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工場で働いていた僕がアイドルを作ったらハーレムができた  作者: KAZU
第三章 飛躍するアイドルたち
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第25話 PVを撮ってみよう

 僕の幼馴染み、北原結香。我は強いけど優しくてすごく整った顔立ちをしている。だったらPVを作ろう。PVにすれば注目してくれる人も出てくるのではないか?


「結香、PV撮ろうか」

「へ?」

「折角作曲も出来たんだし、さ」

「他の曲は撮ってないじゃない」

「そうだな、でも、今回は撮ろう」

「う、うん」

「なんかよそよそしいな、撮るのが嫌なのか」

「い、いや、直くんが急に言うから……」

「ごめん……」


 結香は戸惑いながらも賛成してくれた。もっと自分を見て欲しい結香ならPVに撮られたいんじゃないのかと思ったけど、原因は自分だったようだ。


「あと、海音にも出てもらおう」

「今日は撮らないんでしょ?」

「まだ中身が煮詰まってない。でも一応許可だけは取らないと」

「そうね。あたしも行くから、海音ちゃんに聴こう」


 ということで、僕らは海音の部屋に突撃した。


「海音、ちょっといいかな」

「何?」

「結香の曲のPVを撮ることになった。海音にも出てもらえないかな?」

「私が? ですか」


 僕が咄嗟に言ったからか、海音は困惑していた。


「いいですけど」


 なんと、海音は早くも承諾してくれた。困惑していたように見えたが。


「結香ちゃんの曲なら、喜んで」

「よかった」


 海音がPV撮影に協力してくれる。そう思った。


「そう言えば、他の曲は、撮らないのですか?」

「そうだな。せっかくだから、他の曲も撮ろうか」


 元々、PVを撮ろうと思ったのは結香の美しさを映像に収めたら注目されるのではないかと思って考えて事だが、この際、他の曲も撮るのがいいだろう。


 こうして哲子の「目を合わせてPARTY NIGHT」もPVに撮ることにした。


「でも、『PARTY NIGHT』のPVを撮るなら説明しなきゃいけないからあたしのPVの方が先ね」

「そうなるな」


 それなら結香のPVを撮りつつ、『目を合わせて PARTY NIGHT』の撮影もしていくか。


********


 結香PVの撮影は後日、昼間に行った。撮影は少人数でしたかったので、PVには結香と海音しか出ないようにした。杏子には早くしろと言われているので時間はかけられない。若奈に「私も一緒に行きたいです」と言われたが、今回は申し訳なく断った。


 撮影のために訪れたのは駅前のスーパーではバレンタインセールをやっている。ここでは結香と海音がバレンタインのプレゼントを選んでいるシーンを撮ることにした。今、そう言うシーンを撮っているわけだが、僕はバレンタインの日はどうしてもアイドルから避けなくてはならない。何をされるか分からないからだ。何せ急にキスして怪力で抱きついて離さないようなアイドルもいる。しかもそれが同居人だったりするから厄介だ。


 それはともかく、今は撮影だ。僕はスマホを取りだした。本来なら大きなカメラを何台か用意するべきなのだが、そんなものは持っていない。それに、ここでそんな大がかりな撮影をしたら目立つ。さあ、撮影のはじまりだ。


「結香、なに買ったんだ」

「見ないで」

「いや、見ないと撮れないんだが」


 うーん上手く撮れないじゃないか。次は海音だ。


「海音」


 僕が言った途端に海音は体をひねった。なぜそんなに拒否反応が早い?


 どうしようもないので、もう一回結香の撮影を試みる。


「結香、何買ったんだよ」

「何見てんのよ」

「見ないと撮れないだろ」

「もう、恥ずかしいよ」

「そういう恥ずかしいところもいいな」


 僕は一瞬の隙を突いて結香を撮影した。よっしゃ!


「しまった!」

「OK」

「クソー。やられた」

「結香、言葉遣いが悪い……」

「あんたのせいでしょ!」


 僕が言い切る前に結香は激怒した。そんなに怒らなくても……。


「海音」

「はい」

「撮らせてよ」

「少しですよ」

「ありがとう」


 あれ、海音が撮影OKになった。何があったのかな?


「赤と、青の、包み紙」

「そうだな」


 海音は赤い包み紙と青い包み紙のプレゼントの二種類を持っていた。


「直くん、外出てて。会計済ませてくるから」

「買うのか?」


 二人は僕の質問に答えず会計しに行った。僕はプレゼントを買えとは一言も言ってないんだが。


 次は路上撮影だ。買えとは言ってないのに買ってきた二人が持っている買い物袋が、いかにも買い物後の雰囲気を出して意外と良い感じだった。


「はーい! 寄って寄って!」


 二人は抱き合うように密着した。二人とも恥ずかしそうなのだが、その表情がちょうどいい。


「ちょっと直くん、いつまで撮らせるの? 恥ずかしいからもう早くしてよ」

「分かった。もういいよ」


 僕は結香と海音を解放した。すると、後ろから何かの気配を感じた。


「あのー、何してるんですか?」


 後ろから来たのは黒い学生服っぽい服を着た背が低い女性だった。もう一人いる。


「撮影っぽいですけど」


 もう一人の女性が話しかけてきた。それにしても何で分かるんだ?


「ええと、この二人を撮ってるみたい」

「そのようですけど」

「はい」


 僕は思わず返事をしてしまった。それにしても、この二人は誰だろう。


「あのー」

「あ、もうこんな時間! 行こうよ!」


 女性二人組は、そう言うなり突然走り去って行った。一体何しに来たんだ?


「もう、直くん! さっきの人にまで見られて恥ずかしいよ」

「ごめん、すぐ終わらせる!」


 僕は二人の撮影を急いだ。


********


 僕らは練習場所へ帰ってきて、パソコンの置いてある部屋に集まった。とりあえず、結香と海音に感想を聞いてみた。


「どうだった?」

「楽しかったよ」

「私も」

「ならよかった」

「でも、あの直くんに話しかけてきた人、誰なのかな?」

「さあ。僕らの事を分かってたっぽいし、すぐどこか行ったから一体何がしたかったんだろう?」

「うーん」


 感想を聞いたが、どうしてもあの二人組の話題になってしまう。あれは一体誰なのだろう。考えれば考えるほど分からなくなる。


********


 次の日も撮影することにした。実は杏子の様子を窺っているが、奇妙なオーラが出ているからあまり時間を掛けたくない。今日もまずはスーパーで撮影。今回は結香も海音も何も買わなかった。


 路上でも撮影を行う。その移動中に結香に質問された。


「こんなスマホで綺麗に撮れるの?」

「こんなとは何だよ?」

「大きな機材とか使わないんだね」

「買う時間もお金も技術もない」

「でもどうしても即席感が拭えない」

「安っぽくて悪かったな」


 この結香の言い方はどうしてもイラッとする。早く撮影を済まそうと思ったら、どうしても安っぽい撮影になる。


 それにしてもあまり時間をかけるなと杏子は言うが、そんな事で『目を合わせて PARTY NIGHT』の撮影が出来るのだろうか?


「よし、今日はここで撮影しよう」


 僕達は駅前のショッピングモールを背景に陣取った。こうして撮影に入る。


「あー! 今日もいる!」


 あら、また昨日の女性が割り込んできた。何でここが分かったんだよ。


「ホントだ!」

「ひょっとして、今日も撮影?」

「うん」

「当たったー!」


 彼女らは結香に近付いていく。撮影の邪魔をするなよ。


「いやー! この人、可愛い!」

「かわいいわね」

「ちょっと、撮影するからどいて下さい」

「あ、ごめんなさい」


 僕が注意すると彼女らはそそくさと去って行った。一体何なんだよあの人たちは。


 それから何日か撮影を続けたのだが、謎の二人組は毎日やって来るのだった。

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