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相棒となら異世界だって!  作者: 眠熊猫
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魔法は十歳を過ぎてから

私たちが住んでいる村は二十軒ほどの家がある。

私たちと同じくらいの子どもは他にはいない。

生まれたばかりの女の子が一人と、十二歳の男の子が一人。十三歳の男の子と女の子が一人ずつ。あとの子たちは皆大人扱いされている。


ここでは十歳を過ぎた年の春の一月から隣のナル村にある教会で読み書きと計算、魔法を習う。ここコス村と、ナル村のもう一つ向こうナル村の隣村であるタヤ村から集まって来るんだって。

習う期間は二、三年間くらい。要するにある程度覚えるまで。人によっては五年かかることもある。どんな職業であっても読み書きと計算は必要だからだ。


そして、この世界の人間は魔法適性がなくてもごく簡単な魔法を使うだけの魔力くらいは誰でも持っているらしい。教われば薪に火をつけたり、手や身体を清めたりくらいは出来るようになるそうだ。

大体十三から十五歳で職業につきほぼ大人扱い。一人前の大人と周りが認めるのはもう少し後。


独学で魔法をする(言い方が変なのは許して欲しい。)

のは危ないから禁止、なんだって。十歳になるまで我慢しなきゃ。


というわけで十歳まではひたすら体力作りと体術と剣術の鍛錬。主に柔軟と体幹を鍛えることにした。

あと少しずつ太極拳の型と合気道。五歳からリュートが始めたので私もそうした。


頭は覚えてるけど身体に覚えさせるのには時間がかかる。焦らずゆっくり。私はせっかちだけどリュートは私を抑えるのが上手い。助かる。

お互いの動きを見て注意し合えるのも嬉しい。注意が的確だと上達が早い。


今の私たちの日常はこんなものだ。

起きたらまず私たちの仕事。ニワトリを小屋から出して掃除と卵の回収。容器の水を入れ替えて野菜クズのエサをやる。

朝食(麦のお粥にヤギのミルクを入れたもの)を食べたら午前中はあちこちを回って季節の果物や山菜、キノコや薬草を採る。それぞれが背負っているナップザックにある程度貯まったら家に帰る。


セリという名の母さんとユーリという名の父さんは農作業に朝食前も朝食後も畑に出てるけど、母さんは早目に帰って食事の支度や他の家事をしてるから、大抵私たちが帰ると家にいる。

採れた物を母さんに渡すと毎日のことなのに毎回すごく喜んでくれるのが嬉しい。


そしてお昼。父さんも農作業をひと段落させて一緒に食べる。少し粗めに挽いた全粒粉のパンと、野菜に少しの肉か卵が入ったスープ。それにトマトやキュウリみたいに生で食べられる野菜にスダチの果汁と塩を振りかけたサラダもどきのことが多い。たまにリンゴとか私たちが採ってきた果物とかが付く。

一時間くらい昼寝したらミルクをコップに一杯。

それから鍛錬の時間。帰ってニワトリの水を入れ替えてエサをやり、小屋に入れる。


家に入って夕食。パンとお昼の残りのスープ。

最後に干した薬草を煮出した薬草茶を皆で飲む。

これ、甘茶に似た味で結構好きだ。これを飲んで寝ると疲れが完全に取れるし、身体の抵抗力もつく。

その後お湯で頭を洗って身体を濡らした手拭いで拭く。仕上げに母さんか父さんに身体を清める魔法をかけてもらう。寝巻きに着替えて、おやすみなさい。


うん。結構悪くない生活だと思う。





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