表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/25

×千鶴子ー02(蜜柑)


「あ、茉莉君。こんな所で珍しいわね。」


自動販売機の横にある、古いタイプのベンチで、みかんジュースを飲んでいると、千鶴子さんがやって来た。


チャリチャリ、ガチャンと何かを買った後、僕の正面に腰を下ろした。

「で?今日は何でこんな所にいるのかしら?」


そもそも、僕がここにいるのは、そんなに珍しい事でもないのだけど。

まぁ、千鶴子さんとこの場所で会うのは初めてだから、珍しいと、言って言えなくもない気がするけど、その表現はやっぱりおかしいと思う。

「……ちょっと休憩です。」


「あら?オレンジジュースなんて飲んじゃって、エロいわね。」


「……………え?何が?何で?」


「だって〈おるぇんじじゅーす〉よ?〈おるぇんじじゅーす〉。」


「そんなの完全に言い方の問題じゃないですか!!」


「そうかしら?」


「そうですよ!!それに、それだったら、何でもこじつけられちゃうじゃないですか!!」


少し首を捻りながら、千鶴子さんはおしるこをずずず、と啜る。

おしることは、また……何とも微妙なチョイスだ。


「……なんでも、は無理だと思うのよ、さすがに。」


「いや、それは言葉のあやというか……」


「例えばこのおしるこなんか……」

ごくごく、と一気に飲み干して続けた

「どう考えても無理じゃない?」


「いや、おしるこは文字の並びがなんとなくエロ………って何を言わせるんですか!!」


慌てて自分自身に突っ込みを入れた。

無断で人の体を動かさないで下さい。

千鶴子さんは、にやにやと僕の事を見つめていた。


「うふふ、やっぱり貴方とはいい友達になれそうだわ。」


「…………」

面と向かってそう言われると、なんとなく恥ずかしい。


「じゃ、またね。」

ビシッ、とよく分からないポーズを決めた後、千鶴子さんはゆっくりと歩いて去っていった。





…………………彼女は、要注意人物だな。と思った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ