配置
敵はやはりリーベルタ軍だった。
此度の戦地は、前回の戦いで前にした、断崖絶壁の上部に位置する広い平原である。
両軍は前回同様、前日のうちに戦地を遠く臨める場所まで進軍し、野営をしていた。
ブラナテラ軍の指揮官は今回もルドヴィクスで、彼の口から作戦が語られた。
作戦の概要はというと、ブラナテラ軍はまず横に広く布陣。両翼に機動力の高い兵士を配置し、相手陣営を包み込むような形で進軍、多方向からの攻撃によりこれを殲滅する、というものだった。
パウルスは布陣の右端、最も外側に位置する剣術小隊へと配置された。
さて、ここで兵士の配置が決まるまでの基本的な流れに触れておこう。
まず大将が全兵力をいくつかの大隊に分ける。次いでそれら大隊の各隊長がまた指揮下の兵力をいくつかの小隊に分ける、という順序にて兵士の配置は決まる。より大規模になっても隊を分ける回数が増えるだけで、流れは同じである。
付け加えると各大隊、各小隊のメンバーは平時よりある程度決まっている。だが実戦となると国の私設団以外の兵、例えば傭兵や農民などが加わることもよくある話で、そのため改めて先述した要領で最終的な配置を決定するのだ。
斯くして、今回もそれに倣い兵士の配置がなされた。
しかしパウルスが最右翼に配置されたことだけは、大将ルドヴィクス直々の意向であった。
ルドヴィクスは、この戦でパウルスの力量を測ろうとしていた。




