関心
ルドヴィクスは、はたと思い出した。
そう、パウルス・シルウァルムは訓練校の卒業成績を二級と言っていた。だが今の話はどうだ。テオドルスの目にはおよそ四級相当に映ったというのか。いや、戦いながらのこととは言え、テオドルスほどの実力者がそれを見誤ることはあるまい。パウルスは実戦で本領を発揮できないたちか。では緒戦で見せた俊足というのは何だ。やはりどうにも辻褄が合わない――。
沈黙を破ったのはルドヴィクスだった。彼が一点、特に気になった部分について尋ねた。
「その俊足というのは、いや、貴君を疑うわけではないが、確かにおよそ目で追うことも不可能なものだったのか」
「はい、それは確かです。我が小隊の隊員たちにも尋ねて頂ければわかります。彼らもまた、口を揃えてそれを肯定することでしょう――」
テオドルスは思い出したように言葉を続けた。
「そうでした、その俊足の秘密について、私はパウルスへ質問しました。ですが彼は、無我夢中でした、と言うばかりで――結局、彼の口から何かが語られることはありませんでした」
ルドヴィクスには、そのときのパウルスの煙に巻くような態度が、手に取るように想像できた。
「わかった。此度の活躍、改めてご苦労であった」
ルドヴィクスはテオドルスに労いの言葉をかけて下がらせると、一人思いを巡らせた。
パウルス・シルウァルム。彼については、いずれこの目で確かめねばなるまい――。
■あとがき
本作をお読みいただき、ありがとうございます。
今回で本章は完結。
次回より新章に入ります。
次戦の舞台は、敵国の領土内。しかも市街戦。
そのため、これまでとはまた異なる展開が繰り広げられることになります。
引き続き、お楽しみいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。




