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選択は慎重に


 今の目標は王都へ行ってランクを上げること。そのためには移動手段や食料など。いろいろ準備しなくちゃいけない。とりあえず初めに適職(クラス)とやらを決めないとね。

 

「あの...クリスさん。」


「クリスでいいよ。小夜ちゃん。」


「…クリスサン、適職につくための水晶ってどこにありますか?」


「あれなら受付にもあるしこの部屋にもあるよ。使いたいのかい?」


「はい。」


「そこの棚にあるでしょ。その四角い赤の水晶。それ使えば適職につけるから。」

 

 四角い水晶…あれだね。

私は棚から水晶を取り出し机に置く。

 どうやって使うんだろ。これ。ギルドカードを作ったときみたいに触ればいいのかな?


そう思いつつ手を触れて見るが何も起きない。


「あぁ、言い忘れてたその水晶受付にあるものとは少し違ってね、血を一滴その水晶にたらさないと使えないんだ。」


 血を垂らすのか。なんか中世の儀式みたいだな。さすが異世界。

...まてよ?もしかしてこの赤、血の色なんじゃ。...いやそんなことはない、と思いたい...


 自分の犬歯で指先を切り、血を垂らす。私吸血鬼だから一応ありますよ。犬歯。かまないから使わないけどね。


 血の一滴が水晶に垂れる。石の表面がまるで水面のようになり、波紋が広がる。その光景はどこか美しく神秘的だ。それから少したつと表面から何やら大量の文字が浮かび上がってきた。これが私のつける適職を示しているのかな?


 『剣士・双剣士・軽剣士・魔剣士・魔術師・水魔術師...etc』


 いや多!?50はあるぞこれ…どれにしたらいいんだろ?というか適職につくと具体的に何が

 強化されるのかな?


「適職につくと固有のスキルや魔術を手に入れられるんだ。」


 うわ!?びっくりしたなぁ。クリスさんいつの間に私の後に...全然きづかなかったよ。後ろから急に聞こえる声は心臓に悪いなぁ。

 

「ごめんごめん。どんな適職適正が出たのか気になってさ。悪気はなかったのさ。」


「…わかんないですけどこういうの覗き見するのはマナー違反なんじゃないですか?普通。」


「そこはギルマス権限ってことで。んじゃぁ僕は忙しいから事務仕事に戻るね。もしよかったらどんな適職にしたか教えてねー。」


 逃げたなこいつ。まぁいいか。とりあえず適職のスキルを全部確認してそこから決めるか。


 すべてのスキルを見た感じ大まかに2つの適職に分かれていることが分かった。戦闘職と非戦闘職だ。戦闘職でいうと剣士やら魔術師やら暗殺者なんてもので、得られるスキルも基本戦闘関連のものだ。暗殺者だったら気配を消せるとかね。一方非戦闘職はパン屋やら料理人やら事務員やら。一般的な職業なことが多い。スキルも私生活であったら便利な能力程度のものだった。なんだかゲームみたいだな。


 まぁとるなら絶対戦闘職なんだけど一体何にするべきかな?私のステータスは魔力特化の魔術師型だ。戦闘スタイルも魔法での中遠距離戦に魔法を付与したナイフでの近接戦。やってることは魔剣士的なことなんだよなぁ。ただ魔剣士のスキルがめちゃくちゃ微妙…


『魔闘 付与する魔法効果が強力になる。(効果は自身の魔力量が少ないほど高まる)』


 血の残量がすくなることは多くても、魔力は切れたことがないんだよなぁ。そんなわけで魔剣士は却下。となると残りの候補は魔術師系か剣士関連。剣士系はスキルにプラスで剣術というスキルがついてくるみたいだ。

一方魔術師関連は魔法の威力に補正がかかるスキルが一律でついてくる。どちらも捨てがたいなぁ。

むぅ悩む。決まらぬ。もうちょっとだけ考えよう…



「小夜ちゃん?30分くらいたったけどまだ決まらないの?」


 !?もうそんなに立ったのか。時間の流れは速いなぁ…え?決まったのかって?…いやぁ?

 全部が全部魅力的過ぎて決められない!ゲームだったら試し試しで行くけどここは現実だ。一度しか選べない適職大事に決めなきゃね!間違えられないよ。




「小夜ちゃーん?大丈夫?まーた30分経ったよー。」


もう!わかったってば!今決めるとこなの!えぇい私が選ぶのはこの適職だ!


「それで?1時間悩んだ成果は?」


「魔拳士にすることにしました。」


「魔拳士?君拳士なのかい?」


「いや、自分のスタイルと照らし合わせて一番合ってたのが魔拳士だっただけです。私は剣士ですよ。」


「へぇ珍しい選択をしたねぇ。普通は自分の戦い方と同じ適職を選ぶのに。まぁいいか。個人の自由だし。

その選択が君をさらに強くすることを願うよ。」

 


『魔拳士 自身の拳を使う攻撃と付与魔術に補正がかかる。

スキル闘心の構え 一定以下の攻撃を魔力で肩代わりする。』



 適職を決め、今貰える報酬をもらった私が次に向かったのは前にも行った鍛冶屋だ。防具は霧化の犠牲になったしナイフは失くしちゃったからね。新しいものを買わないと。前行ったときは親切にいい感じの武器教えてもらったしまた良さそうなのを選んでもらおう。


「すみません…武器を買いに来たんですけ…」


「てめぇみたいな武器を大切に扱わない糞野郎には武具なんて売らねぇ‼帰りやがれ!」


「ひぇ!ごめんなさい!」


「ん?あぁ嬢ちゃんのことじゃないさ。ほらお前らはとっとと出てきな!」


 ドワーフの店主に怒鳴られ店の中から柄悪い男たちが出て行った。なにがあったんだろう?


「悪かったな嬢ちゃん。いらっしゃい。何がほしいんだ?」

 

「あ...えっと...武器が欲しくて」


「武器か...嬢ちゃんこの前短剣を買ってたと思うがそいつはどうしたんだい?」


 「えーとその…なくしちゃいました。」


 気まずい...まだ買って一週間もたっていないのに失くしてしまった。というか本当にどこ行ったんだ私のナイフ。というかさっきの人も武器を大切に扱え!って怒られてたよね?絶対怒られる…


 「そうか失くしちまったか。そいつは仕方がねぇな。」


「え?怒らないんですか?」


「たりめぇだ。武具とは消耗品。失くしたり壊れたりすることだってある。」


 意外だったな。てっきり怒られると思ってたんだけどな。じゃぁなんでさっきの人たちは怒られてたんだろう?


「それで嬢ちゃんなんの武器を買いに来たんだい?また短剣か?」


「あ、はい。前とおんなじやつをと。」


 私がそう答えると店主は何やら不満そうに首を傾げた。やっぱり怒ってる?


「お前さん何か大きなことを成し遂げなかったか?」


「この街のダンジョンをその…攻略しました。」


「だろうな。前と少し気配が違う。そんな嬢ちゃんにあの品質のナイフでは不十分だ。武器と嬢ちゃんの実力が釣り合ってねぇ。」


「もっと高いいいやつのほうがいいってこと…ですか?」

 

「まぁそれもあるんだが短剣はあのぐらいのレートしか打ってなくてな、在庫がないんだよ」


 在庫がないと来たか。別に今すぐ王都に向かうわけじゃないしその短剣が打ち終わるまでこの街で過ごすのもありだな。剣って作るのにどのくらいかかるんだろう?一週間くらいかな?そのくらいだったら全然待てるな。


「私待ちますよ。強い短剣が打ち終わるまで。」


「そいつはありがたいがたかが量産の武具だけのために待ってもらうなんて商売をやってる身としては情けねぇ。そこでだ。」

嬢ちゃん専用武器(オーダーメイド)を作らせてはくれないかい?」


 私だけの武器!!そんな贅沢な武器を私なんかが持っていいんだろうか?というかオーダーメイドなんて馬鹿みたいに高いんじゃ…そんな高級品買ってる余裕はないよ私。


「うれしい話なんですけど今私お金そんなにないですよ...」


「値段に関しては心配するな。そんなに高くは取らねぇよ」


「え、そこまでしてくれるんですか?なんで...」


「なんでってそりゃ嬢ちゃんみたいな将来有望な冒険者の武具に俺の名が入るんだぜ?鍛冶師としては最高の名誉だ。」

 

 将来有望って…私をそこまで買ってくれているんだこの人。

 

「嬢ちゃんのダンジョン攻略記念ってことで一振り作ってやるぜ?どうだい?」


「お...お願いします!」


「よし。契約成立だな。それじゃぁまず素材として嬢ちゃんが一番強かった魔物の素材と魔石を譲ってくれるかい?」


 一番強かった魔物か...なんだろう?この世界に来て最初に戦ったのはレッサーウルフだ。人生で初めての戦闘ということもあって苦戦したけどそういう強さじゃぁないだろう。それでいうと一番時間がかかった敵は例のハリネズミだ。魔法は効かないわ、爆発はするわで一番大変だった相手だ。

 だけどあいつは倒す手段がたまたま時間がかかる方法だっただけで、苦戦したから時間がかかったわけじゃない。


 うーん…ボバードも同じ系統だしゴブリンたちは別に強くなかった...私が苦戦したのは魔族のボスとロボくらいなんだよなぁ…   いや?待てよ?一匹居たな強かった魔物。


 ボス前にいたでっかい蜘蛛。あいつはシンプルに強かったな。私との相性が悪いわけじゃなかったし確実に格上の魔物だった。運よく魔法がとおってそのまま倒せたけど一歩間違えればあの時死んでるし。私が一番苦戦した魔物は蜘蛛だな。魔石のほうは魔族のやつでいいし


「素材のほうは爪ぐらいしかないんですが…これで大丈夫ですか…?」


「問題ないぞ。素材丸まるが武器になるわけではないからのう。」



 あれ?魔石がない...!そうか私倒した後に倒れちゃったから魔石回収できてないじゃん。完全に失念してた…


「クエ!」


 ん?どうしたプロード?腹でも減ったのかい?今考え事してるからあとでねー。魔石どうすっかな…しょうがないからほかのやつで、


「嬢ちゃんあれ無視でいいのかい?」


「はい?あれってなん……えー...何それ…」


 店主さんが後ろを指すので振り返ってみれば、そこには口の中から鉄くずや木の実、魔物の素材を大量に吐き出しているプロードの姿があった。うん。どゆこと?


「ありゃ空間魔法の類か?すげぇな嬢ちゃんの使い魔。」


 確かに。鳥のステータスみてみたら空間魔術って書いてある。その魔法いつ覚えたんだよ...

あ、なんかすごい魔力の魔石発見。あれたぶん私が回収できてなかった魔族の魔石だな。回収してくれてたんだ。ありがとプロード。


 それにしてもその大量のスクラップは回収する必要はなかったんじゃ?


「クエ?」


 ぼこぼこと音を立てながら山のように積みあがっていくスクラップを見ながら私は思ったのであった。というかいつまで吐き出してるの?  あ、山崩れた

カクヨムでも掲載しているので是非そちらもチェックしてみて下さい。(中身は変わらないですが。)

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