目が覚める
目が覚めた。
丘の上だ。
不思議な世界。
見たことのない植物に動物。
3つの月が空に浮かんでいるのも不思議だ。
そんな益体のない事をぼんやり考えていたからだろうか?
『ようやく目覚めたか』
という言葉を聞き、驚いてしまった。
誰も人が居ないと思っていたからだ。
しかし、声が聞こえた。
という事は誰かいるはずなのだ。しかし、何処にも人影は見つからない。
『どこをみている?ここじゃ』
後ろから聞こえてくる。しかし、後ろに人はいなかった。ただ巨木が一本あるだけだ。
何処にも人が居ない事にほっと胸をおろす。
まだ、ヒトは怖いのだ。
『何をしている?』
やはりいる。しかし、声は巨木の方から聞こえてくることが分かった。
木の後ろにいるのだろうと辺りをつけて確認してみる。
いない。
何処にいるのだろうか?
そうやって辺りを探していると、木が光始める。
足元に魔法陣が展開し、輝き始める。
何が起きているのか分からず困惑する。
しかし、変化は否応なしにやってくる。
光が一段強く輝き、辺りを照らす。
光に視力を持っていかれ、何も見えなくなった。
やがて光は収まり視力が戻ると、そこに大木は無くなり、
一振りの剣となった
『やあ。今更私と君が挨拶するというのもおかしな話だとは思うのだが、この場合は初めましてで、いいのかな?』
話しかけていたのはこの剣だったのだ。