第7話-4.アイドルについて決めましょう(ユニット名編)
7-4.アイドルについて決めましょう(ユニット名編)
今僕たちは、ミーティングで活動内容や会場を決めてきた。
「次は?」
「ユニット名を決めましょう」
次はユニット名だ。ユニット名はとても大切だ。っていうか一番大切じゃないのか?
「あ、忘れてた!」
「いやいや、重要じゃん!」
結香にもそう突っ込まれる始末だ。プロデューサーという立場だが、正直何をすればいいか分からず、肝心なことは何も決められていないのだった。
「で、何にすればいいだろう」
「……」
会議室内は静まり返った。何で? 誰も何もないの?
「結香は? 何かある?」
「う~ん」
結香は考え込んでしまった。突っ込んできた割に考えてないとは……。
「ないわ」
「無いんかい!」
「具体的には考えてないわよ」
「考えてないんだな。他には?」
「考えてない……」
結香は黙り込んでしまった。どういう風に話を繋げようかと考えたところで杏子が提案を出した。
「こういうのはどうかな? 直之さん、カフェファクトなんてどう?」
「なになに?」
杏子の考えた名前、『カフェファクト』。何だろう。っていうかこのユニットカフェ関係ないよね?
「意味は?」
「え!? えーと……」
意味考えてなかったのか!? ってことは、ここで意味をはっきりさせておかないとユニット名が意味を持たないものになってしまう。
「ファクトって真実って意味だよね」
「結香!?」
「授業でたまに出てくる単語だから」
「そうか」
僕が話を途切れさせてしまった。でも、意味をはっきりさせておかないとユニット名が意味を持たないものになってしまう。
「カフェの真実。やっぱり私、カフェで踊りたい。センマイコーヒーの社員だもの。こんな気持ちを込めて名付けました」
カフェの真実。言葉は意外と格好良かったりする。ただ、この中でセンマイコーヒーの社員は杏子だけであるが……。
「杏子。響きはいいと思うけど……」
「ごめんなさい。ファクトは真実ね」
「いや、ホールでやるうちは、微妙な名前だな」
すると、啓子が何かありそうなので振ってみた。
「啓子、何かある?」
「BOOWG GIRLなんてどう? こちとら二人いるので、ホールも使ってるんだから」
「ちょっと、村原先輩!」
「カフェファクトもいいけど、私は喫茶店で働いたことはないから、よく分からないわ」
「村原先輩は喫茶店で働くタイプではないですよね?」
「ちょっと! あんたは一言多いのよ!」
「あひゃー! ひゅいまへんでひた」
哲子は啓子に頬を引っ張られている。哲子の頬は意外とよく伸びている。ただ、BOOWGの派遣社員も啓子と哲子だけだ。
「だったら、AIシスターズは?」
やっと結香が提案したのだが、すごい名前だな
「私たちまでAIに巻き込まないで」
「そんな言い方しないでよ!」
「なんでAIなの?」
「あたし、AIとか興味あるから」
「えー? 以外だね」
そう、この子はIT系の専攻へ通っている。だからこう言う名前を思いついたのだろうか? このアイドルにはAIは関係ないけど。
「他にはない?」
「あ、直くんは何かないの?」
「言わないつもりだったけど言うか。僕は『ヒロイックギャルズ』って言うのを持ってきたけど」
「何それ」
「悪いけど、嫌だわ」
「直くん、それ気持ち悪い」
って何なんだその言いようは!?結香には気持ち悪いとまで言われているし。あと、杏子は声には出していないが笑っている。
「……。悪いけどこれも候補に入れる」
「入れちゃうんだ」
杏子はびっくりしたように言う。それにしてもさっきから何なんだみんなして。そんなにこの名前がおかしいかな?
「この名前、おかしいかな?」
「う~ん。ちょっとダサいかな」
「ギャルズって古風な感じがします。村原先輩のもそうですけど」
「また! 『ガール』で止めたでしょ!?」
と、意見をしてくれてる啓子&哲子。結香は変なものを見る目で僕を見つめている。これには今日一番に凹んだ。
「うふふ、直之さん、ユニット名を決めましょう」
「え? 『ヒロイックギャルズ』、杏子はどう思うの?」
「うふふ。面白いと思う。さあ、決めましょう!」
「あの……。フォローしてくれないかな」
「ほら直之さん、くよくよしてても何も始まらないよ。ダントツで『ヒロイックギャルズ』に決まるかも知れないじゃない」
「うわ。それはそれで嫌だな」
杏子と話していても僕の考えたユニット名の話で止まっているのでさっさと多数決を取ることにした。
「最初に、結香が考えた『AIシスターズ』がいい人」
結香と海音。二人か。
「啓子の考えた『BOOWG GIRLS』がいい人」
啓子だけ。哲子すら手を上げていなかった。
「杏子の考えたカフェファクトがいいと思う人」
見た感じ、これで決定のようだ。まあ、カフェ関係ないけどな。
「じゃあ、『カフェファクト』で決定だな」
「ちょっと! 『ヒロイックギャルズ』はどうなったの?」
「あれはもういいよ」
「一応聞いてみようよ。ねえ、直くん」
いまさら聞いても、僕の傷心を余計に酷くするだけだと思うが……。
「『ヒロイックギャルズ』がいいと思う人」
……シーン……。やっぱり誰もいない。
「これ以上は凹むからやめて、もうユニット名はカフェファクトで決まりだな」
「じゃあ、これからみなさん、頑張ってカフェファクトの歴史を作りましょう。ね、直之さん」
「何で僕に振るの?」
「さあさあ、いつまでも落ち込まないの」
「落ち込むわ!」
僕の考えた名前でイジられながらも今日の話し合いはこれで終わった。




