表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/25

×英知ー01(林檎)

「よー茉莉。お前オレンジ派なの?」


自販機の前でオレンジジュースを飲んでいると、英知が片手を上げながら僕に聞いて来た。


「いや、特にどっちが好きとかは無いよ。気分によるね。」

僕も片手を上げて挨拶を返しながら質問に答える。


「ふーん、そっか。俺はりんごジュースが凄い好きでさぁ、」

言いながら、カシャリカシャリと小銭を入れていく。

「ここに来るとつい買っちゃうんだよ。」

ピッ、と宣言通りににりんごのボタンを押す英知。何だか少し微笑ましい。

ガシャリ、と落ちて来た缶を拾い、またカシャリシャリと小銭を入れていく。


「ん?お使いかい?」


「そーなんだよ。あいつら自分から動く気が無いんじゃないか、ってたまに思うよ。」


ガタ、ガシャン。カシャリ、カシャリ。


「ま、俺もそんなに嫌ではないからいいんだけどな、いい息抜きにもなるし。」


ガシャン。


「あ、そーだ。今から俺たちの部屋に来ないか?茉莉。鞘香が何か新しいの作ったらしいぜ。名前はちょっと忘れちまったけど。」


「いや、是非行きたいんだけど。栞と待ち合わせしてるんだ。悪いけど、また今度誘ってくれ。」


にやりと笑い、やけに小さな声で英知が聞いてきた。


「お前らやけに仲いいじゃん?何?付き合ってんの?」


「な!!ち、違うよ!!僕はただ、【能力】とかの説明を受けてるだけで………」


「くく、焦る所が怪しいなぁ。」


「いや本当にっ………」


「あはは、いいよいいよ。じゃ、またな、茉莉。」


「………………ぁあ。」

何だかもやもやしたまま会話が終わってしまった。


もやもやを流し込もうと、ジュースを一気にあおってみたが、やはり何の意味もなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ