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オーダーメイド


 「アプカーネの爪に最上級の魔石。なかなかいい素材じゃねぇか。これなら相当いい剣が作れるぜ」


「本当ですか?ありがとうございます!」


「あぁ。まぁそれはいいんだが嬢ちゃんの鳥…すごいな。」


「あはは。アリガトウゴザイマス。」

 まさかプロードが空間魔法を覚えてるとは思わなかった...というかいつの間にあんな大量のガラクタ集めたんだ?まぁそこはいいとして、空間魔法の持ち主はこの世界だと貴重という話を資料で読んだ。それなのに空間魔法を、しかも空間収納という高レベルの魔法を使える人がいたら?あまつさえそれを扱うのがただの使い魔だったら?狙われるにきまってる。

 この子も私と同じようにステータスを見られちゃだめだな。今度からきをつけなきゃ。

 


「それで話は武器に戻るんだが…武器の作成には大体1週間くらいかかるんだ。嬢ちゃん予定があるんだろ?だから三日で仕上げてやる。もちろん最高の品質でだ。」


「4日も減らせるんですか…?ぜひお願いしたいです!」


「ハハハ。ありがとよ。それじゃぁ3日後店に取りに来てくれ。」


「わかりました。ありがとうございます。あのその…店主さん!」


「あぁそういえば名乗ってなかったね。ガウスだ嬢ちゃん」


「あ...小夜ですガウスさん!ありがとうございます!」


 ガウスさんにお礼を言い私はお店の外へ出た。私だけの剣かぁ。楽しみだなぁ。

 それにしても三日かぁ、それまでに旅の準備をしなくちゃね。服とか着替えとか食料とか。あとは移動手段とかもか。話によればここから歩くと二週間はかかるみたいだし何か乗り物があるといいんだけどなぁ。


 何かいい方法がないかクリスさんに聞いてみるか。

 


「で、僕に聞きに来たってわけかい?」


「はい。」


「はぁ...あのねぇ僕だって忙しんだよ?相談があるって聞いてみればそんなくだらないことって…ちょっと酷いんじゃない?」


「くだらなくないですよ!死活問題です!」


「そんなこと言われてもねぇ…あれ?そういえば…」


 そういって何やら山積みになっている書類を漁り始めると「あった!」と言いながら何やら紙を一枚取り出した。依頼書?かな?


「王都まで依頼主と馬車と荷物を守る依頼。日にちは3日後。報酬は少ないし、時間はかかるで人気がなくてねぇ。それに本来君のランクでは受けられない依頼だ。」

「だけど君はダンジョンの攻略者。実力はあるし僕の推薦で受けさせてあげるよ。どうだい?」


 王都までの護衛依頼?つまり馬車で移動できるってこと?最高じゃん!お金だって今すぐに困るほどでもないし。今の私にはちょうどいい条件だ。


「受けます!その依頼!ぜひ!」


「じゃぁ手続きは僕のほうでやっとくから四日後の昼前、ギルド前にきてね。はいこれ依頼書。」


 これで王都までの足ができた。あと用意するのは服や道具類だな。特に衣類。

 今の私の恰好って無地のTシャツに無地の短パン。うごきやすいけど個人的にはもうちょっとちゃんとした服が欲しいな。こんな布切れ一枚の紙装甲はさすがに危ない。魔物素材とかの防御力がある服がいいな。

 そういう服って防具屋的なところに行けばいいのかな?それとも普通の服屋?ゲームとかだったら大体一緒のところで買えるけど実際はどうなんだろうか?まぁどっちにも行ってよさそうなものを見つけたら買うことにしよう。今の所持金はそこそこあるし、よほどの高級品でない限り買えるはずだ。



 てなわけで衣類を買いそろえてきました!いやー大変だった。いろんなお店を回ったけど大体が男ものばっかりで私のサイズに合うものがなかなかなかったよ。あ、あれね。魔物素材の装備として使える服がなかったってことね。普通の服だったらもちろんたくさん売ってたよ。

 まぁそんなわけでお店に服はなかった。え?ならどうやって買ったんだって?

ふふふ、ないなら作ればいいのさ!装備も武器と同じようにオーダーメイドで作ってもらったんだよ!まぁ服の素材集めや条件として吞んだ服のモデルとかで3日もかかっちゃったけどね。


 まぁ苦労のおかげで銀貨200枚で相当性能のいい装備を作ってもらったんだ。ラッキーラッキー。それでは早速私のnew装備に着替えるとしよう。


「プロード!服出してー」


「クエ!」


 そうそうプロードの空間魔法はきちんと使うことにしました。荷物をいっぱい持ってると戦闘時に邪魔になるからね。人前で使っても私が使ったってことにすればいいしね。下手に隠すよりもいっそ堂々と使う方がばれないと思うし。


 以上プロードの話終わり!さぁお待ちかねのお着換えタイムだ!着替えシーンはもちろん見せないぞ!ちなみにどんな見た目かというと、上は白を基調としたデザインで胸と肩によくわからん鉱石の装甲がついていて、下は黒のスカート、靴は皮?のロングブーツで赤い宝石?魔石?の透明物と金属の装飾が入っている。ところどころにフリルやレースが入っていてシンプルながらもかわいらしいデザインだ。

 それにこんな見た目だけど生地は魔物の素材でできていて鉄のフルプレートよりも防御力が高い。らしい。まぁ実戦で試してもいないフルプレートなんて見たこともないから実際はわかんないけどね。


 まぁなんにしろ前のTシャツと短パンよりは見た目も防御力も良い代物だ。性能は一応こんな感じ。

 

白夜(びゃくよ)の装束 

 防御力100 耐久力3000

〈スキル〉 自動洗浄 自動回復 自動採寸 状態異常耐性強化(小)』

『白夜のスカート

 防御力50 耐久力3000

〈スキル〉 自動洗浄 自動回復 自動採寸 魔術耐性強化(小)』

『白夜のブーツ

 防御力80 耐久力5000

 〈スキル〉 自動洗浄 自動回復 自動採寸 物理耐性強化(小)』


 なんかゲームにあるセット装備みたいだね。自動洗浄は勝手に服がきれいになるっていうスキル。自動回復っていうのが装備の耐久値が勝手に回復するらしい。ただ回復するのはあくまで耐久値で破損とかは治らないそう。自動採寸はその名の通り私の体形や身長、サイズに合わせて服が勝手に伸び縮みするというスキルだ。地球でもあったら便利だろうなぁこのスキル。ちょっとたべすぎてふとっちゃって、着られなくなった服、お父さんに勝手に洗濯されて縮んだ服…そういうのが全部着れるようになるんだもんなぁ。

 んで最後がそれぞれ自分の耐性を強化するスキルだね。おまけ程度の効果しかないそう。

 まぁこんな感じだね。服も無事買えたことだし肝心の武器を取りに行くとしよう。


 と、いうわけでやってきたのはーじゃん!ガウスさんの鍛冶屋!さぁさぁ私の武器出来上がってるのかな?

「お邪魔します!」


「おう小夜ちゃん。いらっしゃい!」


「ガウスさん!武器は?」

 

「おうばっちり完成したぜ。こいつが嬢ちゃんだけの武器。名は『紅月』だ。」


 渡された武器は包丁より少し大きめで刀身が若干赤身を帯びている美しい短剣だ。見た目もそうだが一目見てわかるほどの強大な魔力を帯びている。まるで魔法が武器になったみたいだ。


「わしの生涯で一番の傑作だ。素材もよかったし何より核となる魔石と素材になった爪の相性が抜群に良かった。ここまでよかったのは初めて見るよ。」



『紅月 

  攻撃力100 耐久力5000  魔力伝達度A⁻

〈スキル〉 吸魔 魔法伝達 自動回復EX』


 これが私の、私だけの武器…なんだろにやにやしてきた。へへへ。

 ダンジョンで苦労して手に入れた素材だしめちゃくちゃ達成感があるな。

今からでも試し切りに行きたい…この()を使ってみたい!


「ガウスさんありがとうございました!」

「最初に来た時も今もずっと感謝してます。またいつか来ますから!」


「あぁ嬢ちゃんこそ王都でも頑張ってな!」


「はい!」


私はそう元気に返事をしお店を後にした。私の武器屋はいつまでもここだけだ。王都に行ってランクアップして、王都に用がなくなったらまた戻ってこよう。絶対。


 よしそれじゃぁ試し切りに......あれ?なんか忘れてるような…まぁいいや。試し切りにいこっとぉぉぉお!忘れてた!護衛の任務!時間は?今ならまだ遅れてない!走れ!!


 はぁはぁ…間に合った…せっかくもらえた任務すっぽかすところだったよ。しかしギルド前集合って言ってたけどどんな人が来るんだろうか?いい人だといいなぁ。


 集合の場所でしばらく待っているとクリスさんと見知らぬ男性が談笑しながらギルドから出てきた。男性のほうはなんだか高そうな衣類を着ていて、茶色の大きなひげが目立つ格好だ。もしかしてあのおじさんが依頼主?


「やぁ小夜ちゃん。早速だけど紹介するね。この人が今回の君の依頼主、ワイロ君だ」


「どうもお嬢さん紹介に預かったワイロだ。クリス先生から話は聞いているよ。ギルドに入って早々ダンジョンを攻略したんだって?本当にすごいね。」


「あ、ありがとうございます…」


 ワイロさんかなんか賄賂みたいな名前だな。名は体を表すっていうし、ちょっとだけ距離を置こう…いや名前だけじゃないんだけどさ、こういう商人って裏ではめちゃくちゃワルモノでした、っていうやつ。割と定番じゃん?警戒するだけなら損じゃないしね。


「よし挨拶は済んだね。じゃぁ依頼内容の確認だ。小夜ちゃんはワイロ君含む6人の商人たちとその積み荷の護衛。報酬は銀貨20枚と護衛中の食事。これで大丈夫かい?」


 あら?護衛中は食事がつくのか。せっかく買ったのに無駄になっちゃったな。まぁプロードの空間魔法で収納してるし腐らないから良しとするか。

「はい。大丈夫です。」


「じゃぁ僕はここまでだからあとはワイロ君に任せるねじゃぁね。」


「あ、あのクリスさん!」


「ん?なんだい?」


「そ、その…色々とありがとうございました!」


「いいよいいよ礼なんて。僕はギルマスとしての仕事をしただけさ。王都でも頑張ってね。」


「はい!」


 ここの町とはお別れかぁ。ちょっとの暮らしだったけどこの世界では実質の故郷だ。またいつかここに来るとしよう。それまでのお別れだね!ばいばい!

 

 

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