プロローグ
初投稿です。よろしくお願いします。
xx年人類と魔族の戦争は苛烈を極めていた。人類は兵器や英雄と呼ばれる者たちを派遣し奮闘していたが魔族との戦争は拮抗。
ジリジリと兵站を減らしている人類が不利という結果だ。この状況を打開すべく人類の国々は古から伝わる勇者召喚の儀式を行なった。勇者召喚は共通点を持った複数人が召喚される儀式だ。
今回の勇者召喚では日本のとある高校のクラスが対象となり、異世界から28名の勇者達が呼び出されることになった。
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「ここどこ?」
目が覚めると見慣れない天上があった。驚いて辺りを見渡すと木製の小屋の中にいるようで、私は簡素なベットの上にいた。ここは一体何処なんだろう?
とりあえず現状確認だ。スマホを取り出し電源を付けて…
「あれ?付かないな…」
スマホは電源を押しても画面がつかない。電池が切れたのだろう。ひとまず辺りを詳しく見る事にした。
質素な木製の小屋は私が寝ていたベットと埃を被った見知らぬ言語の本が数冊置いてある本棚、机と椅子と鏡が設置してある部屋のようなものだった。
なんでこんなところにいるのかよく分からない…
思い出せる最後の記憶は学校から帰って疲れたから寝た。それだけだ。こんなところで目覚める要素は皆無と言っていい。
なんで私はこんなところに居る?考えれる理由として真っ先に上がるのは誘拐だ。ただのオタク陰キャ女子である私を攫うメリットはあまり無いし、最後の記憶は家にいたし攫われたとは考えられない…そうなると考えられる理由は異世界転移的な何かか!?そう思うと少しテンションが上がってきた気がした。
異世界と言ったら何か。そう!スキルだ。そんなものがあるのでは無いかと期待を膨らまし頭の中でステータス的な何かが表示されるイメージをしてみた。
…「ステータス!オープン!」喋ってみた。よく分からないポーズでステータス的な何かに呼び掛けてみた。…何も起こらない。
ちょっと恥ずかしくなったのでひとまず小屋を探索してみることにした。
埃を被った本には日本語ではない文字で書かれていて何が書いているか分からない。よくある文字が読める喋れるのご都合主義は無いようだ。
外に出ようと鏡の前を通ったらギョッとしてしまった。「誰これ!?」
私自身の姿が色々違った。髪の色が黒から真っ白へ。瞳の色が黒から真っ赤へ。服装などは同じなのに自身の姿だけが変わっているのだ。「綺麗…」
ぶっちゃける自分に惚れ惚れしそうな程美しくなっている。
もとは普通の一般人Aだったのに今ではお姫様の様な見た目だ。このまま見惚れていたかったが時間の無駄なので外へ出てみることにした。
扉を開けるとそこには大自然が広がっていた。どうやらここは森の中らしい。木々がささめき鳥が鳴きギャイァァと聞き慣れない鳴き声がしている。ごく普通の森だ…いやまて。聞きなれない鳴き声がするぞ。それもなんか邪悪な感じのが。
あたりを見渡すと謎の声の主は案外すぐ見つかった。緑の皮膚・醜悪な見た目どっからどう見てもゴブリンだった。
異世界あるあるの雑魚敵が実在する!これはオタクからしたら割と感動できることだ。しかし現実は甘くない。
『ウギャ?』
気づかれてしまった。どうしよう。今でも襲ってくるフォルムだよ。こういうのって異世界チートでなんとかする場面じゃないの!私今の所ただの一般人だよ!?ゴブリンと殴り合ったら死んじゃうよ!
そんな事を考えているうちにゴブリンがこちらへ襲い掛かってきた。
『ウギャァァ』
跳びかかって来た攻撃を間一髪で避ける。避けた先にあった木がへし折れた。
何あれ?やばくない?雑魚敵が出していい火力じゃないって!どうしよう!?
ゴブリンはこちらを見てくるだけで攻撃しようとしてこないようだ。
攻撃を避けられたことでこちらを警戒しているのか、はてまた私を甚振る為に攻撃してないのか。
えぇいとにかく逃げるしかない!私は全速力で逃げることにした。走れー!!
脱兎のごとく逃げるがどうやら見逃してはくれないらしい。ゴブリンが追いかけてきたのだ。なんで追いかけるのさ。来ないでくれよ。しかも足が思ったより速い…このままだと追いつかれちゃうかも…
《熟練度が一定に達しました。スキル疾走Lv1を獲得しました。》
死にものぐるいで走っていると頭の中で不思議な声が聞こえた。どうやら死ぬ気で走ったおかげでスキルを獲得したらしい。
なんだか足が速くなったような気がしてきたのできっと足が速くなるスキルなんだろう。しかしステータスは無いのにスキルはあるのか。なんだかゲームみたいだなぁ。そうこう考えているうちにどうやらゴブリンはまけたようだ。
逃げれたはいいが一体ここからどうしようか。死にものぐるいで走ったせいでもとの道がわからないし。
現状をまとめると謎の異世界に何故かいて、ゴブリンから逃げているうちに見知らぬ森で迷った。
あれ?詰んでね?ひとまず周囲の確認だ。近くにあった登りやすそうな木を登って辺りを確かめてみる。どうやら神は私を見放してはいないらしい。
遠くの方に薄っすらと煙がたっているのが目視できた。助かった。煙があるということはそこに火が立っているということ。火が立っているってことは人がいる!人がいるところまで走るぞ!
私は煙が見えるところまで全速力で走ることにした。走っているうちに一つ分かった事がある。元の世界にいた頃と比べて体力が滅茶苦茶上がっているのだ。いつもなら300メートル走っただけで疲れてバテてしまうが今はもう1キロは走っているのに息切れする様子もない。どうやら変わっているのは見た目だけでは無いようだ。実は最初にゴブリンの攻撃を避けれたのもまぐれじゃないのかも知れない。
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