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不思議な声
『消えなさい!【ジャッジメント】』
凛とした声と共に、天を染め上げるほどの光量を持った光の柱が乱立し……
―――雷鳴
轟音と共に雷が辺りを包み込んだ。
白い色に染め上げられた世界に鈴の音の様な綺麗だが不思議な声が響く。
『大丈夫ですか?』
その問いかけはこちらを心配するようだった。
体を確認するが、何も問題ないと答えようとする時に、まとわりついていた陰が消えていることに気が付く。
『あぁ、ヤツラが気になりますよね』
その声は、こちらを気にかけていた時の優しげな声からは想像もできない程に嫌悪感を表していた。
こちらが少し怖いと思ってしまうほどの怒りを露わにしていたことに気が付いたのか、声は申し訳なさそうに言葉を続ける。
『すみません……。怖かったですよね、ただ、ヤツラはこの世界にはいてはいけない存在なのです。ですので、つい』
ヤツラという単語だけでそこまで怒りに感情が支配されてしまうのはなぜなのか疑問に思っていると、見透かされたかのようにその声は昔話をした。