E2:暗闇の底で
e2がミーニャ視点です。
「んにゃぁぁぁ死ぬにゃぁぁ!!」
とてつもない落下間に思わず叫びだす。…叫んだらちょっと落ち着いたな。…はぁ…私、ここで死ぬのかぁ…
失敗したなぁ…ワイバーンなんて羽音をよく聞いて入れば絶対分かったのに。なんであの時きちんと聞いてなかったのかなぁ…
結局最後まで小夜には迷惑かけたなぁ…助けられてばっかりで……私がやらなきゃいけないのに、私がダンジョンを踏破しなくちゃいけないのに。
なのに私がいつも足を引っ張って…最後の最後まで迷惑かけたなぁ……
そういえば小夜大丈夫かな?最後ものすごい音がしたけど無事かな……?
まぁ小夜のことだしきっと大丈夫だよなぁ…だって小夜強いし…
いいなぁ…私もあんなに強くなれたらなぁ…このダンジョンだって攻略できたのに。うらやましいなぁ…
いや、あっても無理か。小夜がいなかったらきっといつまでたってもダンジョンに足を踏み入れなかった気がする。だって怖くてしょうがないもん。でもやらなきゃってそう思って…
ある意味こうやってダンジョンで死ねるのも悪くはないか。パパとママと一緒に…
違う。そんなのはヤダ。生きたい。死にたくない。敵を取りたい。まだやることだってたくさん!まだ生きなきゃ…
死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。
「生きなきゃ…あがかなきゃ!」
私に足りないのは気持ちだ。あがく勇気。あきらめない勇気。私になくて小夜にはあるもの。それは前に進む心。勇気だ。
「まだ、死ねない!魔装!焔獅子!」
赤き焔が身を包む。細い腕は焔の義手に。黒いブーツは焔が渦巻き、赤に染まる。真っ黒の髪は一束の深紅が混ざり入る。
「焔鍵爪!止まるにゃぁ!!!」
拳の炎を爪状に変形させ、壁に突き刺す。
「んにゃ゛」
途轍もない衝撃が腕を襲う。すぐにでも腕がもげそうな感覚だ。
「死んでたまるかぁぁ!」
諦めない意思が腕を支える。絶対に生きて見せる。そう覚悟した時だった。
辛かった感覚型ふと無くなる。落下による浮遊感も風の音も途端に消え失せた。
「助かった…にゃ?」
確かに落下を防ぐために爪を突き立て速度を減らしていた。でもこの止まり方は不自然だ。止まる直前までまだ速度はあったはず、まるで何かに引っかかったような…
「違うこれは…!」
恐る恐る壁に突き刺していた爪を引き抜く。足場のないこの空中でそんなことをすれば物理法則にしたがいまず落ちるだろう。だがそうはならない。疑問が確信へと塗り替わる。抱いていた安堵が恐怖と焦燥へと入れ替わる。
「糸…ここは巣にゃ!」
爪の焔に照らされ白い線がうっすらと光る。その線は自分を取り囲むように広く、放射上に延びていた。
「どうするにゃぁこれ…下手に動いて主にばれるのも面倒だし…いっそ燃やすのが楽かなにゃぁ?」
やつらは糸にかかった獲物を揺れで判断するらしいし動かなければしばらくは安全だろう。多分。
…どうしようか?糸を焼き切っても良いけどそれ打と落ちるよね?一番小夜が来てくれるまで待つことだけど…
「そんなんじゃだめニャね。なんとかしないと…」
どうするのがいいかにゃ?この糸燃やすにゃ?壁に爪を突き立てれば落下は無いと思うけど…
…にゃ?
何か聞こえるにゃね…叫び声?....近づいてくる来てるにゃこれ…
「ガャァァ!」
「なんだと思えばお前かにゃ…」
叫びながら落ちてきたのはさっきまで戦っていたワイバーンだった。ところどころ羽が裂けていてどうやら飛べないようだ。
こんな状態でもあるどうにか飛び立とうと体をよじり激しく動いている。...激しく動いてる!?
「あ、馬鹿!動くにゃ!気づかれるにゃ!」
当たり前だがそんな言葉は魔物に伝わらない。魔物は本能のままに行動する。一見考えている行動をしていても実際に思考をしているわけではない。一部の魔物を除いては。
罠にかかって逃げようとする当たり前の本能は誰にも止められない。
まずいにゃね…このままだと見つかる。。この不利な場所での戦闘はさすがに避けたいにゃね…こうなったらこの魔物を先n
?…何か顔に液体のようなものがついたにゃね。それも生暖かい液体が。…さっきまで暴れていたワイバーンはどこに行った?さっきまで確かに暴れていた。だが今は何もなかったかのようにし静かだ。いや、完全な沈黙ではないな。頭上から微かに咀嚼音がする。…いやな感じにゃね。ものすごーく上を見たくにゃいにゃね。
「にゃー…アプカーネ系統だとは思ってたけど…ここまでの大物とは聞いてないにゃね…」
私の頭上でもしゃもしゃしているのはまごうことなき蜘蛛だ。暗くてよくわからないが何か羽のようなものが口から飛び出している…
うん。とりあえず離脱だな。
自分の体を支えていた糸に焔をまき散らす。足元の糸がなくなり落下し始めるがそこは対策済み。爪を壁に突き刺し落ちないように自分の体を固定する。
一度ついた火は瞬く間に燃えひろがりあたりを照らす。燃え広がった炎は蜘蛛の足元まで広がりその糸が燃え尽きた。
「お前はみゃーみたいに落下対策してるかにゃ?高所に住んでいるんだからそれぐらい対策しなきゃね。」
このまま落ちてくれないかなと口にしてみたがそんなことにはならない。足場がなくなったと途端に壁へと糸を射出し、とびかかって見せた。
「…さすがに対策済みかにゃ。ただそんな巨体で攻撃はよけられるかにゃ!」
寄りかかっていた壁をけり蜘蛛のもとへと肉壁する。
「重撃!」
格闘スキル『重撃』 効果はシンプル。打撃の威力を増すスキルだ。これを使えばある程度の防御を貫通し、なおかつダメージも二倍くらいになる。シンプルながらも使いやすいスキルだ。
「蜘蛛系の魔物の耐久力ならこいつ一撃で!…にゃぁ?その図体でそんなに動けるのかにゃ!」
決して遅くないはずの攻撃を瞬時に回避して見せた。というかこんな細い足場でこんなにすばやいうごきができるのか…
よけられたのならもう一度…『重撃』!
糸を踏み台にして再度とびかかる。さっきと同じ要領で足場を焼き、蜘蛛糸の粘性を無力化する。
「!?これもよけるのかにゃ…たまたまじゃない。こいつ…早いにゃ。」
二度もよけられたってことは今後も当たらにゃいだろうなぁ
何か確実に攻撃を当てれる隙が欲しいにゃね。
先日を練りながら蜘蛛の吐く糸を回避する。さっきみたいに詰めてこないのかにゃ?
拳士で作れる隙…あるかにゃ?そんなの…私がもし魔術師ならきっと隙なんて作り放題にゃんだけどなぁ。
…またこれにゃ。自分の境遇をいつも信じてない。いつも自分の持っていないものに焦がれて自分を見ない。進めないことをいつも何かのせいにして…それじゃだめだ。自分に自信を持たなきゃ。
「前に進むんだ。」
私は剣士のように切り裂くことはできない。私は魔導士のように魔術を打つことはできない。ただ一撃を、どんなに厚い装甲も貫く一撃を、それが私拳士だから!
焔であたり一面の糸を焼き払う。立っている足場がなくなるのを感じたのか奴はいつものようにまた糸を壁へと射出した。
そう、この瞬間を待っていた!足場を焼き払えば落下しないよう奴は糸を射出する。足場もない動けもしないその瞬間なら狙える!
「焔の重撃!」
蜘蛛特有のぶよぶよした腹に強烈な一撃が叩き込まれる。その衝撃は深く重く。蜘蛛の体内を駆け回りやがて全身に達するそのころには爪を残しすべてが灰となって消えていった。
「どんなもんにゃ!後は爪を刺して降りてくだけ…あれ?壁際じゃ無いにゃね。ここ…」
「にゃぁぁ!落ちるにゃぁあ!」
「なにか?壁は?足場は?せっかく倒したのに死ぬのはいやにゃぁ!!っぶにゃ!」
体が浮遊感に囲まれる。それと同時に感じるのは猛烈な冷たさ…これは水中?
真っ暗で何も見えない中を上へ上へと昇っていく。
因みにミーニャの年齢は小夜の2つしたです。




