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相棒となら異世界だって!  作者: 眠熊猫
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教会大総会

冬の二月。私は十一歳、リュートは十四歳になった。

そして十日に教会大総会が始まる。

遅れてはまずいので、各国の王都の本部教会の司教、副司教(各国に三名から五名いる内の一人が参加する)は大抵早目にハプス島の大本部教会に到着する。

でもまだ七日なのに全ての司教副司教が到着済み、というのは珍しいらしい。

ちなみに祝福魔法が出来たという人はいなかったらしい。えー?本当?


で。一番早く到着したのは、海を挟んでお隣のメルー国と、その北にあるハムル国(ハプス島の西にあるルナート大陸)、ルーデル国(ハプス島の東にあるノムール大陸)の三国の司教副司教。

この人たちは冬の二月の二日に来たんだよ。


ノムール大陸の西側は全部ルーデル国なの。あとは北にランロー国、南にデルトーク(私たちの国)。

ルナート大陸はほぼ四等分されてて、北西にフック国、南西にリーナ国。 東北のハムル国と東南のメルー国。


で、メルー国とハムル国とルーデル国の司教と副司教が初めて参加した礼拝で祝福をしたらメチャクチャ驚きながら私に突進して来て恐かった。

「あれは何だ?」「どうやった?」

って。

だから祝福魔法だってば。通達しましたよね?

大司教に頼んで祝福魔法の説明をしてもらう。

で、大司教から祝福のお茶にはこの祝福魔法がかかっているのだと聞いてまた驚いてた。この人たち人の話聞いてないのかなぁ?


それからその後。順次到着した各国の司教副司教もほぼ同じ反応だった。私に向かって 突進して来るのまで同じだった。もう嫌だ。


私もリュートも学生だから教会大総会には関係ない。

だから私は司教や副司教たちとは礼拝で会うだけで済むだろうと気楽に構えてた。

リュートは

「おまえは台風の目玉なんだけどな」

って言うけどそんなバカな。


…そんなバカな。私まだ十一歳なんだけど。学生なんだけど。

なんで大司教と副大司教と大学校長に呼ばれてここにいるわけ?

うん。今リュートと私がいるのは教会大総会の大会議室。リュート、あんた判る?

「何度も言ってるだろうが。諦めろ。」

やだ。

「俺がいる。説明に困ったら代わってやるから。」

それなら良いや。頼んだ。

「今から丸投げするんじゃない。」

ちぇっ。


大総会が開かれた理由が祝福のお茶とチーズとヨーグルト。そして祝福魔法なんだって。

で、当事者を連れて来いと呼ばれたんだよ。

作り方はどれも公開してるんだからそれでもう良いじゃないかあ。


チーズとヨーグルトに関してはリュートがほとんど答えてくれた。

牛やヤギのミルクがすぐに傷んでもったいないとずっと前から思っていて、たまたま出来たヨーグルトはミルクより日保ちしたので農家に示したら作り始めたこと。

チーズはミルクを固めて乾かせば保存出来るのではと考えたのが始まりであること。云々。

さすがリュート。ごまかすの上手だよ。


祝福魔法のことは私が話さざるを得なかった。

でも大した話は出来た気がしない。ただ安産を願ったのが最初だし。

祝福のお茶だってそうだ。

元は母さんのお乳の出が良くなるようにって作ったのがきっかけなんだよ。教会で売るなら教会ならではの付加価値をつけたかっただけで。

だから後はリュートに色々補足して欲しいと説明をお願いした。

そうしたら。ちょっとリュート。あんた何言ってんのよ?






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