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最悪な展開

あけましておめでとうございます。


「ミーニャ!」


 戦闘終わりの余韻に浸ることなく一直線に大きな結晶へと向かう。


 結晶か元凶を倒しても回復しない…吸魔なら…?


 そう考え試してみるも失敗。今まで見たいに結晶がきれいに消える様子もなければ何かが起こった様子もない。


「効果がない?それなら周りの結晶を!」


 周囲の結晶を引きはがそうと攻撃するがこれもうまく行かない。全力で斬りつけているのにつくのは多少の傷だけ。この調子じゃいくらやっても助けられない!

 そう考えても引き下がれない。絶対にあきらめない。意味もない吸魔を、意味のない攻撃を、何度も何度も叩きつけた。


 どれくらいそれを行っていたかは分からない。あんなにあった剣の耐久値ももうすぐ底を突く。そんな時だった。


「!?」


 叩き続けていた表面にひびが入っていた。それも大きなひびが。そのひびがだんだんと広がっていきやがて結晶全体を覆いつくす。そんな結晶に思い切り攻撃を出す。吸魔や血斬今あるありったけだ。


「ハァァ!!」


 轟音。硬いものがぶつかり合ったような激しい音が部屋一面を埋め尽くす。そんな音の後にものが激しく飛び散る元も響き渡る。



「ミーニャ!」


 目を開けない?それに息は?脈は?間に合わかった?遅かった?死んで…いやだ、そんなの、だって。


 「大丈夫生きてるにゃよ...」


 よく見ればミーニャが目を開けてこちらを見ている。脈もある。呼吸もしている。生きている。

 

「あ、...よかったぁ...」


 方の、全身のちからがすっと抜ける気がした。


「ありがとにゃ。...助けてくれて…」

「お礼なんて良いよ。私たち仲間でしょ?助けるなんて当たり前。」

「当たり前…にゃね」


 ...

 沈黙がつらい。助かったのはうれしいけどなんて声かければいいか分んないや。



 「その剣なんかすごいことになってるにゃね。」


 すごいこと。...確かに見た目すごいな。


 もともとは包丁より少し大きいサイズだった武器は今ではショートソード並みのサイズになっており、刃もキラキラと輝く結晶だ。おまけにうっすらと光る靄が出ているとくればただ事ではないように見えるだろう。


「でももう使えなくなっちゃうんだよね。チャージしてた魔力がなくなったら本当に刃がなくなる。地上に出てまた修理かな…」


「そのちゃーじというのはどうやるのにゃ?」

「魔力があるものを吸魔で吸い取るとストックできるんだ。でももうすぐ吸魔を使う刃すらなくなっちゃう。」

「にゃるほどね。...」


 何かが出てこない。そんな表情でミーニャが唸っている。あまり考え事をする姿は見たことがなかったな。



「その剣の素材って鉄とかミスリルにできないのかニャ?ようは魔力があればいけるんにゃよね?」

「それで何か別の刃を作ることはできないんだニャ?」


別の刃…確かに魔力を含むものを刃にできるならできるだろうけど…試してみる価値はあるな。


 「プロード?申し訳ないんだけど蜘蛛の爪出してくれる?」

 「クェ!」


この剣の素材に使ってるこの素材。これならもう一度刃を作り出せるんじゃないかな?


 手に持った素材に魔力を流しそんな思考を巡らせる。一分ほど魔力を流し込み、刃のなくなった剣を当て『吸魔』を発動する。

 

 さてと、成功するかなぁ?ってあれ?素材どこ行った?落とした?もしかして失敗した?…………

あ、違うや成功してる。スキル欄にもちゃんと魔鋼:500 ってか書いてあるわ。……だとしたら吸収早!まぁいいか。試そー。


「生成:魔鋼(純度中)」


 先ほどと同じように生成のスキルを使用する。

剣の塚から液体のような何かがはい出てくる。その形はやがてまとまり1つの形へと変わる。


「……少し大きくなったかな?」


 さっきぶりの短剣だが少し、ほんの少し大きくなった気がする。気のせいレベルだけどね。

 どれどれ……OK毎秒耐久地の減少とかもないし無事に使えそうだね。

 

「おーほんとに治ったにゃ!すごいにゃね。」

「ねー。」


 

こんな武器を作ってくれたガウスさんには感謝しないと。もしまたあの町に戻ったら一番に行くところだね。


「おまたせミーニャ。先へ進もうか。」


 部屋の奥に見える階段。二層のへ入り口を見て、そう声をかける。


「うわーした見えないねこれ…」


 見えていた階段はらせん構造になっているようで真ん中の穴からは二階の景色が見えるのが普通なのだろうが、この螺旋階段まったくそこがうかがえない。底が見えない構造になっているわけでもなく単純に高さがすごいのだ。一体何階分あるんだこれ…


「罠があるかもしれないから気を付けて下るよ。」

「そうにゃね。」

 

 さぁ螺旋階段いざ下らん!



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 

 

 「階段長すぎでしょ…」

「同感にゃー」

 

 螺旋階段を下りて5分ほどが経過したがいまだにしたが見える感じもなくだたひたすらに名がい螺旋階段を下らされている。


「これどこまで続くんだ?」


 そんなことをつぶやきながら長い螺旋階段を下っていく………


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



 

「やっと着いた!!!!」

「長かったニャー…足へとへとにゃ。」


 階段を降り始めてから15分ほどたち、ようやく螺旋階段の終着点へとたどり着くことができた。足パンパンだよもう!ここからが本番なのに…



 「ここが2層……!」


 見渡す限り壁の無い。巨大空間。一層のまっすぐな道とは違う大きな空間だ。水晶というよりも岩が多く洞窟に近い。


「随分と広いにゃね……一層のほうがまだましかもにゃ……」


 そうだね。一層のほうが楽かなぁ。... ここはさっきまでと違って広大だ。進む景色に飽きることもなければ進んだ実感のない徒労感なども発生しないだろう。探索が奥深く、ゲームだったら人に好かれるタイプだ。だけど今の状況では最悪だ。こちらは食料と武装という限界がある。食料のほうはともかく武器はどうにもならない。どんなものにも耐久値があり、それが0になったら破壊される。帰れない、整備できない、それしかない。そんな状況の中での探索は非常にまずいな。


 それに私たちの命は1つだけ。こんなバカ広い所をしらみつぶしに探索していれば命がいくつあっても足りない。


「でも行くしかないよなぁ……」


しかし暗いなぁ……暗視なかったらこのダンジョン詰んでないかぁ?


 一層は壁の水晶がLED並みに光っていて全く感じなかったのだが、水晶が少なく明かりがほとんどないこの場所では光がないダンジョン内にいるのだと思い出させて来る。


「あれ?そういえば暗いって感想が出ないけどミーニャって暗視系のスキルを持ってるの?」

「当たり前にゃよ。獣人はどんな種族でも基本的に夜目が効くにゃ。常識にゃよ?」


 なぜそんなことを聞くのかと言いたげに、心底不思議な顔でそう答えてくれた。この世界ではそれが当たり前らしい。


「今何か音がしたにゃ!」


 ミーニャが曹宇言い切り辺りを警戒し始める。私には聞こえなかったけど何かいるのだろう。


「お前かい!!」


 土の中からもぞもぞと出てきたのはモグラのような何か。とげとげの体にアルマジロみたいなボディー。に泥見たくなかった自爆ネズミだ。


「知ってるにゃ?あんな魔物初めて見たにゃ。」

「あれはね…魔法が効かない上にとげ一本一本が爆薬でできたクソ魔物だよ。」

「小夜の目が死んでるにゃ……」


 あのモグラもどき本当にクソだったよなぁ……魔法効かない時点でしんどいのに接近したら硬いわ爆発するわで散々だったなぁ。...

いや?今なら精霊魔法で何とかなるのか。なら安心……そうだったわ、ここ魔法打てないやぁ。...

 まぁ今なら何とかなるか。


 魔力をいつもより多めに使い形成する。作る形は長い棒。自分の身長より大きな棒で先は刃になっている。


「槍にゃ?」

「うん。あれと戦うにはこの武器が一番強いかな。見てて」


 地面から完全にはい出てこちらを警戒しているネズミに向けてナイフを投擲する。攻撃が着たことを察知したのか体を丸めとげを外に強く突き出し始めた。この状態なら私の攻撃をよけられまい。


 丸まっている状態のネズミに向けて手に持っている槍を1つきする。ハリに触れて周囲が爆ぜるが、私たちは無傷。一方串刺しにされたハリネズミはチリとなって消えた。

 やっぱり槍が一番楽に仕留められるね。お、針落とした。これドロップするんだぁ...


「あっけなく倒したにゃね。」

「武器がよかっただけだよ。近接だったら一時間はかかってたね。」

「それじゃ、前にすすも!」

「了解にゃ!」



その後大体一時間ぐらい探索したがボス部屋、宝箱があるわけでなくこんな感じの洞窟がずっとつづいている感じだった。


この世界のダンジョンモンスター少なすぎやしない?なんで一時間も歩き回ってるのに一匹も遭遇しないんだよ。。。外のほうが遭遇しやすいって。だいたいダンジョンってなんだよ。

 ゲームとかならそういうおんだって理解できるけどリアル思考で考えたらなんなんだろう?遺跡?遺跡だったらなんで宝箱とかあるんだろ。。。スキルもしかりダンジョンもしかり、物語とかゲームの中みたいだよね、この世界めちゃくちゃ今更だけど。それにs


「ふぇ!?」


 歩くために踏みつけた足が空ぶる。その直後に感じる浮遊感。慌てて下を見てみれば足場がボロボロと崩れて穴だらけになっている。

 

 崩落トラップ?そんなこてこてな…『空歩』!何もない空中に魔力で足場を作成する。慌てなければ穴なんて大したことはないのだ。今の私に戦えないフィールドなんてない!まぁ勝てるとは言ってないけど…


「小夜?大丈夫にゃ?」

「うん。大丈夫。ミーニャこそここら辺穴だらけだから気を付けてね?」



私だから問題ないけどミーニャだったら危険だ。落ちたら助けられないからね。


「大丈夫にゃ、小夜ほど足元を見てないわけじゃににゃよ?」

「…私が見てないって言いたいの?」

「にゃ。」


 頷くな!確かに足元見てなかったのは事実だけど…まぁここ暗いしー

 !?魔力!?


「小夜!」

「大丈夫。わかってる。」


 周囲から発せられる魔力とはまた違う魔力、それも動いている。どうやら魔力による探知ができないのは一層だけらしい。

  ここから6mほど離れたあたりにそいつらは浮いていた。プテラノドンのような外見にところこど生えている結晶。

 

 ミストワイバーン…前にあったやつと別種か。こちらには気づいていないみたいだけど。...あ。

 たまたまだろうか?振り向いたワイバーンの一匹と目が合ってしまった。いやここ暗闇だし相手が見えていないせんも...って危ない!


 暗闇の中では異様な白い光線が私の真横を通りすぎる。髪先焦げた気がするわ...


「んー戦闘開始!」


 

 

ワイバーンはこちらに近ずいて来る気はないらしい。5~6mの距離を保ちながら定期的にこちらにブレスをはいてくる。...この世界のワイバーンってどっちかっというとドラゴンだよね。

 幸いブレスの速度はそこまで早くない。それに連続して打てないのか5秒ほどの間を開けてはなってくる。そのペースならよけられるし近づける!

 二つの光線をよけたタイミングで前に出る。ただ近ずくだけじゃ、敵の高さ敵に届かない。それに真下に言ってから上部へ行こうとすればブレスにやられる。順当にいけば完璧な間合いなんだろうけど私にとっては簡単だ。()()で8m、まっすぐに敵へ向かえばいい。


 足を宙に踏み込み、空をかける。私にとって空中は地面と変わらない。空中をかけワイバーンの元へと急接近する。ワイバーンもまさか空をかけて来るとは思わないのか無防備に動かないままだ。そんな状況の一体の首を断ち切る。もう一体も!



「にゃ゛」

「?ミーニャ!?」


 後ろを振り返ればワイバーンがもう二体、それにミーニャの立っている足場がブレスで崩されたようだ。

 今にも崩れそうなが下のふちにしがみついている。


 ミーニャがまずい!振りかぶっていたナイフを持ち直しワイバーンに背を向ける。それと同時に魔力の壁を作りだし、それを蹴って元の場所へと駆け抜ける。

 

「いま助け…ッチ、邪魔しないで!」

 

 駆け寄ろうとするがそうさせてくれない。背を向けた途端に動き出し爪を使い襲い掛かってきた。

 魔力で接近してきた事は分かっていたので、振り向いて剣で爪の軌道をそらす。渾身の攻撃が失敗し空中で無防備になったワイバーンの体を切断する。

 

 まずは一匹。落ち着いていれば対処はできる。だけど落ち着いてなんかいられない!


「邪魔だぁぁ!!」


 焦りに身を任せて体を突き動かす。発動する魔法は『闇黒矢』。投げやりに放った魔法は当然暴発し辺りが爆ぜる。もちろん放った私もただでは済まないがそれはワイバーンたちも同じ。なんなら私のほうが被害は軽傷だ。

 ちょっと前からうすうす感じていたのだが私にはおそらく闇属性に対して耐性がある。ステータスには記載がないけどね。私もボロボロだがこれで邪魔な奴は仕留めた。

 自傷なんて知らない!今度こそ守り切る!

 

「捕まえて!『血鎖』(ブラッドチェーン)


 落ちていくミーニャに向けて『血鎖』を放つ。鎖が宙を移動し落ちていく体をつかむその直前で、霧散した。理由は自分が一番よくわかってる、制御が最後の最後で失敗した。魔法の暴発で仕留めていたと思っていた奴がまだ生きていたのだ。

 失敗した理由であるワイバーンに気を張りつつ、さらに身を投げ出してもう一度引き上げよう。などと思考を巡らしていたが結果的には実行することはなかった。できなかった。

 

 ワイバーンを消すために放った魔法の余波で天井が崩れ落ちてきていたようだ。飛び込む姿勢で地を伏せていた私には当然よけられるはずもなく意識は遠のいていく。あぁすればよかった。うまく立ち回れたはずだ。そう後悔の念を唱えながら。






 

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