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工場で働いていた僕がアイドルを作ったらハーレムができた  作者: KAZU
第二章 大みそかライブへ向かって(夏~年末まで)
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第16話-2.杏子の試練 前編

 啓子の言っていた店に着いた。ここで、啓子はチューハイを飲みまくっている。そして、さっきの出来事について聞かされていた。


「納得いかないわ。何なの? あれ」

「二人の気持ちは分かります」

「あんただって止めなかったじゃない!」

「だから、何とも思わなかったんですって!」

「それが納得いかないわ。おかしいことに気付いてよ! 前に当分ホールでするって言ってたでしょ!?」

「それはそうですけど」

「それに! 周りのコ達も賛成してたりしたけど、何?」

「他の場所でやりたかったアイドルもいるでしょう」

「でも、当分ホールでやるって説明してるのに、分からないの?」

「もう忘れてるんじゃないですか?」

「何で!? そんな重要な事を忘れるなんて信じられない!」


 僕は啓子を宥めているはずなんだけど、説明すればするほど啓子は怒ってしまう。僕が話しても燃料にしかならないようだ。


「すみませんでした。杏子にはそう言う風に伝えときます」

「頼むわよ! あと、会場の再考もね」

「分かりました」


 僕がそう返事すると、啓子はやや大人しくなった。


********


 店から出て、すっかり酔っ払いになった啓子はその場に寝込んでしまった。


「ああ、もう無理。動けないわ」


 その様子を見て、僕は哲子に聞いてみた。


「啓子、大丈夫なのか?」


「大丈夫じゃないと思います。もう今日は遅いので、帰っていいですよ。村原先輩は私が介抱します」

「悪いけど、頼んだよ」

「はい」


 どう見ても大丈夫そうじゃない啓子と介抱している哲子に別れを告げて帰った。


 それにしてもまたアイドルに亀裂が出来た。今度はどう修復しようか?


********


 翌日の練習だが、そこに啓子と哲子の姿はなかった。代わりに杏子の姿はあった。僕は杏子と話がしたい。


「杏子、ちょっと」

「はい?」

「ちょっと昨日の事で話があるんだけど」

「うん」


 杏子は少し下を向いたような返事をした。なんか話しかけるのが気まずいんだけれども、僕は杏子を静かな場所に移動させて話し合いをしてみた。


「杏子、昨日の事なんだけどさ」

「はい?」

「啓子たちがホールでしてほしいって言う話だけど」

「うん。何が気に入らなかったんだろう?」

「ホールを使ってくれなかったことかな?」

「そう言っていたけど、私は他にも色々な場所でライブがしたくて」

「でも、あの二人が納得いっていないって」

「それが気に入らなかったのね」


 杏子は落胆した様子でうなずいた。やはり、大分ダメージが大きかったのか?


「最初に決めた時に、当分はホールを使う約束だったのに、彼女たちの『当分』に当てはまらないまま、他の会場でしようとしたから」

「みんな納得してくれると思ったのになあ。もっと話し合って決めればよかった」

「杏子が独断で決めたのもよくなかったかもしれない」

「私はそう言うところがあるから。みんな賛成してくれると思って……」

「それがそうじゃなかったと」

「そう」


 杏子は困った表情でこちらを見つめている。


「だったら、杏子はどうしたいんだ?」

「私が勝手に決めたことは謝る。でもやりたい!」


「でも、啓子と哲子ともう一回話し合ってもアイドルで喫茶する! とは言わないような気がする」

「うん、どうしよう?」


 杏子は泣きそうな顔でこちらを見つめている。今度は笑顔で追われると思ったのに……。どうしてこうなるんだよ。


「だったら、もう一回話し合ってみるか? お互いにどこでやるのが一番いいのか」


 アイドル喫茶でのライブは他のアイドルは賛成だったようだから啓子と哲子さえ説得できれば……。


「出来ればアイドル喫茶でやりたいから。でも、どう言えば……」

「自分の思いを素直に言ってみればいんじゃないか?」

「そう。そうしようか?」


 杏子はどうしてもやりたいらしい。彼女が自分の思いの丈を話しても彼女らが納得するとは全く思わないのだが。でも、何か手を打たなければ亀裂が広がる感じがする。


「取りあえず、そうしようか」

「そうね。でも、現実は甘くないね。村原さん達を納得させなければ、アイドル喫茶でのライブは無しか」

「うん、あっちらはそれを阻止する気満々だけどな」

「そうみたい。でも、それでもやりたい!」


 こんな感じで上手くまとまるのだろうか? 不安なのだが、僕は杏子と啓子たちの間で話し合いの機会を設けようとした。


 まずは啓子に了承を得ないといけないが、LINEでこの事を送るとすぐに了承が得られた。でも、早くしなければ、啓子たちは上手く事が収まるまで来そうにないから各人のスケジュールの確認をし、最後はあの人に助けを借りよう。


「で、あたしに立ち会って欲しいって言うわけ?」

「うん」


 僕は結香に立ち会いをしてくれないか頼んでみた。


「つまり、ホールの事でケンカになった二宮さんと啓子さんの仲直りをさせたいというわけね」

「うん」

「いいよ、でもただじゃあちょっとさびしいよね?」


 結香は僕に圧を掛けてくる。なんでただじゃダメなんだよ。


「分かったよ。そのあとセンマイコーヒーで飲み物奢るから、それでいいだろ?」

「ありがとう」


 何とも強引ではあるが、結香を立ち会わせることになった。結香は啓子とも仲が良いので彼女らの思いを杏子に分かりやすく伝えられそうだ。


 これでいいので、あとは関係者の日程を調整するだけだ。


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