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私って無職なの?


ここ…どこだろ。


 目が覚めると見知らぬ天井があった。なんかデジャブだね。もしかしてまた異世界転生したとかじゃないよね?ちゃんと生きてるよね?私。

 あれ?そういや私スマホどこやったっけ?こっちに来たときは確実に持ってたんだけどな。まぁいいや。どうせ使えないし。


 ひとまず体を起こして周囲を観察してみる。うん、ただの宿だね。ダンジョンでもなきゃボロ小屋でも無い一般的な部屋だ。私の服装や格好をみても捕まったとかそういうものではなく、体も至って健康だ。


 いや、おかしい。左腕がある。この腕はローラさんが作ってくれたやつで…

 そうだ!ダンジョンで血を流したせいで倒れちゃったんだ。ローラさんは?もしかしてまだ腕に化けたまま?ローラさん?もうもとに戻っても大丈夫なんですよ!

 ....反応が無い。精霊眼発動。一体この腕どうなってるんだ?


『水霊の義手 特殊技能:自動再生 不破壊』


 義手かぁ。この腕本体がローラさんというわけじゃなさそう。私のステータスは?


『柊 小夜(さよ)Lv15 種族 吸血鬼(男爵)

 状態: 左腕欠損

 攻撃105 防御100 速度98 魔力700 魔精親密度90%

 〈装備〉

 金色のペンダント 水霊の義手

 

 〈スキル〉

自動回復Lv4 暗視Lv10 闇魔法Lv10 闇黒魔法Lv5  疾走Lv3  大剣士Lv1 大魔法使いLv2 毒耐性Lv5 演算補助Lv4  爆発無効

 〈祝精スキル〉 言語理解

 〈ユニークスキル〉吸血鬼 月精霊 水精霊

 〈称号〉 主殺し ダンジョンの制覇者 

 〈契約獣〉 プロードLv40

 〈契約精霊〉 ローラ・ミレウス(水精霊)休眠中』

 

 良かった。ローラさんが居なくなったとか、そういう類では無さそうだ。きちんと契約精霊として書いてあるしね。ただ休眠中と言う表記が気になるな。

 私の問いかけとかにもこたえられないみたいだしもしかして力を使いすぎて眠っているとかなのかな?あとで冒険者ギルドの書物で調べてみよう。


 一体ローラさんのことは置いておいてこれからの事を考えなくちゃ。まずはステータスの確認からかな。


 前のときが平均50くらいだったからだいたい2倍か。強くなったなぁ。こんなに攻撃力があるならゴブリンの一体や二体、素手で倒せそうだよ。やんないけど。

 魔力は相変わらず意味わからん数字だな。なんで異常に高いのだろうか?やっぱり適正とかそういうのかな?他の人のを見てないから分かんないけど。


 スキルは暗黒魔法がだいぶ上がったね。レベル5もあれば色々使えそうだ。あとで試すことにしよう。他には水霊魔法が増えたぐらいで大差はないな。


 あ、そういえばプロードは?もしかして置いてきちゃったとか?


「こら!待て!」


 下の階だろうか?焦った男の声が響いてきた。それと同時にドタドタと早い足音も響く。子供でも走っているのだろうか?


 ん?足音近づいてきてない?もしかして隣だったり‥


 そんな考えをしていた脳がすぐに吹き飛ぶ。正体不明の足音は勢い良くこの部屋に近づき轟音とともに扉が蹴破られた。

 

「クェ!」


 扉を吹き飛ばして入ってきたのはプロードだ。置いていったりとかは無くちゃんと一緒に居たみたいだ。にしても扉を吹き飛ばすとは、さすが爆弾鳥。はっちゃけてるね。


「あらら、派手にやっちゃって、扉どーすんだよ  ……あ?......おぉ!起きたか嬢ちゃん。体調はどうだい?」


 あとから部屋に入ってきたのは20ぐらいの若い男だった。この人がここまで運んでくれたんだろうか?


「体調は普通です...その…あなたが私を宿まで運んでくれた…のですか?」


「あぁ。まぁ俺だけでやったわけじゃないけどな。まぁ無事でよかったよ。嬢ちゃん二日ぐらい寝込んでたからな。」


 二日!?そんな寝てたの私。貧血ってそんなにやばいんだ。次からきをつけよ...

 それにしてもこの人どっかで見たような…私がこっちに来てからそこまで人と会ってるわけじゃないからなぁ。記憶たどれば思い出せるはず。

 うーん.....

 あ!思い出した。私をナンパした人だ!ほんとに冒険者だったんだ。私を助けたってことはダンジョンの奥まで来たってことでしょ?てっきりいきってるだけのやつだと思ってた…


「その……助けていただいて…ありがとうございます…」


「礼はいらねぇよ。こっちも依頼だったしな。あ、そうだまだ自己紹介を済ませてなかったな。」

「俺の名はガイアだ。A級冒険者でB級冒険者パーティーのリーダーを一応やってる。よろしくな。」

 

 !Aランク冒険者?めちゃくちゃ強いじゃんかこの人!

この世界では冒険者は等級で分けられている。具体的にいうとE~Sまであって今の私の位置が最底辺のEだ。

 それに対してこのガイアさんという方はA。上から二番目のランクだ。強さの指標でいうとEランクが一般人くらいの強さに対してAランクはおおきい街に来た襲撃に一人で対抗できるほどの実力のもちぬしだそう。要するにめちゃくちゃ強い。


「私は小夜って言います……Eランクの冒険者です。」


「Eランクだぁ!?嬢ちゃん嘘はいけないぜ嘘は。」


「え?…いやほんとですけど。」


「…まじかい。確かにあのダンジョンは性質的に弱ければ弱いほど攻略はしやすいけど…ルーキーダンジョン攻略はすげぇな?うちのパーティーはいらん?冗談抜きで。」


パーティーか。強い人のところへ行くのは悪いことじゃないけど…私は吸血鬼。魔族だ。仲間内ならお互いのステータスを見る機会があるだろうし長期間のパーティーを組むのは危険だな。ばれたら終わりだもん。それに私コミ障だし。仲良くなれる自信ないよ。...

 

「うれしい話ですがお断りさせていただきます。」


「なんだ?俺と組むのはだめか?」


 「いや、ガイアさんと組むのが嫌というより人と長時間一緒にいるのはちょっと苦手で...ソロのほうが気楽ですから」


「…そうか。気が変わったらいつでも声かけてくれよ?」

「あ、そうそうダンジョンの攻略はクエストになってるからギルドに達成報告をしに行くといいよ。報酬とか出るから。」

「受付に普通に言えばあとはギルド側がやってくれるから。んじゃぁ俺はココらへんで。この宿明日の朝まで取ってあるから自由に使っていいぞ。」


「その…色々ありがとうございます。」


「おう。じゃぁまたどこかでな。」


 ガイアさん。いい人だったな。あんないかにもな見た目なのに…やっぱり人を見た目で判断するのは良くないな。

 それにしてもダンジョン攻略の報酬か。大体そういうのって莫大な大金だったりするよね?現状装備もなければ武器もお金も明日のパンツも無いからな。貰いに行くのが優先かな。


 という訳でギルドに来たわけだけど…相変わらず入りにくいなー。酒場って何だろ独特な雰囲気があって入りにくいよね。私が未成年っていうのもあるけどギルドは普通の建物が良かったなぁ。

 まぁうだうだ言ってても仕方が無いな。とっとと用事を済ませて宿に帰ろ... 


「あの…クエストの攻略を報告しに来ました。」


「そうですか。では報告するクエスト名と証明をお願いします」

 


「クエスト名はダンジョン攻略…、証明はステータス鑑定をお願いします…。」


「ダンジョン攻略ですね。承りました…ぇ?今ダンジョン攻略って言いました!?言いましたよね!ちょ、ギルマスー!!例の娘来ましたよー!」


 受付嬢が慌ただしく奥へと入っていく。ガイアさん普通に言えば終わるって言ってたけど全然そんなこと無いじゃん…

 そんなこんなで暫く待っていると、奥から受付嬢と見たことない人が現れた。この人がギルマスなのだろうか?

 耳が尖っているし十中八九エルフなのだろうが。見た目だけでいったら15歳ぐらいなのだが実年齢は不明だ。銀色の髪をしていて服装はゲームに出てくる軽戦士のような格好だ。因みに結構可愛い顔立ちをしている。


「君がダンジョンの攻略者なんだってな?」


「あ…はい。」


「じゃぁこの水晶に手を乗っけてくれ。それで本当か分かるからね。」


 私が水晶に手を乗せれると水晶は白く光り、何やら文字が浮かび上がってきた。鏡文字になっていてこちらからは読めない…というか翻訳スキルが発動していない。一体何を確認しているのだろうか?

 

「…確かに有るね。詳しい話をするからついて来てくれるかい?」

 

 そう言って私は執務室のような部屋に案内された。取り敢えずロビーじゃ話せないような話をされるのだろう。報酬の話とかかな?


「あ、そこ座ってー。楽にしてていいよ。あ、まだ名乗って無かったね。僕はここのギルドマスターをやっているクリスだ。よろしくねー。」

「そうそう、ここに君を呼んだのはねダンジョンの話を聞きたかったんだ。取り敢えずダンジョンでどんな敵を倒したのか。そこから教えてくれるかな?」

 

 ダンジョンの話か。ローラさんや地下のことは伏せて話せば何も問題は無いか。


「まず最初に花の..........

 それで最後に魔族の男と戦って討伐したらクリアしたという感じですね。」


「ふーん。ボスは魔族だったんだ。それを君が…ねぇ。なかなかやるね。」

「じゃぁ次はダンジョン報酬が何だったのか教えてもらえるかな?」


「ダンジョンの報酬?」

 なんだそれ。そんなん貰ったっけな?クリアしてもらったのは称号ぐらいだけど。


「ほらボスを倒したら扉が出たろ?そこに入ったら置いてある宝箱の中にあるアイテムだよ。ダンジョンのアイテムは非常に強力なアーティファクトだ。どんなものがあるのか把握する必要があってね。」


「え...そんなのありませんでしたけど…」


「え?」


「?」


 さっきもあったなこんなこと。今日デジャブ多くない?


「いやほらさダンジョンにあったでしょ。鍵付きの宝箱。あ、もしかして特殊パターンかな?基本的に宝箱って扉のむこうにあるんだけどね。たまーにボス部屋の前にあったりもするんだよねー見なかった?そういうの。」


 鍵付きの宝箱…そういえば蜘蛛を倒した後にあけたっけ。石が入ってたやつ。あれのことなのかな?

「ボス部屋の手前にはありましたね。鍵付きの宝箱。」


「本当?!じゃぁ中身が何だったか。今持ってるなら現物を見せてほしいな。なかったら別にいいけど」


「その…入っていた物は宝石だったんですけど....ボス戦中に砕けちゃってもう手元には無いんですよね。…ごめんなさい…」


「あー。なるほど....多分何らかの魔石だったのかな?きっと戦闘中に使っちゃたんだろうね。しょうがない事だね。謝らなくて大丈夫だよ。」

「じゃあ最後に小夜さんの適職(クラス)って何かな?一応記載が必要なんだよね。」


「適職?....何ですかそれ…?」


「ほら、冒険者登録した時にさ、言われたでしょ?水晶で適職を選んで下さいって。」

そんな事言われたっけ?色んな色の水晶でそれぞれ効力が違ったのは覚えてるけど…緑が鑑定で、赤が…ああったね。

 

「言ってましたね。そんな事。」


「もしかして役職選択してない無職だったりする?まさか…そんな訳無いよね?」


「その…すっかり忘れてて…選んでないです。何かまずいことでも有りますか?…」


「いや、別に悪いことじゃないんだけどね。うん....まじかよ‥すげぇなこの娘」

 頭を抱えてしまった。やっぱり不味かったのだろうか?


「適職は戦闘においてとても重要なんだ。適職を持っているかいないかじゃ10倍ぐらい差がつくぐらいにはね。」

「だから適職がない者がダンジョンを攻略したのはありえないような事なんだ。というか多分初めての事例じゃないかな?」


 10倍か。なんでそんなに大事なこと忘れてたんだろ私...これ終わったら適職につこう…

 

「よし。面倒な手続きはこれでおしまい。ここからはダンジョン攻略報酬の話ね。」


 待ってました!報酬話!この世界ではだいたい一つのクエストをクリアするごとに銅貨三十枚から銀貨一枚ほど。高難易度のクエストなら金貨がでるそうだ。私がクリアしたダンジョン攻略のクエストの何度はダンジョンの難易度と同じ…つまりA級のクエストをクリアしたってことになる!金貨の一枚や二枚もらえるんじゃないか?一年は遊んで暮らせる額だぜ!

「それで君に出る報酬は本来金貨3枚だ。だけど君の場合あまりにもランクが低すぎる。それを上で話し合った結果報酬全額は渡さないという判断になったんだ。」


「えぇ?そんあぁ…じゃぁいくらもらえるんですか?」


「銀貨300枚だね。残りははCランクより上になったらギルドから支給するよ。」


 銀貨1000枚で金貨一枚だから。...うへぇほとんど貰えていないじゃないか。私の夢の大金が…

 いや、なくなったわけじゃないんだ。とっととCランクに上がれば貰えるだけの簡単な話だし。


「Cランクへ上がるのにどのくらいかかるんですか?」


「君は準備が整ってさえいれば1日でいけるよ。」


「え?一日ですか?」


「うん。君はもうCランクの実力は十分あると判断されているからね。あとは王都のギルドへ行って依頼を受けてくれば晴れてCランクに昇格できるよ。」


 そんなに簡単に上がるのか。簡単すぎて拍子抜けだね。それなら今私が目指す目標は一つ!

王都に行き、Cランク冒険者になって大金を受け取る!

 

 さぁ目標が決まれば進むだけだ!王都に行く準備をはじめよう!

 

 

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