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工場で働いていた僕がアイドルを作ったらハーレムができた  作者: KAZU
第三章 飛躍するアイドルたち 恋の飛躍編 ~私を旅館に連れてってー!~
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第29話-2.僕にとって有浦宇音とは

 忙しかった今日の業務も一通り終えて僕と宇音は家に帰ってきた。


「それにしても最近何でヒロイックばっかり行くの? 寂しいよ」


 宇音はいつものように僕に巻きついてくる。


「明日はちょっと、織田さんに用事があって」

「緑さんの事ね。大丈夫よ。何かあったら私も説得するから」


 宇音は僕の唇にキスしてきた。急なことだったので、僕は宇音を押し返したが、間に会わなかった。


「なんでキスしてくるんだよ?」

「緑さんが帰っても直之さんはどこにも行かないよね?」

「宇音、僕はどこにも行かないよ」


 それに、緑が星に帰ることも確定したわけじゃないし。


「行くじゃない、私が練習している間、ヒロイックに」

「そりゃあずっと一緒に宇音といる事は出来ないよ」

「そんな」

「でも、僕は異世界には行かないから。どこにも行かないから」

「うん」


 そう思ったが、宇音は異世界から来たんだよな? 宇音のいた世界はどういうところなのだろうか?


 僕は宇音に抱きつかれたままだ。僕と宇音は仕事が違うのでずっと同じ行動は出来ない。

それを宇音も理解してほしい。


 部屋には僕の作った曲である『GARDEN CALL』が流れている。


「直之さん、私直之さんに嫌われてないかな?」

「なんでそういうことを言うんだよ?」

「本当にどこにも行かないの?」


 宇音が悲しそうな顔をしている。宇音を悲しませるようなことを何かしただろうかか考えてみたけど僕には心当たりがない。どこか行くって言っても行く当てもないから。そこは胸を張って大丈夫だと言える。


「僕は宇音の事が好きだ。でも一人の人間……じゃないな。まあ人間でいいか。人間として好きなんだけど。だから宇音とは離れないよ」

「本当に?」

「本当だよ」

「よかったー!」


 宇音はまた僕に抱きついてくる。


「でも、宇音はアイドルで僕はそれを作る立場だからずっと一緒に行動は出来ない。それは分かってくれるかな」

「だったら、直之さんもアイドルになれば良かったってことか」

「なんでそうなるんだよ」

「そうよね。仕方ないか。じゃあ今まで通り、家の中で甘えるね」

「しょうがないなー。わかったよ」


 宇音にその事が分かってもらえてよかった。


「で、緑と織田さんの話をしてたんだっけな」

「そうだった。でも、緑さんと織田さん羨ましいよね」

「今はそうじゃなくて、織田さんと緑を緑の星に行かせないようにしないと」


 宇音も羨ましがるように織田さんと緑は上手く行っているのに、僕と宇音は何かすれ違ってるような気がする。僕にとって有浦宇音とは何なのだろうか? 宇音をこれから付き合っていけるのだろうか?


「そう言う話だったね。緑さん、やっぱり行っちゃうんだ」

「だから、それをやめさせないと」


 とは、さっきから何度も言っている。


「今回は緑の両親に挨拶に行くんだろう。でも次は……」


 僕は緑が帰るのだろうと言おうとしたが、宇音が寂しそうな顔をするのでそれは言わなかった。


「いや、また織田さんに聞いてみるよ。絶対緑の星へは行かせないから」

「絶対よ! お願いね!」


 緑は絶対に帰らせない。


********


 次の日、練習場所に行く前に僕は織田さんを説得するために緑の家へ向かった。車で宇音と一緒に公園の入り口まで行き、僕は宇音を公園まで送った。


「織田さん、おはようございます」

「おはようございます」

「織田さん、緑の星へ行くんですか?」

「資料室を使って紅藤さんの実家へ行きました」


 もう行ったんかい! と心の中で突っ込んだじゃないか! 行動が早いな。でも資料室からの転移は実用が立証されてしまったので行ったのだろう。


「どうでしたか?」

「紅藤さんの両親も優しかったです」

「それで、どこに住むんですか」

「それはまだ考えてます。次回のライブまでには決めますので、よろしくお願いします」

「出来るだけこの町に残って下さいよ」


 よろしくお願いしますって言われても、緑の星へ住むのはあまり了承できない。だから僕は地球に残るよう織田さんには念を押した。


 話が終わったので、僕は宇音を公園まで迎えに行った。宇音は緑と真凛と三人で遊んでいた。


「あ、直之さん」


 と言って宇音はこちらに歩み寄ってくる。


「どうだった?」


 宇音は結果を聞いてきた。


「緑の星に行ったみたいだ。住む場所は次のライブまでに決めるらしいよ」

「はあ~。緑さん、帰ってほしくないな」


 僕もそう思う。説得を続けないと本当に緑は遠い所へ行ってしまうと思った。


********


 その数日後の練習中、僕達は啓子から召集を受け、集客の報告を受けた。観客は以前より増えていたが前より要件は足りていない。


「お客さん集め、難しいみたいだね」

「そうだな」

「お母さんとか来ても、一人だもんね」

「バッ! こんなところでお母さん言うなよ」


 宇音はいつからか僕の母を「お母さん」と呼ぶようになっているが、宇音のお母さんじゃないのでやめてほしい。


「じゃあね」


 一通り話をした後、宇音は練習場所へ向かって行った。


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