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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

あなたという人物の始まる話

作者: 黒羽 暇人
掲載日:2019/04/11


あなたは昔冒険者だった。

それは今から数百年も前のことだ。


数百年間の記憶はない、ある日を境に何をしていたのかを覚えていないのだ。

覚えている限りで最後の記憶は目の前で仲間が息を引き取った時だ。


冒険を始めたばかりのあなたについてきてくれた戦士。

彼はとても仲間思いな奴だった、戦士になった理由も一番前で仲間を守れるからだった。


彼は魔法使いを庇い敵の一撃をもろに食らいそのまま動かなくなった。




戦士とともにギルドの依頼をこなしこれからだという時に声をかけてきた盗賊。

彼女はとても好奇心旺盛な猫のような奴だった、なにか珍しい物を見つけたときまるで童女のようにはしゃいでいた。


彼女は戦士の死を嘆き無謀ともいえる突撃をした、結果は彼女の死で終わった。




冒険者として名を上げ始めた時に困っているところを助けた魔法使い。

パーティの中で一番経験の浅かった彼女は事あるごとに昔やったような失敗をして皆に笑われていた。


彼女は半身がほとんどなくなってしまっていた、苦しいはずなのに最後まで笑顔であなたを励ましてくれていた。


その傷は、その失くした体は、あなたを庇って______







ふと顔を上げると焚火が消えかかってしまっていた。

どうやらあなたはいつのまにか眠ってしまっていたらしい、焚火が消えてしまうと凍えてしまう急いで新しい燃料を加えた。


しかし夢を見るのはいつぶりだろうか、内容は覚えていない、いないが懐かしい夢を見ていた気がする。

良い夢だったのか悪い夢だったのかすらわからない。


だが、一人で野営をしているのに夢の世界に旅立ってしまうとは気が緩んでいるのかもしれない。

あなたにとっては久しぶりの野営だ、昨日までは常に気を張っていた反動かもしれない。


そう、あなたは昨日まで死体を積み上げていた。

意味もない作業だった、こちらに向かってくるからとりあえず殺す、機械的に繰り返していくだけのただただ面倒くさい作業だ。


しかし、とある少女の気まぐれによってあなたの気は変わった、ただあなたを見に来ただけと言ったあの少女は少なくともあなたの人生で出会った変人のうちの一人となっただろう。

…とても見覚えのある瞳だった。


あの力強い目はあなたの仲間を思い出させる懐かしい目だった。



それゆえにあなたは思い出したのだろう、あなたと一緒にパーティ全員の共通の目標を。

それは酔っている戦士が酒の席で適当に作った目標だった。

その場にいた全員がそれを面白がって賛同しただけのものだ。


もしかしたら覚えているのはあなただけなのかもしれない、だがそれでもいい。

『世界』の果てを目指そう。

それがあなたたちパーティの目標だった。




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[良い点] あなたを庇って。 [一言] あなたの人生で出会った
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