“恋愛助手”の大失敗
「あなたを、私の“恋愛助手”に任命します」
生物部の先輩、港町由良は僕に人差し指を突きつけて、そう のたまった。
何でも、付き合い始めた恋人との恋愛が上手くいくように、サポートするお仕事らしい。日頃お世話になっている先輩のご指名とあれば仕方ない。デートの服装選びに、デートプランの立案、果ては相手との連絡役――って、これも僕がするんですか?
首を傾げながらもデートの連絡をしに行った僕は、驚愕の事実を知った。
「先輩、山田太郎なんて、先輩のクラスにいないじゃないですか!」
すると先輩はこともなげに言った。
「彼を見つけられなかったの? じゃあ責任とって、当日はあなたが代役でデートに来なさい――ちなみにその日は私の誕生日だから、プレゼントも忘れずにね」
ぽかんと口を開けた僕を見て、先輩は楽しそうに ほほえんだ。
お読み頂きありがとうございました。
楽しんで頂けましたでしょうか。
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