っている。防げても…弾けるかな?」


しかしハルトは、太刀を横に流して躱し、業星に斬りかかる。

「なっ…やるね。」

「磨いた技術を…今の一瞬の業如きが真似できるものか!」


しかし業星には傷一つ付かない。


「業は私の運命の相手さ。全て抱いて見せようか。」

「断ち切る意思を持ってなお…!」


「ま、最後まで立っていられるか、見ものだよ。」

業星はくすくすと笑う。

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