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相棒となら異世界だって!  作者: 眠熊猫
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いつもより忙しい秋(従来比多分三割増)

ハナの葬儀、埋葬が終わって日常が戻ってきた。遊んで鍛錬して、気がついたら夏の三月が終わって秋の月が始まった。収穫の季節だ。


今年はすごく忙しい気がする。

いや、秋は収穫する物も、処理しなければならない物も多いから毎年忙しくなるんだけど。

夏の間に作ったシードルを造る作業場での仕事、干しリンゴと干し柿作り、春にいつもより多く蒔いた豆の収穫(豆は果樹園の果樹の間に撒くようになった)、味噌作り。と秋の仕事が増えたせいである。

子どもでも猫の手よりマシだ。結構色々使われる。


干しリンゴと干し柿も、余る分は売り物にすることになった。

だから村中の家の庭に今渋柿がいくつか埋められている。うちも今年新たに三個埋めてみた。

今まで甘い物は生の果物だけだった村に、砂糖より甘い干し柿、さわやかな甘さの干しリンゴは本当に凄い衝撃だったらしい。

裏山の渋柿はほぼ採り尽くされてしまった。甘柿の方が木に残ってる。これは山の鳥や動物の為に必ず残して置く。


リンゴも干す分とジュースで飲む分を残して後はみんなシードルにする。各家が提出したリンゴの量を秤で計って、側に立てかけてある大きな板に記入して、シードルを作り、一括して村長が王都のギルドに売り渡す。そして提出したリンゴの量に応じて利益を分ける。各家で自分たちの飲むくらいのシードルを作ることも認められた。火入れをすれば発酵のし過ぎも防げることは確認済みだ。父さんと母さんが経験者なので任せられる。

干しリンゴと干し柿は売る分は少量なので各自でギルドに売りに行くつもりだったのだが、結局シードルと同じようにまとめてギルドに売ることになった。


今まで、各自の家の納屋や倉庫、物置に運んでいた時には皆リンゴを片手に持って丸かじりしていたのに、この秋は誰も食べようとしない。

皆シードルを売って少しでも多く利益を出したいし、自分で飲む分も確保したいのだろう。


干し柿や干しリンゴも同様。売る分として各家で提出した分の重さを計り、売りに出す最小単位の、紙袋一袋の中身の重さを統一して売る。利益の振り分け方はシードルと同じようにする。


あと味噌作りは村を五つの班に分け、班内で協力して作ることになった。手順を複数人で確認しながら作る方が失敗しにくい。

実際に使えるのは作ってから半年後くらいからだけど、一年置いた最初の味噌(だいぶ減ったけど)はとても美味しくなっていたことをうちの家族全員が証言した為にどこの家も二、三樽分作っている。

うちなんか春に二樽作ってるのに、やはりこの秋にも三樽作る予定だ。今年の味噌作りが成功すれば、来年からは売り物にする分(一樽くらい)を増やして作る予定だって。


リュートが将来どんな職業に就いても大丈夫なだけのお金を作りたかっただけだったんだけど。

これでチーズまで作れるようになったら、どうなるのかなあ。

今はまだ売り出してないから、獲らぬ狸の皮算用でしかないけどさ。






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