ボス戦
鯖落ちで亢進遅れました!ごめんよ!
「ここへ来た人間は久しぶりだ。」
部屋へ入った途端どこからともなく声がする。辺りを見渡すと奥の方に一人の男がいた。2m程の巨漢で腰に大きな剣を装備し、頭に2本の角が生えている。明らかに人間では無いだろう。あいつが魔族か?
「最近退屈で仕方なくてよぉ。どいつもこいつも弱すぎてここへ来る前にしんじまうからな。」
男が剣を抜いた途端辺りを一面にとても濃い魔力と死の恐怖が広まった。恐らく今まで闘ったどの敵よりも強く、恐ろしい。
ただ、怯むことはしない。ここまで来たんだ!やれるだけやってやる!
相手動くより先に!相手との間合いを全力で駆け抜ける。最初から「闇剣」と「闇斬」のコンボをお見舞いする。私の本気の一撃だ。相手に確実にダメージを與える為に放った攻撃。だがそんな攻撃を片手だけで防がれてしまった。
「非力だなぁ!剣とはこういう風に振るんだよ!」
お帰しとばかりに振られた剣をナイフで防ごうとするが余りの重さに後ろへ吹き飛ばされてしまった。
空中で姿勢を直し、着地するが先ほどまでの位置に相手がいない。
「どこ!?」
すぐに周囲を確認するが姿は見えない。いったいどこh…
「上だよぉぉ!」
「っつ⁉」
咄嗟に剣を突き出しガードするがその攻撃は余りに重もすぎる。このままでは潰れてしまう!相手を引き剥がすため急いで闇魔法を構築する。
構築した魔法は当たり前の様にかわされたが押しつぶされる事は回避できた。
「無詠唱魔術か!やるじゃないか!」
相手が何か言っているがどういう意味だ?無詠唱魔法?まぁいい。
距離を詰められてはいけない。魔法でダメージを与えなくては。相手を囲う様に幾つもの闇魔法を展開する。キャパをオーバーして入るのか背筋に悪寒が走るが無視だ。30程の魔法を一気に奴へと発射する。
倒せるとは思っていないがダメージは負う。そのスキに仕留める!距離を再度詰めナイフを振ろうとしたがすぐさま後退した。せざる負えなかった。
「嘘でしょ!?無傷?!」
そう。あれ程の魔法が全く効いていなかったのだ。魔法が効かない?そんなことって...
「呆けてんじゃねぇ!」
必死に思考を巡らしているがそれを放置する相手でもない。振り下ろしを避け後ろへ後退しつつ魔法を放つが簡単に避けられてしまう。魔法は効かないようだ…いや?待てよ?魔法が効かないなら避ける必要は無い。なのに避けているという事は魔法を耐えるには何か条件があるんじゃないか?月精霊の眼発動!
『ブロベリア グライドLv26 種族:魔族
ステータスの閲覧に失敗しました。
〈スキル〉
火魔法Lv8 剣士Lv8 剣術Lv5 剣撃強化Lv5 魔法使いLv4 魔力強化Lv4
〈ユニークスキル〉
魔力飽和』
ステータスは分からなかったが相手のスキルと種族が判明した。どうやら悪魔だったようだ。そしてさっきの魔法が効かなかったのはユニークスキルの魔力飽和だろう。
魔力飽和 実体が無い一定以上の魔力の攻撃を無効化する。
どうやら数が多かったので無効化されたようだ。つまり1・2発打つ分には無効化されないので回避しているという事だ。なら魔法で牽制しつつ的確にダメージを与えていこう。
距離を取りいくつか魔法を構築する。
「魔術戦か!いいぜ付き合ってやる。」
「ファイアランス!」
私が放った「闇槍」を魔族が放った炎の魔法で相殺された。魔法?なら拮抗している!それなら付け入る空きがある筈だ。そこからは消耗戦だった。
「ファイアランス!」
魔族が放った炎魔法を「闇槍」で相殺していく。
そんな攻防に苛立ちを感じたのか魔族が放ってくる魔族を変えた。
「こいつはどうだ!ファイアボム!」
広範囲の魔法攻撃の様だが、私は爆発に対して耐性をそこそこ持っているのであまり効かない。爆風に任せて「闇斬」を命中させる。
「糞が!」
命中した「闇斬」は相手にダメージを与えられたようで僅かによろめいていていた。今がチャンスだ!
「はぁぁ!」
「そう何度も攻撃を受けるかよ!」
攻撃は無効化されないとわかっただけで上出来だ。
闇魔法で足止めをしつつ「闇斬」で的確にダメージを与えていった。
暫くすると焦って来たのか魔族の雰囲気が変わる。
「遊び始めここまでだ。ココからは全力で行かせて貰うぜ!」
そう宣言すると凄まじい勢い魔力を発して姿が消えた。何処へ行ったのかと確認しようとした瞬間左腕に激痛が走った。
「っい゛っだぁぁ」
急な寒気ともに左を見るとそこにある筈の腕が無かった。言葉にならない程の絶望感と激痛が私を襲う。
涙で前が見えない。こいつには勝てない。そう込み上げて来る気持ちのままにバックパックに入っていた転移結晶を砕く....
「なんで!帰れない!なんで転移しないの!」
「あぁ言い忘れていたよ。この部屋では俺様の力で転移できないぞ」
さらなる絶望が私を襲う。いざとなったら転移で逃げれるという安心感が消えた。体から何かが失われていく感覚。あまりにも熱い腕。そういった感覚が私を現実へと引き戻していく。
驕っていたのだ。今までどこか心の中でなんとかなると思っていた。ここは異世界で私は主人公で、何をやっても最終的には上手く行く。私は強いんだって、そう思っていた。
でも現実は違った。相手は私より強くて現実のダメージはゲームみたいに割り切れない。怪我をしたら痛いし死ぬときは死ぬ。ここは現実なんだ。そう実感した。
でも不思議と悪い気持ちはしない。怪我も痛みも絶望も私が生きていると感じれる。前のどこか鈍い色あせた世界とは違う。本当に生きているってそう魂から実感している。
だからこそ死にたくない。この世界を異世界をまだ楽しみたい!そにために死ねない!
戦い抜くという覚悟も決まった。血液操作でドバドバ流れていた血を止める。勝つために出し惜しみはしない。本当の全力を!
私が構築する魔術は血を常に消費し続ける性質から一度も使っていない魔法。血魔法Lv4「蒸血」流れていった血液を媒介に発動する。今あいつは自分が勝ったと確信している。今私ができる全力を!そう動いた時、魔族がニヤリと笑った。
「油断なんてしねぇよ。言ったろ?本気だって。楽しい時間もおしまいだ。ヘルファイア!」
激しい熱気を帯びた炎が力を溜めていた私を襲う。広範囲の攻撃になすすべ無く焼き消えた....様に思えた。




