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工場で働いていた僕がアイドルを作ったらハーレムができた  作者: KAZU
第三章 飛躍するアイドルたち
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第21話.満員に向かって


「吉田さん、ちょっといいかしら?」


 僕はある日突然、啓子に呼び出された。今度は何を言われるのだろうか?


「私と哲子ね、BOOWGの人から是非うちの会社で働いてみないかって言われてるの」

「どういうことですか?」

「前の、会社の担当者から言われてて……」

「……」


 村原さんは、BOOWGであった求人について、担当者とのやり取りを語ってくれた。


********


 今日、会社の担当者に呼び出されて行ったのよ。でもね、


「村原さん、華南さん、突然呼び出して申し訳ありません。あなたたちにホールスタッフを任せたいと求人提案されたのですが?」

「それは正社員ですか?」

「一応こちらの契約社員と言う事にはなっていますが、期間は無いのでほぼ社員扱いだと」


 突然ホールスタッフ等をやれなんて言われるから、困って哲子の方を見たのよ。でもね、


「ごめんなさい。今回はお断りします」

「申し訳ありません。私もです」

「まだ、今回の求人で頑張らせてもらえないでしょうか? 紹介は有り難いんですが、アイドルの仕事が楽しくて、もう少しやらせてもらえないでしょうか」

「私も、折角センターになれたから、もう少しユニットに貢献したいと思っています」

「それに、そのホールを一回満員にしてみたいです。他の求人はそれを達成してからでよろしいでしょうか」

「分かりました。そう伝えておきます。一応契約期間は一年ですもんね。またその時までに続けるかどうか考えてください」

「「分かりました」」


 それだけ伝えるとそそくさと帰ったわ。


********


「断ったんですね!」

「そりゃそうでしょ。まだホールを満員に出来てないのに! それが出来るまでは辞められるわけないわ!」


 啓子は思ったより威勢が良くて怖かったが、それを断ってくれたならよかった。でも、ホールが満員になった後もカフェファクトにいてくれるのだろうか? いてくれた方が頼もしいぞ。


「まあ、吉田さんより、もっと人を集めたい人がいるから」

「そうですね」


 杏子は啓子がホールの観客集めに協力してくれると聞かされると涙を流して喜ぶことだろう。


 啓子は練習に戻って行った。すると入れ替わりで結香が入って来た。なんでだよ?


「直くん。啓子さん、なんて言ってた?」

「見てたのか?」

「外で休憩してて、あ! 啓子さんがいる! と思って。どこに行くのかと思って後をつけてきたの」

「後をつけてきたって……。話しかけなかったのか?」

「ちょっと話しかけにくかったからね」

「結香にしては珍しいな」

「あたしも、そんな話があったなんて初めて聞いたから」


 結香が気になるのは、啓子が初めてその事を話したのが僕だったからだろう。


「じゃあ、練習に戻るね」


 結香はそれだけ言い残して練習場所に戻って行った。結香も暇ではない。学校もありつつ個々の練習にも参加しているのだ。


 そこで僕も練習の様子を見に行くことにする。


 練習場所にいたのは杏子と結香と啓子と宇音。僕が様子を見に行くと、杏子が近づいてきた。


「直之さん、村原さんの件、聞いたよね」

「多分、僕に一番に話に来たと思うけど」

「しっかり頑張ってホールを満員にしてだって。これは満員にするしかないね」

「出来るのか?」

「自信はないよ。もう少しかかりそう。またライブはするから、決まったら言うよ」

「分かった」

「あと、二階堂さんの作った歌も今回は入れる。これに賭けてみようか」

「いいんじゃないか? 悔しいけど、良く出来てるよ」


 悔しいことを思い出しそうなので、僕はさっきの部屋に戻ろうとした。戻っても何もすることはないが。


「吉田さ~ん!」

「真凛、いたのか?」


 真凛が見えなかったのは不覚だが、さっき宇音にでも隠れていたのだろう。その宇音は今、後ろにいるし。


「ああ、宇音ちゃんに隠れてて、ごめんなさい」

「いや、いいんですよ」

「それで、村原さんに今度こそ会場を満員にしようって二宮さんに言って、二宮さんもやる気になっていますけど、大丈夫ですか?」

「え? どう言う事?」

「ちょっと、二人とも無理していませんかね」

「それは大丈夫だと思うけど、無理して頑張っているのかな?」

「そうでなければいいんです。吉田さんもあまり無理はしないようにしてくださいね」

「わかった」


 僕は特に無理していないと思うけど、杏子や啓子は無理して頑張っているのだろうか? その辺、僕はよく分からないけど。


「直之さんっ!」

「うわっ!」


 僕は突然宇音に抱きつかれてびっくりした。宇音は隙があるとこうしてすぐにくっついてくる。


「真凛も宇音を離すのを手伝ってよ」

「うーん。私から見ると幸せそうです」


 えー? どこが?


「幸せじゃないけど」

「じゃあ、私も」


 ついに真凛にも抱きつかれてしまった。今は練習中のはずなんだが……。


********


「もう、直之さんが一番邪魔してるよ」

「ごめん、杏子」


 僕達は杏子に叱られていた。特に僕は練習の邪魔をしたからと杏子に言われるのだが、それは誤解だ。


 真凛に話しかけられて話していたら、いきなり宇音が抱きついて来て、真凛にも抱きつかれてそれに僕が抵抗していたら杏子に見つかった。


「有浦さんも! こう言う事は家でやってくれないかな!」

「ごめんなさい。我慢できなくて」


 宇音は我慢していたのか? いかにも遠慮がないように見えるが。


「もう、我慢してよね」


 杏子はそう言ったらもう一回僕に注意する。


「直之さん、邪魔するなら出て行ってよ! 用事があるのならいていいけど」

「もう用事は終わってるよ」


 僕は杏子に言われた通り練習場所を後にした。だがこれでは僕のやることがない。僕は自分が出来ることを考えた。


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