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プロローグ

「…は?」

場所は教室。そして放課後。

目の前の机に座った私の親友でもある桜木 葵は

"何を言っているんだコイツは"

という目で此方を見ていた。

だからこそ、

机を強く叩きもう一度同じことを繰り返す。

「お兄ちゃんを落とそうと思うの!」

「…いや待て玲奈、落ち着け。」

ため息をつきながら椅子に座らされ、

彼女は鞄からホッキーを取り出すと私に差し出した。

「…食べる?」

「食べる!!」

一本抜き取り、ポリポリと齧る。

彼女は肩を竦めると、

自分の分を抜き取って齧りながら訊ねた。

「私の記憶が正しければ…

あんたのお兄ちゃん…彼女居るよね?」

「…うん。」

「あー、あれ?落とし穴に落とす…的な?」

「………。」

「え?恋愛的な意味で?」

「恋愛的な意味で」

頷く私と頭を抱える葵。

「昔からブラコンだとは思ってたけど…

ここまでになっちゃってたかぁ…ッ!!!」

「ちょっ…!そんなこと思ってたの?!」

そんなこと初耳だ。

というか私は別にブラコンな訳じゃない。

「はぁ…で、玲奈?

なんでそんなこと考えちゃったのさ?」

私は暫く迷ったのち、

少しずつ事の顛末を語り始めた。


私の兄でもある、笹倉 優也は、

どちらかと言えば、あまりパッとしない人間だ。

常に眼鏡をかけており、

幾らコンタクトにしろといっても聞かず、

困ったような笑いを浮かべて

『俺は眼鏡の方が性に合ってるから…』

なんて言う始末で。

だからこそ、そんな笹倉 優也に、

もとい、私のお兄ちゃんに彼女が出来たときは

飛び上がるほど喜んだのだ。

…と、同時に、少しだけ胸が痛んだのだが。

それでも、毎日幸せそうに笑顔を浮かべる

そんなお兄ちゃんを見るのは、

私の"楽しみ"の一つで、"癒し"でもあった。

そして、昨晩のことである。

駅で、兄以外の男と仲良さげに歩く女性を見て

反射的に身を隠してしまったのは、

偶然だったのだろうか、

はたまた運命だったのだろうか。

腕まで組んで、にこやかに笑うその女性を見て、

脳裏に"人違いだ"という文字が浮かぶ。

否、人違いであるはずがない。

一度しか会ったことはないが、

それでも、自分から"兄"という存在を奪った人間。

この恨み晴らさで、とこれでもかと睨み付け、

その顔を目に焼き付けたのだから、

見間違えようはずがない。

そのまま駅前のモクドナルドに入っている二人。

追いかけるように、

釣られるようにして中に入っていった。


『…ん~っ!!!やっと会えた~!』

『ははは…最近は中々会えなくて悪かったな』

『ほんとにね~?

…埋め合わせ、期待しちゃおっかな~?』

店内にも関わらず、キスをする二人。

…以前、兄に何処まで行ったかを聞いた際、

キスもしていないと聞いていた筈なのに。

『てかお前、彼氏居るんだろ?

こんなところで俺と会ってて良いわけ?』

『やだ~やめてよ~!意地悪~!

あんなの財布だってば。財布。

それに今はバイトしてる筈だし?

会うこともないって。』

目の前が真っ暗になる。

確かに兄はこの時間、バイトをしているのだ。

それに、この声、確実にー

『ねぇ…この後…暇でしょ?

…私の家でさ…その…』

『ほんと可哀想な彼氏だなぁ~?』

『も~!やめてよ!ほんと!!

あんな童貞眼鏡あり得ないから!!!

私が身体を許すのは貴方だー』

それ以上聞いてられない私は、

無言で席を立つと、家まで走って帰った。


『ただいま~って、うわっ?!

大丈夫?!何かあったのか…?!』

家に帰った兄に飛び付く。

初めこそ困惑していた兄だが、

そのまま頭を撫で、

『…話したいときに話してくれれば良いから』

無言で、私が泣き止むまで

ずっと抱き締めてくれた兄の、

あの温もりを感じながら、

気がつけば私が大声で泣いてしまっていた。


「…な~るほどねぇ…」

思い出すだけで悔しさで涙が滲んでくる。

そんな私の頭をポンポンと撫で、

葵は仕方無さそうに笑った。

「…それでそんなこと言い出しちゃったわけか」

「………。」

「その、彼女さんが浮気してるってこと、

お兄さんには…言ってないの?」

言えない。言えるわけがない。

彼女が出来て、あんなに喜んでいた兄に。

普段より前向きになって、ずっと明るくなった兄に。

あんな幸せそうな兄をずっと見てきた私が、

そんなこと、言えるはずがないではないか。

だからこそ、落とそうとしたのだ。

彼女より自分を好きになってもらえれば、

お兄ちゃんだってきっとー

「私から言わせてもらって良い?」

顔を上げると、おでこをピン、と弾かれた。

「…それだとさ、

玲奈が悪者になっちゃわない?

成功しても、失敗しても、

彼女持ちの、それも"兄"を誘惑する

悪者になっちゃうよ?

…それに、酷い話かも、だけどさ。

気付かない方も悪くない?

そんな回りくどいことせずに

バシッ!と伝えるか、

放っておくのが一番だと思うな。」

うー…と不満の声をあげ、睨み付ける。

「って言っても…聞かないよねー。玲奈は。

はぁ…よし!この葵ちゃんも

一肌脱いであげようではないか!!」

ニッと笑う葵。

「…葵っ!!!!!」

「可愛い親友が困ってるとあっちゃあ、

この葵ちゃんも、動かざるを得ないって訳よ!」

ー私が君のお兄さんを籠絡してあげよう!

その言葉を聞くと同時に、

私は彼女の頭部の側面にチョップを振り抜いていた。


「いったぁ…!冗談じゃん?!」

頭を押さえながら机に突っ伏す葵。

「…フシュー…フシュー…」

「待って!!待って!!!!降参!!降参!!」

手をブンブンと振ると、はぁ、とため息をつき、

苦笑しながら葵は告げる。

「でもさ~。正直、私が行った方が早いと思うよ?」

…そんなこと、百も分かっている。

分かっているのだ。

「………。」

目を伏せる私の頭を撫でて、少女は笑う。

「でも、それじゃ嫌なんだ?」

きっと葵ならば、彼女ならば。

お兄ちゃんを幸せにしてくれるだろう。

他でもない私の自慢の親友だ。

サバサバし過ぎて空気を読まないときもあるが、

それでも、きっと上手くやっていけるだろう。

でも、それでは嫌なのだ。

「…私は…。」

「そんな顔させたかった訳じゃないんだ。

ごめんね?ほら…もう一本あげるから。」

差し出されたホッキーをポリポリと齧る。

「…仕方ない。玲奈の恋路は、

この葵ちゃんが応援してあげようではないか!」

葵が胸をトン、と叩いた。

顔を上げる。

「………良いの…!?」

すぐさまチョップが頭に入れられた。

「いや、妹によるNTRが良い訳無いでしょ?!

…でも、ま、それでも好きなんだね。玲奈は。」

「うっ…」

「だったら、仕方ないよ。

私も応援してあげる。

ほらほら、今日は一先ず帰った帰った!

明日にでも、作戦でも練ってくるからさ!」

「あおいぃぃぃぃ…!!!」

無二の親友のお腹に抱きつき、声を上げる私。

「あぁもう…何さー」

「…ん?葵…太った?」

「よし玲奈。歯を食い縛ろうか」

「いひゃい…」

頬っぺたをつねられ、情けない声をあげてしまう。

「葵は帰らないの?」

「ん?私はまだ日誌があるからね」

「そっかー…。待とうか?」

「いや良いよっ!先に帰った帰った!」

荷物を持ち、教室をあとにする私。


「はぁ…良いなぁ…」

誰もいない教室。

風により揺れるカーテン。

開け放された窓から外を眺め、

頬杖をつきながら呟く少女。

桜木 葵の呟きは、

誰に聞かれることもなく、風に乗って消えた。

最後までご覧いただき有難うございます!!!!

初めまして!ですね!!

さてさて、基本こんな感じで、ブラコン拗らせたような主人公が何とかして彼女の手から兄を取り戻そうとする恋愛もの!です!!

そこっ!葵ちゃんにやらせりゃいーのにとか言わないっ!!!!!

はい!!えっと!この手の小説を書いたのが初めてで多分拙いところも沢山あると思うのですがっ!!

どうかどうか…生暖かい目で見守っていただけるとありがたいです!!はい!!

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