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工場で働いていた僕がアイドルを作ったらハーレムができた  作者: KAZU
第三章 飛躍するアイドルたち 新アイドル編 ~『GOD BRIGHT』がやってきた~
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第36話.『GOD BRIGHT』のライブ

 真春にダンスの作り方を教えて三、四日ぐらいたっただろうか? そんなある日の練習中、僕は真春に話しかけられた。


「吉田さん、由利乃にダンスの作り方を伝えました」

「それで、どうだった?」

「もう覚えたって言ってます」


 さすが由利乃は覚えるのが早い。


「由利乃の事は心配ないですよ」

「分かった」


 僕の隣にいる結香はどう思っているんだろうか。


「もう覚えてるとか、一回で覚えたとか、すごい。真春ちゃんが早めに教えてくれたのもあるけどね」


 結香も真春や由利乃に対する評価は高かった。


「でも、由利乃ちゃんももうちょっとあたしたちの中に入ってきてほしいんだよね」

「そうだよな」

「絶対面白いと思うんだけど」


 それを結香が言ってしまうのか? これは僕が由利乃に伝えないといけないところなんだけど。


「由利乃が馴染めていないのはどうにかしてあげたいけど」


 由利乃はどうしても素直に受け入れるタイプじゃないから難しい。あとはどうしても真春と比べてしまう。


「直之さん、ちょっと決定事項を伝えたいんだけど」

「二宮さん?」


 僕と結香の前に杏子が現れた。決定事項? 何だろう。


「次のライブが決まったよ!」

「決まったのか?」

「うん、それで次のライブの場所を決めたいんだけど」

「多数決を採るのか?」

「いや、大方私の方で決めたんだけど」

「もう決まったのか?」

「勝手に決めてごめんなさい」


 杏子は頭を下げる。しかし、独断で決めてしまったのか。もっとみんなでワイワイ決めたかった。


「で、どこにしたの?」

「今、第一候補に挙げてるのがセンマイコーヒーの学園前店」

「え!? あそこって、ステージあったっけ!?」

「私の会社が新しく作ったらしいよ。だから二階堂さんに勧められてそこにしようかなと」


 そういう事だったのか。でも二階堂さん、自分の会社の宣伝をしてないか? ただ、僕でも知っているところでライブが行われるっていうのはいい流れだと思う。


 カフェファクトのライブは、次はあの店になるのかな?


「また下見して正式に決めようかと思う」


 杏子がそう言うので、それでいいと僕は思った。カフェファクトができたときによく結香と行っていた思い出の店だ。


「あと、黄桜さんが元『GOD BRIGHT』の二人にライブに行ってほしいって、直之さんに伝えてって言われたから伝えておきます」

「どういうこと?」

「黄桜さんが事務所移籍の記念としてライブを企画したんだって」

「そう来るか」


 あの二人、もうライブをやるのか?


「移籍記念のライブって何をするの?」

「BOOWGホールで二人だけのライブをやるんだって」

「あの二人が、ホールでやるのか?」

「自分たちが今までやったところではやりたくないみたい。『GOD BRIGHT』のメンバーに知られたくないって言ってた」

「難しいな」

「だから、ホールの出番よ。村原さんがホールを使えるように手配してくれるって」

「大丈夫なのか?」


 確か啓子は『GOD BRIGHT』の合流に慎重だったような気がする。一体なぜ彼女たちに力を貸したのか?


「直之さんもスタッフとして参加だから。よろしくね」


 おっと! 僕は強制参加のようだ。


「あと、『カフェファクト』のライブ予告PV撮影の参加もよろしくお願いします」

「何だそれ?」

「ちょっと試しにやってみようかなと思って、『GARDEN CALL』のPVを作りたいから、どうやったら作れるのか勉強したい」

「そうなの?」


 杏子はライブ予告のPVを作ると言ってきた。これは曲のPVを作るための実験的なものだろうか?


「私も現地には行くけど、撮影は北原さんにやってもらうから」

「はあ」


 僕はよく分からないまま返事をした。ただ、このPV撮影については興味があるのだった。


********


 撮影当日、僕は結香と『GOD BRIGHT』のメンバーと一緒に彼女たちと出会ったあの場所に居た。


「真春ちゃん、もっとこっち」

「はい」

「由利乃ちゃん、もっと笑顔で」

「難しいです」


 結香の指示のもと、僕たちは撮影を続けた。あと、由利乃はPVに映ってるんだから笑ってほしい。


「これでいいですか?」


 結果、由利乃は笑った。それはお客さんを意識したからなので、プロ意識が凄かった。


「由利乃ちゃん、プロ意識が凄かったよ。どう思う」

「結香に一番足りないものだな」

「何よそれ。当たってるけど」


 その後僕は、結香が帰るまで、気にしていることを言わないように注意され続けた。


********


 練習場所へ帰ってきた僕は隣の部屋で結香と一緒に先日撮影したビデオの編集をしている。


「いいビデオができた!」


 今僕の隣にいる結香が叫んだ。僕はパソコンを使って別々の作業をしていたのでびっくりした。


 僕はそのビデオを見せてもらった。これは結香が作ったのか? いい感じに編集されている。


「このライブ、あたしも手伝いに行くから、よろしくね」

「結香も参加するのか?」

「二宮さんに参加するように言われた」

「そうなの?」

「そう。あたしが二人の扱いに慣れてるからだって。大沢さんとか接し方も分からないのに」

「何か近寄りがたいもんな」


 僕は、真春は親しみが持てる感じでいいが、由利乃はプロ意識のせいで近寄りにくい感じがしている。


「大沢さんにも、あたしたちの雰囲気に慣れてほしいなあ」


 それはそうだけど、あの感じだと難しいぞ。


「あと、有浦さんもライブの手伝いをするんだって」

「宇音も手伝うんだな」

「そうよ。他に誰もいなかったのかな?」


 いや、別に宇音でいいんじゃないか?


********


 『GOD BRIGHT』のライブの日がやってきた。真春は受付にいる結香たちに挨拶へ行っていた。僕と由利乃は控室で待っているのだが由利乃はソファーで一人リラックスしているようだ。でもそろそろ本番だから僕は真春を呼びに行った。


「吉田さん!」

「真春! 時間だよ」

「すみませんでした。なんか、邪魔をしてしまいましたね」

「いや、それは大丈夫。時間が来たから呼びに来ただけ」


 真春は僕と一緒に控室に行った。


「由利乃!」

「話かけないで!」


 由利乃はなぜかトゲトゲしている。時間が来たから呼んでるんだけど。


「そろそろライブの時間……」

「そうですね。ごめんなさい」


 由利乃はそれだけ言って。すたすた歩いて行った。僕が見る限りよく今のような不機嫌な感じになっているから大丈夫かな?


「吉田さん、私も行ってきます。がんばりますから」

「がんばって」


 真春も行くというので、僕はそれだけを言って真春を見送った。


 ライブが始まって幕が開いた。するといきなり曲が始まった。後で聞いたのだが、この演出は黄桜さんが考えたものらしい。


 僕の手元にあるパンフレットには「1.GET UP」って曲名が書いてある。せめて曲紹介してくれた方が分かりやすいと思った。


 いや、どうしてもカフェファクトのライブと比べてしまうな。うちは一曲ごとに紹介してるから。


 でも、さすがは元『GOD BRIGHT』の二人。舞台上で最高レベルのダンスが展開されている。真春も由利乃もよく頑張っていると思う。


 そうこう考えているうちに曲も中盤に差し掛かった。二人は片足を上げたり下したりを繰り返す動きをしていた。足がものすごい高く上がっている。体もやわらかいんだろうな。


 そして歌も上手だった。この曲は真春が歌っているが、普段と声が違うな。歌用の声とかあるんだろうか?


 次の曲は由利乃が歌っていた。歌声はさることながら、彼女は思いっきり飛び上がった後、後ろを振り返っている。その間も歌っているからパフォーマンス力は高いんだと思う。由利乃は演技は完璧なので、あとは他のアイドルたちと仲よくしてもらいたいと思う。


「やっと終わった」

「上手すぎてうらやましい!」


 そこへ結香と宇音がやってきた。彼女たちもまじまじとその完璧な演技を見つめていた。


 それにしても、なぜこんなにもレベルが違いすぎる彼女たちを受け入れたのだろう。それがカフェファクトに入れられない障壁にもなっている。そのためにはカフェファクトをパワーアップさせなければいけない。


 僕はこのパフォーマンスを見てそう思った。


「真春ちゃん、カフェファクトに入ってくれないかな」

「私もあれくらい踊れるようになりたい」


 結香と宇音は合わせてそう言った。


「直くん、二人はカフェファクトに入れないの?」

「入れたいけど、今入れても反対する人がいるからなー。まあ、今度黄桜さんに言ってみようか」

「誰その人?」

「結香分からないのか? あの、○○ッス! って言ってる人だよ? 黄桜さん、面白いとは思うんだけどな」


 黄桜さん、もっとみんなに覚えてもらった方がいいな。


 そういう話をしているうちにライブは三曲目に入っていた。


 ライブは最高潮だ。会場の盛り上がり方が凄い。凄い歓声で、カフェファクトの時には聞いたことがない。


 大盛況の中、ライブは終わった。僕たち三人は後片付けを済ませて一緒に帰った。

2024/9/27 第35話、加筆しました。

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