表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

一握りの君の愛と一生困らないだけのお金。

作者: 七瀬
掲載日:2021/07/13






【僕は、どちらを選べばいいのか?】


僕の家族は、僕が幼い頃から借金をしていてお金には

随分と苦労した。

父親は、多額の借金をして突然、姿をくらます。

母親は、女手一つで僕を育ててくれた。

朝から夜中まで働いて、なかなかお母さんと一緒にいる

時間が取れなくて僕は寂しい想いもしたけど...。

それでも、お母さんは弱音を吐かずに僕を育ててくれたんだ。

そんな僕も、今年で21歳になる。

初めて、この家を出て一人暮らしをはじめるんだ。

僕の事を心配して、お母さんは僕の一人暮らしをはじめは反対したけど。

今は、“頑張るんだよ”と応援してくれている。

僕は、心に決めている事があるんだ!

絶対に、“お金に不自由しない人間になる”ってね!

もう、お金に振り回される人生は嫌だ。

お金がないから、いろんなモノを我慢してきたし欲しい物が買えなくて

学校の友達から仲間はずれされた事もある。

お金がなくて、あんなに悔しい想いをした事がないというくらい

僕は、“お金に執着するようになっていた”んだ。




そして、僕は21年間ずっと住んでいた見慣れた街を離れる。

僕は、お母さんのようにお金に困らない生活をするんだ!

それには、大金を稼ぐ方法を見つけないと。

僕は、お母さんに最後の挨拶をして都会に出たんだ。




『じゃあ、行ってくるよ!』

『うん! 気を付けてね、ちゃんとご飯食べるんだよ』

『分かってる』

『大翔が嫌がるかもしれないけど? 仕送り母さんしようか?』

『本当にいいんだ! 大丈夫、僕は一人でもちゃんとやっていけるから』

『・・・じゃあ、何かあったら? 直ぐに母さんに連絡して。』

『うん! じゃあー行ってきます!』

『うん。』






僕は早速! 高収入の仕事を探しはじめる。

求人広告を見ていると? 高収入の仕事に“家庭教師”があった!

僕は、学歴はないけど勉強だけはできたんだ。

一応、東大にも行けるほど頭は良かったのだけど...。

母の事を想い、大学は断念した。

そんな僕でも、家庭教師が出来るのだろうか?

求人広告にあった電話番号に取り敢えず、電話をしてみる。



『あのう、もしもし?』

『はい! ○○家庭教師の××会社です。』

『実は、求人広告を見ましてお電話したんですが、まだ募集されてますか?』

『はい! バイトですか? まだ募集してますよ』

『じゃあ、雇ってもらいたいんですが...。』

『何時頃、面接来れますか?』

『明日でも、大丈夫です!』

『時間は、何時頃がいいですか?』

『PM1:00頃なら大丈夫です』

『それでは、明日のPM1:00に事務所に来てもらえますか?』

『はい!』

『うちの会社の場所は分かりますか?』

『はい! グーグルを見て行きます。』

『では、明日のPM1:00に事務所でお待ちしております。』

『ありがとうございました。』





僕は取り合えず、面接をしてもらう事になった。

正直に言って、ダメならそれでもいいと思った。

実際に、大学に通っていないし家庭教師なんかできないかもしれない。

ダメもとで、面接だけでもと行ってみたら?




『スミマセン、昨日バイトの面接で電話した野崎といいます。』

『あぁ! 野崎さん? 随分と早いね!』

『・・・は、はい、』

『じゃあー面接しようか』

『あぁ、はい!』

『じゃあーそこに座って、履歴書見せてくれる?』

『それなんですが、僕、実は、大学に通ってなくて。』

『えぇ!? 大学にも通ってないのに、家庭教師なんかするの?』

『・・・・・・』

『高校は行ったの? 学年でどれぐらいだった?』

『一応、一番です!』

『えぇ!?』

『じゃあーさあー! これ、大学のテストなんだけど? 今から

解いてくれる? テストの点が良かったら、君を雇うよ!』

『・・・あぁ、はい! ありがとうございます』






僕は、簡単に解いてしまった、残り時間10分を残してね。

面接をしてくれた人も、ビックリしていたよ。

テストの点数が98点だったから、有名な大学に通ってる奴でも

このテストで80点取るのがやっとらしい。

それを、大学にも行ってない僕が98点も取ったんだ!

雇わない訳がないだろう。





 *




そして、正式に僕はこの会社で雇われた。

初めて行く、僕が家庭教師をする家は、、、?

豪邸で、如何にも金持ちといった家だった。

チャイムを押し、出てきた人はこの家の家政婦さんだった。



『どうぞどうぞ! 先生の事は奥様から聞いております。』

『ありがとうございます』




家政婦さんから連れて行かれた場所は?

僕が教える女の子の部屋だった。



『さあさあー先生、ぞうぞ! お嬢様、先生が来られましたよ!』

『わーあ! イケメンな先生が来てくれたのね』

『今日から、僕が君の家庭教師をする野崎アルトだ! よろしくね!』

『えぇ、こちらこそよろしくね先生。』





今まで、母親以外の女性ひととまともに話す事もなかったからなのか?

僕は、彼女に突然! 恋をしてしまう。

甘い香水の匂いや女性らしい仕草、僕の好きな女性ひとの声。

肉付きのいい体で透けるような肌。

上品で小悪魔的な彼女に僕は心惹かれた。



『ねえ、先生?』

『うん?』

『私の事、好きですか?』

『・・・な、何を言ってるの?』

『動揺したって事は、“好きって”事でいいよね』

『・・・・・・』

『先生、かわいい!』

『年上の男を揶揄わないでほしいんだけど。』

『先生、真面目なんだね』

『・・・・・・』





僕は、そのうち彼女を本気で好きになってしまう。

家庭教師ともあろうものが、教え子のこの子を女性ひととして

僕は見てしまった。

だけど? 僕が偽の家庭教師だと分かれば彼女とはもう会えないだろう。

彼女の父親は、この子の為に既に“許婚”を決めている。

僕とこの子は、結婚どころか付き合う事もできない仲だ!

それでも、バレない今の関係ならお金に執着する僕のモノになった。

彼女に、僕が欲しいだけのお金を言えば僕にすんなりとお金をくれる。

家庭教師以外の収入を僕は手に入れていた。

でも、それも! 彼女との関係を彼女の両親にバレない間だけの事。


【一握りの君の愛と一生困らないだけのお金。】




・・・僕は、どちらを選ぶのか?





最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ