お宝
「…て…お…て…起きて!起きるにゃ!」
目を開ければ猫と鳥と獅子が心配そうにこちらを覗いている。どうやら血のあげすぎで気絶していたらしい。
「目を開けた…小夜!だいじょうぶにゃ?」
「うん。私は大丈夫…それよりミーニャ。モンスターは…?傷は?大丈夫なの?」
「とりあえず私は無事にゃ!ほら!おなかの傷もこの通り治ってるし…小夜のおかげにゃ!」
破け、ぼろぼろになっている衣服からは白くむっちとした肌が露出している。そこには先ほどまでのグロテスクなえぐれ痕はなく美しい肌だ。。どうやら賭けにかったようだ。
「よかったぁ…」
吸血鬼にするまでは想定通りだ。ただそこから私の血で傷を治せるかまでは未知の領域だった。これでしっぱ死していたらどうなっていたことやら…
いや、今は成功しているのだしそんなことはどうでもいいか。今はミーニャが生きていることに喜ぶとしよう。
「おめでとう。無事に仇はとれたんだね。それにミーニャが無事で何よりだよ。」
「まぁ小夜がいなかったら死んでるし…こちらこそありがとうにゃ!」
…そういえばボス素材はどうなったんだろう?小夜が攻略したんだろうし抱えているかな?
ダンジョン攻略祝いとして譲るのが一番かな?
「ミーニャ?ボスの素材とかもってる?それわたしいらないからあg」
「そ れ よ り も!この体!ちゃーんと説明してもらうにゃよ!」
「…そうだね。ミーニャにはちゃんと話すよ。私のこともこの種族のことも。」
それから私はミーニャに私が異世界人ということ。私が魔族である吸血鬼で、助けるために眷族にしてしまったこと。
「…にゃるどね。みゃーと同じくらいの年齢にしては強いとは思ってたけど…異世界人だったにゃね。それなら納得できるにゃ。
「こんなはなし信じるんだ。異世界とか...」
「見たことはないだけで存在は知ってるしね。割と有名だよ異世界人。」
「え?そうなの?」
ミーニャによると国が戦力として異世界から人を呼ぶことがあるそうだ。そう言って呼ばれてきた者たち勇者や英雄とよぶそう。この国にも数人いるそうだ。
異世界人か…ぜひ会って話をしてみたいな。
「まぁどっちかというと吸血鬼の方がおどきだにゃ。おとぎ話の種族が実在するなんて…」
「おとぎ話?」
どうやらこの世界に吸血鬼という種族は存在しないらしい。物語の中にある種族として言葉はあるものの実際にはないものとして扱われているそうだ。しかも吸血鬼は世間的に魔族とは呼ばれていないらしい。
物語では悪役だったりお姫様だったりといろいろあるらしいが魔族という話はみたことがないみたい。最初にあったあのおじさんの言ってたことがまちがってたのかな?まぁともかくこれからは種族がばれて国をおわれるみたいなことにはならなくなるみたいだしいいか。まぁばれたらばれたで大変だからこれからも隠していくんだけどね。
「まぁ私が説明できるのはこれだけかな。…一応ごめん。ミーニャの意見も聞かずに勝手に種族変えちゃって…」
「しかたがないにゃ。変えてもらってなかっら死んでるし…ここで起こるほど恩知らずじゃ無いにゃよ?」
「…ありがと。」
やっぱりすこし気まずいな…私がしたことは救命行動ではあるけど本質は人体改造だからなぁ…後でもう一度謝ろう。
「それじゃぁ帰ろう。ダンジョン攻略の報告をしに。」
「そうにゃね。これでやっと終わる…ってまだ駄目にゃ!大切なことが残ってるにゃよ!」
「大切なこと?」
ダンジョンはクリアしたしマッピングも済んだ。何か忘れものでもしてるかな?…なにも落ちてないし。もうこのダンジョンでやることは終わったくないか?
「宝部屋にゃ!ボスを倒したんだし宝部屋がでたんだにゃ!」
「あぁ…あったねそんなの。」
「一番の醍醐味をそんな風に…」
醍醐味っていっても、そもそもこのダンジョンお宝目的で来てないしなぁ。それに前回のダンジョンはお宝なかったしどんなもんかもわからんからなぁ。いいのもらえるのかな?
そもそも何がもらえるんだ?
「あ!あれにゃ!あの扉…さっきまで中たつぃ間違いないにゃ!ほらいくにゃよ!」
「あ…ちょっと!」
ミーニャにひっぱられ部屋の隅へと向かう。そこには確かに不自然な両開きの扉が設置して立った。
「…うん。罠はないにゃね。ここが宝部屋確定にゃ!」
…なにを根拠に罠がないといったのだろう?私の眼にはただ見たようにしか見えたかったけど…ん?
「ねぇミーニャ。ミーニャの左目ってそんな緑色だったっけ?」
「左目…?多分もらったスキルの影響かにゃ?『精霊の眼』っていうスキルを左目にもらったしたぶんそれにゃね。」
あー私が最初に持ってたスキル。吸血鬼になったしもらったのか。確かにあれなら見ただけで罠の判断とかできるだろうしね。納得納得。
「ほらそんなことはどうでもいいにゃ!開けるにゃよ!」
「うん。ミーニャが開けていいよ。」
「じゃぁお言葉に甘えて…ドアを開けるにゃ!おりゃぁ!」
・・・・・
「おー…ちょっと舐めてたかも。これは確かにすごいわ。」
二畳ほどの小さな部屋だがインパクトは抜群だ。一層強く輝く結晶が壁におなっており床には金塊や魔石みたいなもの。中央には宝箱的なものまで置いてあり実に宝部屋らしさをかんじる。みるだけで億万長者になれそうな光景だ。
たしかにこれはテンションが上がるね。
「ね?すごいでしょ。これこそが冒険者の本質!ロマンにゃ!」
「うん。すごいね。ところでこの宝箱は何が入ってるの?」
『条件を満たしました。EXスキル「鏡の化粧箱」を入手しました。』
えくすとらスキル?初めて聞いたな。ユニークや固有とも違う…初めて聞いたな。
「ねぇみーny「小夜?えくすとらスキルって知らないにゃ?」…」
もしかしてこれミーニャも取得できたやつなのかな?片方だけゲットってのは納得いかなかったしよかったけど…結局EXスキルって何だったんだ?
「私も知らないんだよね。わかんないけど何かすごいスキルなんじゃないかな?」
「そっか…小夜がわからないなら私もわからないにゃね。後で試してみようにゃ。」
「そうだね。」
よくわからなかったがクリア報酬のスキルと財宝はもらった。今度こそ残すことはないだろう。
黒いドアのようなものを潜りダンジョンの外へと向かう。私はこういう形でダンジョンを出たことがないからはじめてかな?どんなかんじでいけるんだろう…
なんかものすごい装置とか魔法の感覚とあったらないいな。…って
「眩し…」
移動の方法についてわくわくしていたがもう終わっていたらしい。おそらくテレポート的な何かで移動したのか私目の前には光がさしていた。
ひさしく見ていなかった陽の光が眩しく輝く。あたりを見渡すと見覚えのある場所だった。王都の冒険者ギルド。底の少し間へにあった噴水の広場に帰りのゲートが作成されたらしい。
この帰りのゲートというのはど〇でもドアの出口専用版みたいなもので、ダンジョンをクリアすると最も近い都市に生成されるものらしい。どういう原理で都市などを探し作られているかはわからないがダンジョン特有のもののようだ。
無から出てきた私たちに驚いているのか周りが騒がしいし…これって…
「ねぇミーニャ?なんか変じゃない?その…周りが…」
「そんないにゃよ。この門はダンジョンクリアの証!そこから出てきた冒険者がいたら大騒ぎになってもそれが普通だにゃ!」
「いや大騒ぎってか…なんか私たちをぐるーって囲むようにさ、冒険者がいるじゃん?」
いわれて気づいたのだろう。周囲をきょろきょろしだしうっかりしていた、とでも言いたそうな顔でうなずき始めた。
「確かにこれは変にゃね。まるでモンスターを囲むような感じにゃ。私たちが逃げないように。」
「だよねー…私たちなんかやっちゃいましたかね?」
そんな考えを思い浮かべていれば何やら人込みをかき分け一人の男性がこちらに近づいてくる。
あれは確か…ここのギルドマスターだったかな?
前話したときはいい人そうだったし私たちをどうこうする気はないんじゃないか?ほら!やさしい顔…してないな。
「君たちがゲートから出てきたという冒険者か。『盗猫』とお前は…まぁいい。ついてこい。何があったのか詳しく説明してもらおう。」
なんか雰囲気ちがくない?怖くない!?
そんなところで、やさしそうな好青年な印象とは違い鬼のような表情のギルマスにつれていかれたのであった。




